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【Audible書評】その日のまえに(重松清)

ビジネス書とか自己啓発系とか長編ミステリーを聴くことが多かったのですが、たまには静かに感情が揺り動かされる泣ける作品を読み(聞き)たいと思い、こちらの本を選びました。重松清さんの小説は今回が初めてでした。

余命の告知を受けた妻と、それを受け止めようと努力する夫。その日の「まえ」と「あと」のお話。一見、静かに進むこの物語の中で、自分がもしこの妻の立場だったら、夫の立場だったら・・・と二人の気持ちに感情移入しながら耳を傾けているうちに、自然と鼻の奥がツンとしてきます。

人は、この妻のように最後の最後まで、家族のために気の利いたことができるんだろうか。夫の立場として、相方を失う前の心の準備、失ったあとの心のやり場、自分だったらどうするんだろう。早かれ遅かれ、いつかどちらかに訪れるであろう死別の時とはどんなものか、と考えてしまいました。

外で歩きながら聞いていたのですが、汗をふくフリをして涙をぬぐいました。夏でよかった。泣ける小説を歩きながら聞くなら、暑い日がおすすめかもしれません。

結論:生きてる間・生かされている間は、明日死んでも後悔しない今日を精一杯楽しく生きよう。


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