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【実践報告】英語っぽい発音を、日本語のリズムとピッチに直す

シンガポールにも親日の方が結構いるんですよね。今回の方は、一緒に練習を始めてから1年になりました。

■学習者プロフィール

居住地:シンガポール
経歴:専業主婦。家族ぐるみで日本旅行好き、日本文化ファン。彼女は日本の文房具が大好きで、マステやレターセットのコレクター。娘さんは日本の大学に留学予定だとか。
語学:英語ネイティブ、ただし発音は中国語っぽいアクセント強め(いわゆるSinglish)。中国語も一定わかる模様。日本語は、去年N4に一発合格し、今は中級の入り口くらい。
目標:日本旅行で、レストランやお土産屋さんなどでお店の人と必要最低限の会話ができる。ペンパルさんに日本語で手紙が書ける。
その他:手書きの字が女性らしくて、めちゃくちゃきれい。ものすごく謙虚でやさしい。ちょっとミスると、すぐに「すみません、ごめんなさい」と謝るのですが、そんな必要はないのですよ・・・

■レッスン内容: 1音節1カウントのリズム練習

レッスン開始早々、最も気になったのはアクセント。せっかく正しい言葉を言っているのに、発音のせいで伝わらないのはもったいない。

まずは、音節ごとに1カウントとし、各カウントを平坦なテンポで発音してもらうこと練習しました。

例えば、英語で "internet" は、in-ter-net のように3音節ですが、
日本語で"インターネット"は、イ・ン・タ・ー・ネ・ッ・トの7音節。
上記のように、撥音(ん)、促音(っ)、長音(ー)が、前の音節とくっついてしまいがちなのを分けるよう、特に意識してもらうようにしました。

  • 初回は、まず日本語の発音の仕組みを説明。大昔にitalkiに投稿しておいた記事(下記)がいまでも便利。

  • その日の読み物などで使う単語をいくつか抜き出して、3 counts, 4 counts, 5 counts….の単語に分類してリストアップ(毎週変える)

  • Up/Downのピッチ(頭高、中高、平板、尾高)も意識してもらうため、高い音を赤字で表示

  • オンラインメトロノームを使って、テンポ80ぐらい(超ゆっくり)で自宅で練習しておいてもらう

  • 授業で、練習した成果を発表してもらう。音節がくっつきやすい箇所は、繰り返し練習

■Next Step

数ヶ月後、テンポはだいぶ改善されてきたので、メトロノーム練習は終わりにしました。今は、NHK NEWS WEB EASYから一部の段落を抜粋し、アクセント記号をつけて、毎週練習してきてもらっています。NHK NEWS WEB EASYは音声が付いているので、自習にも便利です。さらに、文の始まりから終わりにかけて音が下がっていく、イントネーションも意識するようにしています。まだアクセントが優先ですが。
とても真面目に毎日練習してくれるので、かなり聞き取りやすい発音になって、「え?」と私が聞き返すことも激減しました。

なお、イントネーションを図示化する際、いつもスズキクンのお世話になってます。


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