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コーポレートガバナンスを学んだら、競争戦略に還ったよ、という話。


Tribal Professional Academy、通称「TPA」。
企業経営理論、成長戦略、競争戦略に続く今回のお題は「コーポレートガバナンス」です。カタカナニガテ・・・


課題図書はこちら↓

コーポレートガバナンスってなに? 


大きな意味ではステークホルダー達による「企業統治」。
普段舵取りを任されている「経営者」の意思決定や行動を、株主、債権者、顧客、従業員、国・地域社会が、それぞれの「利益」を守る観点から行われるやりとりの全てです。


言ってしまえば、経営者に対して株主(およびそれをつなぐ取締役会が)

「応援してますよ」
「孤独じゃないですか?」
「心配してますよ」
「ちゃんとやってます?」
「言ったこと守ってます?」
「本当に?本当に?」
「仲間なんだからちゃんやれ」
「ゴォラァ!退場させるぞ!!」

みたいなことを、四方八方からコードや制度で規定して、期待に応えられる企業になるように決めるあれこれ、ということらしい。

今まで学んだように、企業の最も重要なミッションは「存続」なので、経営者のミッションとは利益を出すことによる企業の存続=ステークホルダーへの還元ということになります。


うんうん、わかってる。じゃあ、一生懸命やるだけじゃん。

と思うんだけど、17世紀にかの有名な東インド会社が株式会社というシステムを始めて以来、持ち逃げしたりやばいことを隠したり、能力がおぼつかない経営者は多々いるし、株主との関係性も定義されてなかったり、地域性があったり、すったもんだの繰り返しだったらしい。経営者にもイロイロいるから、規律を作って守らせるためにあの手この手のズル発見機を置いておきましょう、っていうことだ理解することにします。

そういえば、最初の課題図書もそんなアブナイ経営陣がいたよなあ・・・。


日本企業のコーポレートガバナンスと中身


日本においてコーポレートガバナンスが声高に叫ばれるようになったのはリーマンショック後のこと。

日本企業は従来、メーンバンクシステムに守られ、自ら資本効率を意識してこなかったため、歴史的にこのコーポレートガバナンスの概念が非常に弱い! そして、企業の存在意義指標のひとつとも言えるROE(株式資本利益率=投資に対してどのくらいの見返りがあったか)がものすごーく低いのです。経営わからん素人の私がちょっとびっくりするぐらい。

というわけで、おかみが主導で「日本再興戦略」が掲げられ、このコーポレートガバナンスに注力することが指針づけられました。“矢継ぎ早の指針”ってやつ。

1. 会社法の改定
2. スチュワードシップ・コードの制定
3. コーポレートガバナンス・コードの制定

この3つの内容が、要するに「ちゃんとやってます?」の中身。


1.  経営者の責任を抜け漏れなくチェックできる体制を義務付けますよ(監査役とか社外取締役とかはこのためにいる)

2.株主は、お金の運用に当たって規律を守って中身をわかるようにしなさいよ。目先の利益にとらわれずに中長期的に企業の本質的価値が上がるかどうか見極めなさいよ。(投資家側の諸原則を定めたもの)

3.  経営者は一部の株主をえこひいきしちゃダメよ、株主と話しなさいよ、株主以外とも話しなさいよ、情報開示しなさいよ。(経営者側の諸原則を定めたもの)


あれ?今までの学びと繋がってきたよ・・・!?

上記の「コーポレートガバナンス・コード」は、コーポレートガバナンスの“本丸”ですが、その肝は「Comply or Exprlain(遵守せよもしくは説明せよ)」で特徴付けできます。要は情報開示と透明性を最も重要視しているのです。


では、何を「開示」するのか?

1)過去の実績:これまではちゃんとやってきたのか
2)企業の仕組み:ちゃんとやれる組織なのか
3)将来の仮説:これから何をしようとしているのか

いちばん重要なのは3)で、これは企業価値という指標に置き換えられます。企業価値とは、本書の言葉で言う左脳的には具体的な数値、そのための戦略や計画。右脳的にはミッションや理念。

・・・あれ? これ、競争戦略の話まんまじゃん! 

つうわけで、投資家になるにも経営戦略って必修科目なんですね。
おもしろーい!!

まだまだ入口に立ってるかもわからんけど、仲良くしてね、経営理論!


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