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朝ご飯|あとがき

◇読了時間目安:約2分(1000字)◇

 小説「朝ご飯」を読んでくださり、ありがとうございました。ここでは、あとがきとして自分がやりたかったことや伝えたかったこと、反省点などを書いていきます。

『モチーフ』
 この小説は、「とにかくご飯を食べているところを描きたい!」という思いから出発しました。食べさせたいのは炊きたてのご飯にふわふわの出し巻き卵、豆腐とわかめのお味噌汁、そしてお新香。

完璧な朝ご飯。こんな朝ご飯を食べている人は心身ともに健やかな人に違いないですよね。大きな口を開けて、一生懸命に食べてくれそうです。食べてくれる・・・なるほど、この朝ご飯は誰かに作ってもらったものなんですね。

 では、その人はどんな関係の人なのでしょうか。こんなすてきなご飯を朝から
作るなんて、愛情がないとそうそうできるものではありません。なるほど。そうなると、関係は夫婦もしくは恋人。親子というのもありますね。その中から私は夫婦という関係を選び、物語を紡いでいきました。

『こだわった点』
 こだわった点は2点です。

 まず一つ目は食べている様子を丁寧に描写すること。さらに、視点をひいたりフォーカスしたりすることで、淡々と描写しながらもダイナミクスが出るように工夫しました。

 そして二つ目は、視線で愛情を伝えること。愛する人にご飯を作り、その様子を眺めている視線は、きっと愛情深いものでしょう。それを伝えるために、食べている所の描写の中に、ご飯を食べている人のエピソードも交えてみました。これにより、ただ食べている所を見ているのではなく、彼について考えながら眺めているというのが伝わるようにしました。

『反省点』
 実は、この小説の語り部である人物は子どもを身ごもっています。そのため、彼は「〜毎日一生懸命働いている。私たち家族のため」とし、最後の一文では、子どものいるおなかをなでています。

 しかし、日を置いて読んでみると、最後の一文が「おなかいっぱい」にミスリードされそうだなと思いました。いかがでしょうか。

 そのほか、臭覚からの情報も入れておくべきだったと書き終わった後に思いました。きっとあの場面では、豊かな香りに溢れているはずですから。

このあたりは昼ご飯(予定)を書くにあたり、意識していきたいと思います。

 今回も小説「朝ご飯」と「あとがき」をお読みいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

小原由香里

お読みいただき、ありがとうございます。もし気に入っていただければ、今後も遊びにいらしてください。よろしくお願いします。