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絵本をえらぶ

ちょっと気を緩めると、蛇口がゆるむように、なみだがでてくる。
最低限の毎日を運ぶことがやっと精いっぱいで、這うように時間を過ごす。
窓の外でぽとぽとと落ちる雨が、自分の中にたまっていく気がする。
自分の周りの出来事ひとつひとつが、ちくちくとささってくるようで、だれにも会いたくない。自分に向かう声にも、視線にも、指先にも、ぐっと身構える。

そんなときには、無理して人にあわなくていい
いやなことから、できるだけ逃げていい

自分の中から出てくるちいさな声を聞き逃さないように、好きなもの、ほっとするもの、穏やかな気持ちにしてくれるものに触れられるように過ごす
たいせつなともだちを慰めるように、自分自身を遠くからながめてみる

短くて、薄くて、絵が多くて、にやっとできるような本がいい
弱い風がするっと入ってくるような本がいい

これでいいのだ、と背中をなでてくれるような本がいい


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