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韓国映画「藁にもすがる獣たち」

ドキュメンタリー映画などを撮ってきたキム・ヨンフン監督のデビュー作。

過去に決別して新しい人生を夢見る悪女ヨンヒ(チョン・ドヨン)、失踪した恋人の借金を負わされているテヨン(チョン・ウソン)、テヨンに借金の催促をする悪徳金融業者ドゥマン(チョン・マンシク)、事業に失敗してアルバイトをしているジュンマン(ペ・ソンウ)、投資に失敗し夫に暴力をふるわれているミラン(シン・ヒョンビン)…それぞれが崖っぷちの状態にあります。

これは面白いです。2時間に満たない作品ながら登場人物たちの状況が複雑に絡み合って物語が進むうちに徐々に真相が見えてきます。初めは時系列で話が進んでいかない僕の嫌いなパターンでイライラしちゃいます。「あ、これはつまらない作品なのかな?」って思うのですが、違うんです。

ジュンマンは、アルバイト先の温泉施設で、お客が忘れたヴィトンのボストンバッグの中身を見て驚きます。中には10億ウォンの札束が入っていました。それを一時的に忘れ物倉庫に隠してあとから回収しようとしますが、解雇されてしまいます。それでもどうにかボストンバッグを回収できましたが、実はそのボストンバッグの札束は、殺された人間の保険金だったのです。

物語は、札束の出所がわかる中盤からテンポ良く進み、ジュンマンの妻ヨンソン(チン・ギョン)、その母スンジャ(ユン・ヨジョン 認知症を患っています)のおかげで物語は、悪漢ハッピーエンドで終わるのです。

「浪漫ドクター キム・サブ」でコミカルで温かい看護師長を演じ、「たった一人の私の味方」でも名演技を見せているチン・ギョンと、国民的女優(1967年生まれ。僕より10歳上ですから74歳ですね)ユン・ヨジョンが良い味を出しています。登場人物たちのほとんどが金に目が眩んだ汗臭いワルであるところに、このふたりのおかげで幸福感を味わえるのです。

さて、これで借りてきた韓国映画5本をすべて観終えました。仕事が少ないから暇なので何本でも観られますよ。WOWOWも観ていますしね。ああ、先生の原稿の手伝いが憂鬱ですね。締め切りはもうすぐです。明後日の打ち合わせまでに1行も書いていないのでは軽蔑されちゃいますからね。

あ、そうそう。今度の日曜はまた目黒ですね。緊急事態宣言下なのにね。またN95マスクの出番です。僕ら夫婦は、まだワクチン打ってないしね…怖い。政府が発表している高齢者のワクチン接種率の数字…あれは絶対に嘘ですよ。

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