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古道をあるく 風の道【葛城の道】奈良県 前編

今年初の『古道をあるく』は、ずっと歩きたかった『葛城の道』でスタート。

この道で始めるのは決めていた。
昨年にちょいちょい歩いている二上山の麓の道がとても好きになり
その奥の古い道が気になるのは必至となった。

大和盆地の西側、奈良と大阪との境にそびえ連なる金剛山、葛城山の麓を通る道。
そのほとんどが現在の御所市に位置する。

天孫降臨の神話の舞台や葛城王朝、役行者に大師様の話を見聞きすると
必ず登場するエリア。

どんな道かな?

長いので2篇に分けました。



今からそちらへ行きますよ!




近鉄南大阪線で尺度駅で乗り換え、近鉄御所駅(ごせ)へ。


2両のワンマン電車




お〜山が近い!
家多し



数駅だけで、終点御所駅

11時、遅い!


御所駅からまずバスで風の森というところまで行き
そこから戻るルートで歩く。

11時スタート、遅いがバスの時間に合わせるとこうなった。


赤いラインと葛城の道とある道を歩く
あと高天彦神社も入れて
トータル約13キロ




風の森下車


バスを降りて振り向くと・・
風の森峠


いざ出発!



溝に咲く葉



バス停から程なくすると、まず最初の神様
志那都比古神(しなつひこのかみ)を祀った神社、風の森神社が登場。


風の神


志那都比古神社(しなつひこのかみ)
(風の森神社)






ここから高鴨神社へ



木に宿る
何か




少しずつ登っていく途中振り返ると
遠く大峰連山まで見渡せる。


大台大峰連山を望む


吉野もすぐそこ




金剛山の麓に広がる田畑。


この辺りは稲作発祥の地との説もあるそう




道を曲がって正面に高鴨神社が見える。




葛城の道でも大古刹と言える神社。
日本最古の神社の一つという。
東に大神神社、西に高鴨神社というところでしょうか?

かつてこの一帯は豪族鴨氏が支配していた。
その鴨族の氏神で、京都上賀茂、下鴨神社の本家で全国の鴨(加茂、賀茂)社の本宮になる。

主祭神 阿遅志貴高日子根命(あぢしきたかひこねのみこと)




拝殿


東側の神々



トウロウを探せ!




稲荷神社



西宮



こちらのカモさんは優雅にスイスイ〜



高鴨神社境内



山を生活の地として支配した鴨族は、霊的集団であったともいわれ
天体観測や薬学の知識が深く、製鉄技術、農耕技術、交通手段である馬術にも長けていたという。
あの役行者も鴨族、安倍晴明の師匠で陰陽道を極めた賀茂忠行も鴨族だったという。

かなり面白い繋がりだが、この話を始ると先に進まないので、
古道に戻って歩きます。



次は高天彦神社。
高鴨神社で御朱印をいただいた時に、高天彦神社の御朱印もこちらで授けます
とのことだった。宮司さんが兼任されているいう。
ふ〜んと思いながら、両方いただいた。
そしてこれから歩いて行くというと、あらまぁ〜的な反応で
「気をつけておいでください」と。




民家のベル?!
コンコン
「たのもう〜どなたかおるかのう?」



怪しい池というより沼
きっと棲んでる
龍さん



バス停からずっと道はコンクリート。
あまり古道感はないかな。

でも開けた場所からの東側の盆地方面や吉野方面の景色は良い!



けっこうあっち



東を望む


山沿いをてくてく


まだ




蔦と攻防



田畑の道に古い建物が点在。
古そうだな〜と見上げたら・・・小學と

古い小学校だった。



立派な瓦葺き




標識はあちらこちらにある
しかし歩いている人
ゼロ
いやワタシだけ





ツリーファースト!




県道を超えて山へ

~Shrine~




登る




見えた!



参道入り口


振り向くと
左側が高天原
伝承地




しめ縄をくぐり進むとそこにまた坂道。

参道ってあったが・・・山道?!


杉の道をゆく



階段
数日前のデジャブ?笑



かなりの上り坂の山道がしばらく続く、
「なんじゃこりゃ〜聞いてないよ〜」とブツブツ言いながら歩く。

そうこうすると少し下り、獣よけの柵を出る。

ここでブツブツ言った罰か?!
柵にズボン(ズボンというかスポーツパンツ?!)が引っかかりコケた。
裾が破け穴が空いた・・・。

もう二度とブツブツ言いません〜

おしりじゃなくってよかった・・・笑



コケたには訳あり、
目の前に神社が見え、せっかちなので慌てた。


でもその杉並木と神社の姿がとてもよかったのですよ。



ただならぬ空気と趣きに
引き込まれた
したらコケた
悪いのはワタシだけ??



気を取り直してお参り。


高天彦神社

主神 高皇産霊神(たかみむすびのかみ)
   市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)
   菅原道真公

創建 不明


ここは金剛山の麓になり、社殿背後の白雲峯をかつては御神体に祀られたとされる。

そう、山が御神体の神社の、なんともいえない荘厳さやキリリとした空気感が
ワタシの好きな神社の特徴を兼ね備えていた。

規模こそ大きくはないが、その『気』はかなり良い、そう感じた。



響く


呑む



坐す


積む















神社に向かって左側に水車がある

葛城の道を歩いていると、あちらこちらに小川があり
山から水がとにかくよく流れている。



廻る




この水車の横の道が金剛山の登山口になってる。

ちょうど女性が颯爽と下りてきた。

いつかここ(金剛山)も登りたい。









葛城氏の発祥地である金剛山の中腹、高天はこの一体の地名でもある。

様々な伝説で高天原とされる場所は多くあるが、ここがその伝承の地の一つであり
その名残や繋がりがあるのも確か。

また、先ほど見た大峰連山を望む景色を見て、役小角が鬼たちを使って橋を掛けようとしたという話もこの辺りだが、
なるほど・・確かに橋掛けたくなるかも笑




次は高天寺橋本院を目指す。









一千年以上前の話の神話や伝説の地を歩き、きっと昔と見えるものは
大きく変わったものと変わらないものとあであろうが
想像を掻き立てられる景色、空気感は大いに実感できる。

そしてそれが語られるようになった何か理由がやはりあるわけで
その明確な答え合わせはもはやできなが、一つ一つを確認して歩く
それが古い道を歩くことかなと思いながら、次は何が出てくる??



前半(まだ三分の一の道のり)でかなり濃く深い、
葛城のいにしえの景色と歴史を見た気がする。





まだまだ道はつづく









おまけ

今回の葛城の道のコースは、いつもお世話になっている
近鉄のてくてくまっぷをなぞった。
これ近畿エリアの方はご存知の方も多いのでは?
奈良に来て初めて知り大好きになった案内地図です。
とにかく細かい!
イラストや要所要所の案内コメントが親切。
距離もしっかり明記されている。
とにかく地図に対する情熱?熱量?がすごいと思う。
実際歩かなければ、これだけの情報量を落とし込むことができないでしょう。

ひーさんはこのマップは分かりにくい、と言っていたりと
人によっては別の意見もあるかもしれないが
地図をこよなく愛するワタシには、とても愛着と信頼のあるマップ。

なので、このシリーズ全部持っている。
近鉄奈良駅の駅長室(事務所)に揃っていると聞き、
大阪、奈良、京都、三重のを全部(3〜40枚ぐらい)入手。

幸せ!笑
眺めているだけでも旅した気分?!



御所駅の案内所でいただいたマップも見ながら。
でもこれはやはり・・・物足りない・・・

ポケットでぐしゃぐしゃ



基本、あまり地図を見ながら歩くことはない。
携帯ではもっと見ない。
大体の道を頭に入れ、あとは標識を頼りに歩くのタイプ。

ただ、今回のように立ち寄るところが多い場合は
やはり位置確認やルート確認は必要なので、持ち歩いてたまに見ては
まだここー?
となった。






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