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まちづくりビジネス考察

 毎回、noteを作るときに悩むのが、”テーマ”です。気の赴(おもむ)くままに描いてるように見えるかもしれませんが、これでも結構、考えているのです(つもり?)!

 さて、昨日、仕事でとある有名大学に勤められている教授の講演を聞きに行ってきたのですが、その講演のテーマが”投資”という内容で、先行投資してたとえ損とわかっていても「投資」をすべきだと言われていましたが、損をわかって「投資」する人はいないわけで、将来的に「リターン」があるから投資をするという考えがなく残念でしたね。せめて有事に備えて投資するが、その有事が来るまで有効活用するとかいう話があればまだ理解できたのですが・・・

 講演会のお話は、いま読んでいる本と考え方の違いがあり、その違いが「まちづくり」でもよく起こっていることから、今回は「まちづくり」というテーマにお話させていただきます!

 なお今回は、バリュー・リノベーションズ・さの(VRS)のメンバーすべての考えではなく、個人的な見解も大いに含まれていますのでご了承ください。

”まちづくり”とは?

 「まちづくり」って、よく使われますが、都市計画的な意味合いなのか、それともまちの活性化するソフト的な意味合いなのか、改めて聞かれるとよくわかりません💦 ですので、”Wikipedia”で調べてみますと・・・

 まちづくりは、街の建物を発展させることであるが、一般的にこの言葉が使われる場合、「まち」は既存のもので、新たに「つくる」ことを指し示す例は少ない。また、建物や道路といったハード面や、歴史文化などのソフト面を、保護と改善する事によって、さらに住みやすいまちとする活動全般を示す。衰退した地域の復興を目指す再生活動は「地域おこし、まちおこし」であるが、明確な定義をせずに、都市開発あるいは地域社会の活性化など、論じる人によって、様々な文脈で使われている。(Wikipediaより引用)

なのだそうです。みなさん、ご存知でしたか? 

”まちづくり”は誰のためにするもの?

 この「まちづくり」という言葉は、なんとなく「いいことしてるよな~」と思わせるところが勘違いさせている原因なのかなと感じます。

 と言いますのが、まちづくり活動を始めだした頃は「いいことをしているな~」と思っているうちはいいですが、その活動にはもちろんお金がかかってきます。

 そうなると、まちのためにいいことしているのに、その活動に必要となるお金を全て「自分たちで出さないといけないか~?」と感じるようになり、そのお金もかさんでくると、「お金を出すの自分たちでなくてもよくね?」という発想に陥り、最悪な状態になると、「まちのために、いいことしているのだから、お金の工面は役所に頼もう!」とか、「こんな補助金があるのだから、補助金を使えばいいじゃん」ということになっちゃいます。嘘のような本当の話で、結構こういった事例は各地で起こっています。

 「まちづくり」の取組は必要だと考えていますが、果たして誰のために「まちづくり」をしてのでしょうか、そして、その取り組みには補助金などの税金で賄うべきことでしょうか?

VRS記念講演会 案内状 裏面(縮小)

補助金による弊害を考察

 補助金で賄うことを前提とした「まちづくり」には、個人的な意見として反対です。他の方も仰っているところと重なるところもありますが、その理由として3つあり、

①「補助金」によって、まちづくり活動を行う人たちの主体性が失われる。

②国や行政からの「補助金」には、目的や使途が限定されており、その目的や使途に沿った形でお金を使わなければならない。

③期間が短くても実施しないといけなかったり、事業終了後の報告書を受理されてからでないと基本的に補助金は交付されない。

これはどういうことかと言いますと、

①は、本来、地元住民やまちおこしなどの有志ある方々が主体的にまちづくり活動をしているにも関わらず、補助金をもらっている間だけ活動したり、事業成果がでなくても「やった」ことに意義を求めたり、ひどい時には、行政から頼まれてやってあげているとか、本末転倒な話に”変換”されたりします!

②は、行政ならではルールがあり、税金を使って事業をする場合、大義名分が必要であったり、財産を取得するような費用に対して補助できないとか、そのほか民間ビジネスでは考えられない細々したルールがたくさんあります。そのため、初めは計画していなかったことまで、手を広げなければならなかったり、効果がないとわかっていてもやらないといけなかったりするわけです💦

最後に③ですが、予算が決まる時期は、国ではだいたい2月頃の国会で、地方自治体は3月下旬の議会で予算が決定されるといった流れが一般的です。これは予算が決定されるまで補助金の募集ができないということです。

 しかしながら、募集の開始時期がどんなに遅くなっても事業の終わりは同じで、事業の終了はだいたい2月~3月といった具合です。

 この流れで行きますと、募集には決裁権限のある上司まで見てもらわないといけませんので、それが終わってから募集となると早くて5月中下旬以降、そこから募集期間が概ね1か月あってから選定作業し、その作業も”外部委員”という方が入ったりするとさらに伸びて、選定されてからまた決裁をあげてしていると早くても9月から事業開始というのも往々にしてあり、そこから調整して翌年2月に事業を終了させるとなると6か月しか事業期間がないわけです。

 しかもそのお金は事業終了後にお役人の方から、補助事業の報告書の提出も求められ、報告書の「OK」が出てからの支払いになります。

 となると、その間は事業を実施するのに必要となる経費はどこかの金融機関から借りないといけないわけです。しかも、無利子で貸してくれることはなく、当たり前ですが利息が発生するわけですが、その利息は一般的な補助金には対象外となるわけで、なにかしらの自己資金が発生するわけです!

”まちづくり”をビジネスとして考える

 まちづくりに取り組むのに、役所のお金をアテにすると、主体性がなくなるだけでなく、継続した事業成果が出にくいと思っています。補助金でなにかイベントを開催しても、その時だけは人が集まるけれども、イベントが終われば、また人が来ないといった事例はほかでもたくさんあります。

 しかし、まちづくりを補助金でするのではなく、ビジネスとしてとらえた場合、どうなるでしょうか?

 ビジネスですので、採算性を重視するため、不必要なお金をかけなくなります。そして、将来ビジョンを描いて事業に取り組みます。最後に、まちづくりで「稼ぐ」ことを意識するため、継続された事業として意識づけられます。

 ロバート・キヨサキさんの著作「金持ち父さん貧乏父さん」の中に、「収入をもたらすのが資産、支出しか生まないものは負債」と書かれております。ビジネスは負債より資産があるほうがいいわけで、見栄(みば)えがいいとかだけで収入を生まなければ、それは単なる「負債」です。

 この本を読んで、まちづくりでもこうした考えが必要だと感じました。

 補助金は全て悪とは言いません。タイミングが合い、補助金をもらうために無理に事業にかける予算を膨らますのではなく、事業スキームが大きく変わらなければ、次の事業への投資が早くできるので、その場合は使えばいいと思います。

 でも補助金を活用して実施する事業の大半は、先ほどの「金持ち父さん貧乏父さん」の言葉を借りると、「お金のために働く」状態なのです。

 最後に

  まちづくりは、「公」と「民」とがそれぞれの強みを活かして連携して活動することだと思っています。そこには「いいこと」をしているだけでなく、責任をとる覚悟を持って取り組んでいくわけです!

 まちづくりをビジネスとして、本気で取り組みたいと思われる方は、ただいま「さの町場 まちやど実践ワークショップ」の参加者を募集しています!(画像をクリックするとリンク先へ移動します)

まちやど2

 まちづくりビジネスに興味がある、または、起業家として参加してまちの再生につなげていきたいと考えているチャレンジ精神旺盛な方、待ってます!

 少し説教じみた話になってしまいましたが、みなさんのご意見も聞かせていただければと考えています! それでは今回はこの辺で!またお会いしましょう~👋



 

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