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エッセー 「70年代の荒ぶる青春群像を描いた異色のカーアクション映画 "ヘアピン・サーカス "」

  キャッチコピーは「真夜中のハイウェイ 愛に飢えた2台の車が絡み合う いのちを燃やして疾走する男と女」である。

 「青春の門」で有名な直木賞作家・五木寛之原作を元に映画化された異色のカーアクションムービー ' ヘアピン・サーカス ' は、70年代モンドムービーの中でも一際異彩を放つ快作である。

 なにしろキャストが凄い。

 主人公の元レーサー・鳥尾俊也を演じるのは当時人気絶頂期の現役レーシングドライバー・見崎清志。

 相手役の小森美樹役には富士グラチャンシリーズのレースクイーンも務めた女優の江夏夕子。

 そしてなんと、小森美樹の親衛隊的な存在のクレージーな走り屋・アキラを演じたのは、トムスの創業者でレーシングドライバーの舘信秀。

 さらに、テクニカルアドバイザーとして元トヨタワークスドライバーである大坪善男が参加している。

 まさにオールトヨタ! 子供店長も真っ青である。

 出演者もトヨタ系ならもちろんクルマもトヨタ、という事で主人公が乗るTA22型セリカ(ダルマ)や小森美樹の愛車トヨタ2000GTなど、これもまたトヨタオンパレード。

 映画自体は70年代モンドムービーの定番とも言える「無軌道な若者群像」を描いた作品群の一つではあるが、異色のキャストやスタッフの顔ぶれからも当時の花形職業であるレーサーの人気ぶりが垣間見える貴重な作品と言えるだろう。


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