見出し画像

アトランダム小説「椿ライン伝説1981(仮)」

 "椿ライン"は"神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線"、奥湯河原温泉郷の入り口から大観山山頂を経て芦ノ湖湖畔の箱根関所南交差点に至る約18.5kmの一部区間の愛称である。

 奥湯河原から大観山付近の標高1,015メートルの最高地点までの区間は標高差約750メートル。そのほとんどが中・高速コーナーから超低速ヘアピンコーナー、コーナリングの途中でRが変化する変則複合コーナーなど、様々なコーナーで構成された極めて難度の高い峠道である。

 過去から現在に至るまで、幾多のドライバー・ライダーがこのテクニカルロードの制覇を試みた。ある者は椿ラインに潜む魔物に阻まれ無念の涙を飲み、ある者は神がかった鬼神の走りでワインディングキングに昇りつめた。

 様々なドラマと様々な伝説に彩られた魅惑の峠"椿ライン"、この物語は様々なスポーティーカーが次々と生み出され、日本自動車産業のカンブリア紀と称された1980年代、そのマシンを駆り敢然と椿ライン制覇に挑戦した熱き走り屋へのレクイエムである。

宜しければサポートをお願い致します!