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マシンチューニングの基礎知識 「ブーストコントローラーを装着する本当の意味」

 ターボ車にブーストコントローラーを装着している人は多いと思う。

 装着した動機は問えば、恐らく大半の人が「ブーストアップのため」と答えるだろう。

 ブーストコントローラーには、設定値を機械的にで制御するVVC(Variable Valve Controller)と、センサーとステッピングモーター(もしくはバルブ)を用いて電子制御するEVC(Electronic Valve Controller)の二種類があるが、加給圧を制御する精度と信頼性においては電子制御のEVCの方が優れている。

 排気ガスの流体エネルギーを再利用するターボチャージャーの場合、エンジンの回転が上昇し排圧が高まるに従いターボチャージャーの加給圧も上昇するため、そのまま放置しておけばターボチャージャー本体が破損する危険性が生じる。

 そうした加給圧の異常上昇を防止するため、ターボチャージャーにはある一定の加給圧に達すると自動的に排気ガスを逃がすバイパス通路、通称 "ウエイストゲート"が設けられている。

 ウエイストゲートへの排気ガスの放出はアクチュエーターがバイパスバルブを開閉することにより行われるが、アナログな機構ゆえその制御はかなりアバウトである。さらに、エンジンや高温になるターボチャージャーにも近い部分に装着されているので、付着した汚れやサビが熱膠着を起こし、作動不良を起こす危険性がある。

 その結果エンジン回転が急激に上昇し、排圧が急速に高くなった場合などには瞬間的にオーバーシュート(設定加給圧を超える最大加給圧がかかる状態)が生じ、ターボチャージャー本体及びエンジンに不要な負荷をかけるといった深刻なトラブルの引き金になるということも憶えておきたい。

 ブーストコントローラーの装着は、アクチュエーターの不安定な制御を補正するために非常に有効な手段となる。

 つまり、設定加給圧の精度を保ち、エンジン本来のポテンシャルフルに引き出すことこそがブーストコントローラーを装着する真の目的なのである。

 ブーストアップはあくまでも副次的な要素として考えるべきであり、それをメインにしてはならない。

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