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カーコラム「スタイリッシュなボディに熱い心臓を載せた三菱初のスペシャリティクーペ " 三菱ギャランGTO MR "の想い出」

 三菱ギャランGTOは1969年(昭和44年)10月に開催されたの東京モーターショーに参考出品された新型プロトタイプ「ギャランクーペGTX-1」の市販モデルとして1970年10月に発表され、11月により発売を開始したギャランのスペシャリティカーである。

 GTOのラインナップの中で最もホッとなバージョンが三菱初のテンロクツインカムユニット「4G32型」を搭載した「MR」である。

 ウエッジシェイプを基調とした流れるような力強くも美しいファーストバックにテールをわずかに跳ね上げたダックテールが特徴的なGTOのボディフォルムに、ボンネット上の2個のダミーエアスクープやサイドのストライプテープで装飾されたMRは、精悍でスポーティーな演出が施された。

 搭載されたエンジンはソレックスキャブレーターを2連装したロングストロークDOHCエンジン「4G32型サターンエンジン」は1598ccの排気量から最高出力125ps/6800rpm、最大トルク14.5kgm/5000rpmを搾り出す。その動力性能もさる事ながら、高回転型のDOHCエンジンとは異なり、実用域である中・低速においても充分なトルク特性を発揮する粘り強く非常に扱いやすいパワーユニットに仕上げられている。

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 4G32型サターンエンジンに組みわされるトランスミッションは5速MTのみの設定。

 MRのサスペンションは他のGTOシリーズと同じくフロントがストラット、リアはリーフリジッドと当時としては極めてオーソドックスなレイアウトだが、スポーティカーらしいハードなセッテイングが施された。特筆すべきはリジット、しかもリーフスプリングを採用しているリヤサスペンションのスタビリティの高さとハンドリングの秀逸さ。とてもリーフスプリング採用しているとは信じ難いほどのスタビリティ、トラクション、コントロール性を誇った。

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 センターコーンソールに配置された回転、速度、水温、油圧、油温、電流の6連メーターの出迎えを受け座るコクピットは、まさに男の仕事場。オーバーヘッドコンソールを装備するドライバーズシートまわりは、航空機の操縦席に似ているところから「フライトコクピット」と呼ばれた。至福のドライビングを楽しむ男の隠れ家である。


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