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かりんの青空 ~父、倒れる~



 我が父は御年73歳。
 頭髪が薄くなる事はないけど、たくさんの白髪に覆われている。

 長年、外仕事も多かったからか、顔にシミもたんまり出て、左耳は老化でほぼ聞こえていない。一生懸命生きていた証が明るみに出て、消えないお年頃。

 人見知りなのに、家族だけだと喋りだすと止まらない。今は丸くなったけど、昔は頑固で怒りやすくて大変でした。
 だだ、信念が強い分、仕事や頼まれ事は期待以上の事を必ずしてくれる人。

 子どもの頃、お出かけの日は大抵、5分前には車に乗らないと怒りだしていた。
 余談ですが、母は、逆のタイプでいつも5分遅れていました。そして父に怒られて笑ってごまかすタイプ 笑

 子どもの頃から大きくてかっこよくて。低学年の頃には人間ブランコや肩車をしてくれて、小さな私にとってヒーローでした。
 理解力も判断力も長けていたし。

 そんな父も、60代の頃に大きな癌の手術を2回ほどして、肺を3分の1切除した事もあるので、もう体はボロボロ。
 ここ最近は、血圧が高いと聞いていたけれど、健康診断でひっかかるという事はなかった。
 一抹の不安がよぎりながらも、男の人だからあまり娘にアドバイスや注意されると嫌な気持ちになるだろうなと思って言えずに、心配な部分を飲み込んできました。


 11月23日。札幌にやってきた父と映画を見に行きました。
 久しぶりの会話中に、「今朝の血圧が140以上あったから少し心配だ」と言う。
 CMで探検隊のような服装をした5・6人の芸能人が130の中頃で高いと言っていたのを思い出す。

 140以上は、明らかに危険なのでは?

 映画が始まる前から、父は下を向き、息をゆっくり吸ったり吐いたりし出した。
 話しかけられるような雰囲気がしない。すると、「吐きそうだから、トイレに行きたい」と言う。
 立てずにいたので、私の肩に腕をかけてもらい抱えてトイレまで向かった。
 最終的に、手洗い場には間に合い、嘔吐。救急車を呼ぶことになった。
 救急車に引率するのは人生初。父が脳梗塞や脳卒中になったらどうしよう、という不安が全身を襲った。

 検査結果は、脳に異常はなし。
父も同じ事に懸念を抱いていたようで、二人で安堵していた。

 今月に入ると、他の病院で具体的に診てもらおうと、2回ほど田舎から札幌の病院へ。その2回も同じように立ち眩みをおこして、倒れてしまい。
 2回目は、もう8年近く運転をしていない私が、父の車を運転して帰宅する事になった。病院から車のある駐車場まで、再び肩に父の腕をかけ、抱えながら向かった。

 どうしてだろう、父を肩で抱える時間は、心が痛む。

 小さな車にしか乗ってこなかった私は、幅感覚が分からず冷や汗をかきながら運転した。
 
 お医者さんは、やはり高血圧による立ち眩みの可能性が高いとのこと。
 父は帰宅時にポロっと「一人だとな、家事に仕事にと忙しいから・・・」。
 どうやら、疲れて食べたいものを食べてしまうという事のようだった。
 
 3日ほど、実家に宿泊し、血圧を考えた作り置き料理を作って帰宅した。

 それからは、お酒は外でしか飲まない私が、ほろよいを毎日飲みだしている事に気づいた。
 これは・・・・、どうやら悩んでいるようだ。
 
 次回の通院は、バスで来るようお願いした。
 すると、体調を崩すことはなかった。

「良かったね。やっぱり長時間運転が要因かな。3時間近く運転するのは、疲れるんだよ。地元では乗って良いけど、札幌来る時はバスだね」

「いやぁ、父さんは疲れてる気はしない。元気な日は車にする」
 私は驚いて、つい椅子に座っている父の足をポンと叩いて言った。
「何言ってるの?絶対ダメだよ!」

 父は笑っていたけど、本気だったんだろうな。
 長年、家族のドライバーで運転も得意としていたし。事故を起こすことも一切なかった。
 
 検査では、血糖値も上がっているとのこと。
「血糖値は合併症も出るから怖いんだよな」
と父は言う。

 倒れた日から、私の頭の中はこのままでは本当に脳梗塞や脳卒中が近づくだけになる。これからどうしてあげたら良いんだろう、と言う考えが浮かんでは消えた。

 大好きなM-1も全力で笑えない。(でも、全部見たけど。終わりの考察的なYouTubeもたくさん流し見をして楽しんでいるけど)

 田舎で一緒に暮らそうか、とか。
 札幌に出て来てもらおうか、とか。
 お父さんはああ言ってたけど、こうした方が良いのかも・・・・。あの家を売る気なの?こっちで住むなら市営住宅?中古マンション?
 頭の中をぐるぐる回り続ける。
 
 
 結局、まずは、頻繁に実家に通う事にした。
 毎日の分は難しいけど、定期的に食事を作りに行ったり。そして、高血圧や血糖値について勉強する日々です。
 
 無理せず、悩み過ぎないでいこうと。
 悩もうと思えばいくらでも悩めてしまう。 

 Noteを見る気持ちや載せる気持ちが、なかなか出てこなかったのですが。再び復活したいと思います。
 こんな暗い回になっちゃって。
 ごめんなすって!

 
 よし、オズワルドのラジオを聴いて、もっと辛い人がいるから大丈夫って励まされよう。   
 ちなみに、私はさや香が優勝かなと思ったんですが、ウエストランドの一本目は最高で最強でした。
 
 芸人さんに毎日癒されて希望をもらってます。お笑い最高!
 私もそんな存在になれる日を目指して、小説書くぞぉ!
 

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