「教師の作法 指導」を読んで 後半

野口芳宏 著  さくら社

唐突に前半と後半に分けてしまいました。
かなり長くなってしまっていて、読みにくいかなあと思ってしまったからです。

誰が読んでくれるわけでもないのですが、ふと思ってしまったので、自分の声に合わせてみました。


さて、後半です。

教師は子供達に学ぶ楽しさを教えなければならないということが一番に書かれていました。


「学ぶ楽しさ」というフレーズを見るたびに、自分の気持ちがズシンとなります。理想は常にそこにあるのですが、現状はそうはなっていないからです。

どうしても「これができてほしい」「あれも分かってほしい」という思いが強くなりすぎて、子供達が学ぶことが苦しくなってしまうことがあるのです。

そうなる度に「学ぶ楽しさを」と思い出すのですが、まだまだだなと痛感させられます。


この本を読むことで、学ぶ楽しさを子供達が感じられるようにするために自分ができることがいくつか見つかりました。

①「間違えることこそが素晴らしい。間違いを認めることから自分の成長は始まる。ぜひこの言葉を、折にふれ、子どもたちだけでなくあなた自身に対しても言い聞かせてください。」
これをやる。

②「分からないときこそ、しめたと思え」「分かっていないということが自分で分かるということは、大したもんだ」と声かけする。

③できることよりも変わることを褒めるようにする。「向上的変容」を見逃さずに褒めるようにする。


まずはこの3つを徹底的にやっていきたいです。理想に近づくために。


また、子供達の向上心を支えることも大切だと書かれています。

子供達は、必ず厚い壁にぶつかる。そのときに自分の力で乗り越えていけるような子になってほしい。

そのために、たくさん転ばせて痛い思いも経験させ、そこから立ち上がろうとする姿や力や心の強さを育てる。支える。それが教師である自分にできることだと思いました。

「これからの人生、どんな場面に遭遇しても乗り越えていける。できないことなら、できるようになってみせる。この強靭な向上心の大部分は、小学校の教室で教師の指導によってこそ培われるのだと思います」と野口先生も書いています。


さらに、評価的に聞くことの大切さも書かれています。


「なぜか、ほんとか、正しいか」の三つを常に頭の中において、人の話を聞くことを徹底するといいそうです。

これは大人にも当てはまるなと思います。話を分析しながら、評価的に聞くことで、他人の話をしっかりと受け止めることができるからです。


授業の中では、「なぜこの子はこう言ったのだろう」「ほんとにそうなのだろうか」と考えながら子供達の話を聞くことで、言葉の背景や裏に隠れた気持ちに気づけるようになると思います。

表面的な聞くに終わるのではなく、評価的に聞くことが子供達を理解する上でも大切だと思いました。




本の最後の方には、「指導を楽しむ」という項があります。

ここからは、野口先生から全ての教師へのメッセージだと勝手に思ってしまいました。それくらい熱く、心に残る言葉が並んでいたからです。

「教師はいい仕事だなあ。〜中略〜 普通の子どもたちを預かって、さらに立派な人間に育てていけるんだから」

「常に好奇心と向上心をもって生き生きと人生を楽しみ、周囲の役に立つことを喜びとする、そんな心を育てることができたら、それは子どもにとって一生輝き続ける宝物になります。」

「教師が指導すべきは、知識そのものよりも、そこに向けて努力することの楽しさ、自らを育てていくことの充実感や人の役に立つことの喜び、などです。」


明日からの教師としての仕事に希望や楽しみがもてる、自分にとって本当に最高の本でした。


明日から、自分は指導を楽しみながら、子供達が「学ぶのは楽しい!」と心から言えるようにしていきたいと思いました。

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