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【平成といえば、3回死にかけたな私…あ、4回かも】~アメリカ同時多発テロ 持病での再入院での恐怖体験~

私の「ぽち」がついて回るまで

持病が再燃すると絶食になるため、24時間の栄養点滴は入院のたびに、行われることになる。

鎖骨辺りの、太い静脈に刺す。

私はこの作業を「プチ手術」と思っている。

処置は病室のベッドでするのだが、顔に緑の布をかけられて、周囲の状況は遮断される。

針を刺す所に局所麻酔をして、ゴリゴリって感じで太い針を入れて行くのだ。

何度経験しても良い感じはしない…

こうして、私の「ぽち」がついて回るようになるのだ。

内科主治医はこんな人

持病が一旦再燃したら、何度も入退院をする羽目になった。

担当医とも友達のようになり、冗談を言い合う程の常連となっていく。

そんなフレンドリーな主治医は、かなり大柄な体格!

のしのし歩く姿は、院内でも目をひくのだ。※ご本人も認めていらっしゃる。

愛車は『ローバーミニ』

朝窓から外を眺めると、先生の車が到着。

あの、小さい車から、大きな体が出てくる様は、マンガを見ているような光景だった。※ご本人も認めていらっしゃる。

内科医だから、患者の体のことを気遣って、色々言ってくださるが、最後には

「俺が言っても信憑性は無いだろうけど」

と言うところが、憎めないキャラクターだなと感じる。

ところが、そんな主治医の大きな体が原因で、私を恐怖に陥れることになるのだ!

医者なのにできない理由

インフルエンザ罹患後に再燃した、潰瘍性大腸炎の症状。

日常生活もままならなくなり、主治医の元へ駆け込む。

即入院となった私は、絶食が決定し、あの24時間点滴をすることになった。

もう、口から食べ物を摂取することさえ、苦痛だった私にはこの時、有り難さすら感じていた。

そして、主治医はこう言った

「俺は、お腹がつっかえて処置できないので、部長にやってもらうから」


鎖骨辺りの静脈に針を挿入する処置は、ベッドに横たわった状態で行われる。

確かに、その大きなお腹では、その作業は難しいだろうと、容易に想像ができ、納得し笑ってしまった。

こうして、つかの間リラックスした私だったが、部長先生が病室に到着するまでの間を、ほんの少し緊張しながら待った。


やってくれたな部長先生!

しばらくして、細身の部長先生がやって来た。

私は、部長先生が処置してくださるのを、有難く受け入れる気持ちで、横になった。

緑の布がかけられ、針を挿入する場所に、部分麻酔が施される。

「いよいよだな」

と、布のかかった顔は引き締まっていたであろう。

麻酔のかかった場所に、針がゴリゴリと入っていく感覚がした。

と!その時!!

「10分止血!」

と、部長先生の声と同時に、首の下をものすごい圧力で、押さえつけられた!!


「10分止血????」


「こ、これはもしや…」


「動脈刺しただろう!!!!!!」


最初は、冷静だった

「その、圧迫苦しいんですけど…」

と、思ったがその後、私の脳内は、色々な想いが錯綜した!

「部長のばかやろ!!!」

「絶対、その手を離すなよ!」

「子どもが小さいのに、ここで死んでたまるか!」

「ほんと、ふざけんな!」

などなど

怒りの方が大きくなっていたのだ。


しばらくして、怒りが疲れに変わった頃、止血が終わった。

私も、部長先生も疲労困憊…放心状態…


数時間後に仕切り直すこととなり、その時にはもうどうでも良くなっていた。

2度目は、別の先生がやってくれたかもしれないが、もう気力も無く、覚えていない…

ただ、その後の数回に及ぶ入院生活の中で「10分止血」をされたことは、二度と無かった。

<続く>

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