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スティーブ・ジョブズの逸話から考えるAIの価値と、生成系AIの実演から見る「プロ」の危機


1. スティーブ・ジョブズの幼少期の逸話とAIの価値

アップルの創業者スティーブ・ジョブズの「スティーブ・ジョブズ 1995〜 失われたインタビュー〜」という映画で、彼はこんな話をしている。

出典:Amazon スティーブ・ジョブズ 1995〜 失われたインタビュー〜より(https://amzn.to/3XShr8m)

ところが、「自転車に乗った人間」を比較対象に入れてみると、コンドルの移動効率をはるかに上回っており、人類にとって「道具」とは、能力を劇的に増幅できる装置なのだと興奮気味に説明している。

ジョブズはその話を引き合いに出し、「アップルのコンピューターも自転車と同じで人間の能力を劇的に増幅させるものだ」と劇中で語った。

出典:Unsplash(https://unsplash.com/ja/写真/h0h3gpAK4D0)

この逸話を生成系AI全盛の現代に照らすと、AIこそ人間の能力を劇的に増幅させる「自転車」と言える。

自転車は、自分で行き先を決めることができるし、外部の燃料を必要とせず、自分がペダルにかけた力を増幅して前に押し出してくれるので、「道具に使われる」ということがない。

そこが、飛行機でも、電車でも、自動車でも、バイクでもなく、ちょうどいい距離感の道具として「自転車」が、比喩としてピッタリなポイントだ。

AIは「Garbage in, Garbage out」(=ゴミのインプットからはゴミのアウトプットしか生まれない)の法則が当てはまる。

いくら優秀なAIでも、指示の質が低ければ、それなりの結果しか得られないが、磨き抜いた指示をすると、期待以上の結果を返してくれる。

つまり、行き先を自分で決めて、ペダルをきちんと踏めば踏むだけ望んだ方向へ進める自転車のように、AIへの指示の方向性と入力の質にはこだわる必要があると言える。

この自転車の話は「コンドル」 vs 「人間」だったが、「オリンピックの金メダリスト」 vs 「自転車に乗った一般人」が競走した場合の比較をすると、仕事においてのAIの価値や示唆が見えてくる。

次の章「熟練のプロ」 vs 「with AIの素人」で、プロントも紹介しながら生成系AIの実演も交えて見てみよう。

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