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kintone SIGNPOST 研究開発会 Vol.2

郡山で開催された、kintone SIGNPOST 研究開発会 の2回目。今回も「kintone SIGNPOSTを学ぶ」という成分は薄目で😅、「kintone SIGNPOSTになぞらえて考える」という感じでした。

今回は、仙台で活躍されている浅比さんが参加者兼講師のような形で実施してくれた「月面探索ゲーム」が面白かったので、その辺りを中心に書いていこうと思います。


kintone SIGNPOST 研究開発会とは

前回と同様、今回の研究開発会も何が生まれるかはわからない、予定調和ではなく参加者同士の協働によって立ち起こるのを待つ場、です。
kintone SIGNPOSTの構成手法である「パターン・ランゲージ」的に言えば、「中動態」的に、「自分たちで何かを起こす」ではなく、「誰かが何かを起こしてくれる」でもなく、「自然と立ち起こる」場です。こういう場を思い切って企画して実施できる矢内さんすごい。

全3回で企画したこのkintone SIGNPOST 研究開発会ですが、通底するテーマは「kintone SIGNPOST」。しかもkintone SIGNPOSTを学ぶのではなく、実務としての業務改善や組織開発に関する具体的な対話をする際の下敷きになっているぐらいな感じです。

月面探索ゲーム

今回、対話の呼び水として実施したのは「月面探索ゲーム」。これはチームで協力するボードゲームで、そのゲーム体験を通して現実の仕事で使える学びを得ることができます。と言っても、元々は普通のゲームとしても面白いので無理に仕事に活かさなくても楽しいです😅

Nintendo Switch でも楽しめます。

私はカードゲーム版・Switch版、両方持っています。

ゲームの内容は「チームで協力して、月面に散らばってしまった物資を回収する」という感じです。月面探索において貴重な酸素をどのように使ってどのように補充するか?メンバーそれぞれの特性をどのように活かしていくか?など戦略をどう立て、チームワークをどう発揮するかがこのゲームの攻略のポイント。

ゲーム単体でももちろん楽しいですが、ゲーム内の制約である「酸素の量」「物資の使用可否」「磁気嵐というアクシデント」を、現実の世界における「時間」「生産性の変動」「プロジェクト上のアクシデント」に見立てることによって、仕事上でもあるある〜😖と言う感じで学ぶことができます。

もちろんあくまでもゲームなので、現実の世界ではもっともっと複雑でシビアなことも起きるでしょうが、現実の世界とゲームの中の世界とをいかに、見立て、世界を行ったり来たりし、共通的なセオリーを見つけることができるかがポイントでしょう。

ちなみに、この月面探索ゲームはゲームバランスが良くて、「遊びの4要素」である「アゴン(競争・勝敗)」「アレア(運)」「ミミクリ(見立て)」「イリンクス(めまい・混乱)」が意識されていると思いました。

遊びの4要素についてはロジェ・カイヨワの「遊びと人間」に詳しいです。

今回もLEGOを使ったワークもしました

月面探索ゲームでは「あともうちょっと!!」というところでクリアできそうだったので時間を延長して実施した結果、かなり時間を取ってしまったのでLEGOワークをする時間が少なくなってしまったのですが笑、今回もLEGOワークを実施しました。

kintone SIGNPOST 研究開発会におけるLEGOのワークは「試作のためではなく、思索のためのプロトタイピング」なので、対話・言語化を促進するためのワークになっています。
LEGOで作った作品があることで、頭の中の言葉が出やすくなり、他者から作品を通して質問を受けやすくなります。対話の心理的安全性を高めることができます。

前回も今回も、直前にやったゲームの内容とは別にLEGOワーク用のテーマを設定しましたが、次回はゲームの内容を踏まえたテーマでLEGOワークをしてみようと思っています。

印象に残った言葉「アウトプットのハードル」

今回印象に残った言葉は「アウトプットのハードル」です。
学習において、特に社会人になってからの学習においては「アウトプット」の重要性が良く言われます。良質な学びはインプットだけではなく、アウトプットをすることで高めることができる、そのアウトプットは学んでからできるだけ早いタイミングで実施するとその波及効果も大きくなります。
このアウトプットの重要性については本当にその通りだなと思っているのですが、実際には「アウトプットのハードル」を感じてしまうのも理解できます。

そのアウトプットのハードルにはこんなものがありそうです。

・ 正しい内容をアウトプットしなければいけない
・ そのアウトプットを受け取った人の何らかの役に立たなければいけない
・ 自分の考えやインサイトがなければいけない
・ ある程度の量がなければいけない
などなど。。。

アウトプットに感じるハードル

しかし今回懇親会の中で話す中で「アウトプット」って、その質や量は大した問題ではなく、もっともっとハードルが低くてOKで、もはやなんでも良いのではないかと思うようになりました。

例えば

「そう言えば、あの人が言ってた〇〇って、こないだ読んだ本の内容と似ているような気がする」
「今回学んだ〇〇って、ホントかな?なんかしっくりこないんだよなぁ。。」
「くぅ〜〜〜、なんか今回のテーマの〇〇って、仕事のアレと繋がりそうなんだけどな〜〜。。。」

アウトプットってこれでいいのでは?

とか、とにかくインプットした内容を振り返って、そこで感じたことを言葉(イラストでも、写真でも、LEGO作品でもいいと思う)にして表出化させるだけでいいのではないかと思いました。
「頭の中」にあるうちは自分しか分からないけど、アウトプットして「自分の外」に出してみると、それは他の人が見たり聞いたりすることができるものになる。それが大切なのではないかと。

ここで今読んでいる「コミュニティ・オブ・プラクティス」という本を思い出したので紹介します。

これまで「学習というのは、個人で取り組むもの・個人で頑張るもの」と捉えられがちでしたが、(個人の勉強ももちろん大事なのですが)この本では、「一緒に学ぶコミュニティ、そしてその学びが実践につながっていることが重要」と書かれています。
このkintone SIGNPOST 研究開発会も「講師」「受講生」という立場がめちゃくちゃ曖昧で、まさに同じ興味関心領域で学び合っていると言う感じです。そしてそれが講師も含めた参加者の実践につながっているのがポイント。

この本については追ってアタラシイショクギョウラジオで紹介したいと思います!(間が空いてしまいましたがアタラシイショクギョウラジオも再始動します!)

というわけで、今回も様々な学びがありました!次回は9月23日(土)です!一緒に学びましょう!


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