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kintone認定 エキスパートとkintone SIGNPOSTの関係

みなさん、こんにちはkintone SIGNPOST と kintone認定資格に携わっている倉林です。先日正式にkintone認定 エキスパート試験の予約が開始されました!

エキスパート試験の1つ手前の試験である「kintone認定 スペシャリスト試験」をリリースしたのが2018年2月なので約3年10ヶ月の期間を経てのリリースとなります。
kintone認定 エキスパートのリリースにあったっては「kintoneのエキスパートってどんなスキルなの?」「どうやってそのスキルを測るの?」などの検討に時間がかかりかなりの難産でしたがようやくここまでこぎつけることができました。
これもひとえにkintone経験者の方々を始め、関係者の皆様のおかげです。本当に感謝いたします。

「kintone経験者の方々の。。。」どこかで聞いたフレーズ?そうなんです、kintone認定 エキスパートはkintone SIGNPOSTと密接に関連しています
今回はそれについてご紹介したいと思います。

kintoneのエキスパートって?

「kintoneのエキスパート」と聞いてどのような方を想像しますか?

  • kintoneの機能をすべて覚えている方?

  • kintoneアプリの構築がめちゃくちゃ早い方?

  • 業務をkintoneに落とし込める方?

どれも正解な気もしますが、それだけじゃない気もしますよね。

kintone認定 エキスパートの構築は「kintoneのエキスパートとはどんな人なのか」を言語化するところから始まりました。

2017年時点のスペシャリストの測定内容

2017年の時点では、アプリデザインスペシャリストは「kintoneの機能を活用して業務を良くできる」という中心スキルに対して、

  1. 業務を知ってる

  2. kintoneを知っている

  3. 業務を変化させられる

  4. 効果を出せる

という4つの軸を想定していました。エキスパートはそれに加えて「継続的な業務改善に必要なスキル」「複雑な業務(に対応できるスキル)」「実績がある」を要件にしたい、と考えていました。「スペシャリストよりも守備範囲が広く、理解は深い」そんなイメージでしょうか。

しかしこの軸では「業務改善のプロセスごとの観点」は整理できるものの、やはり「どの程度できるか?」という尺度が定義しづらい状況でした。
そこでこのスキルレベルを整理するために活用したのが、以前も少し紹介した「思考コード」です。超ざっくりですが、この図でいうとエキスパートは「C3」、スペシャリストは「B2」、アソシエイトは「A1」となります。

kintoneのスキルを体系的に表現するための思考コード

どうやってスキルを測る?(ルーブリック、パフォーマンス評価)

ではこのC3に位置する「kintoneのエキスパート」のスキルはどのように測ることができるのでしょうか?その方の実際の仕事内容を拝見すれば分かるかも知れませんが、それではエキスパート試験を運営する人手がいくらあっても足りませんし、なにより認定資格に大切な「尺度」が担保できません

そこで「ある特定の文脈のもとで、様々な知識や技能などを用いて行われる人のふるまいや作品を、直接的に評価する方法」である「パフォーマンス評価」という手法を採用することにしました。
イメージとしてはフィギュアスケートの採点のように「いくつかの評価観点と評価尺度」を使って評価する方法です。

この評価観点と評価尺度のセットを「ルーブリック」と呼び、このルーブリックを使って「パフォーマンス課題」を作り、ルーブリックを使って「パフォーマンス評価=採点」をすることになります。

パフォーマンス評価とは

評価基準としてのkintone SIGNPOST

ではそのルーブリックはどのように作れば良いのでしょうか?「kintoneを使った業務改善」に必要なスキルを測るには様々な観点がありそうです。kintone使った業務改善のフェーズや役割によってもその観点は変わるかもしれません。
そこでkintone認定 エキスパート試験では「kintone SIGNPOSTを評価観点としたルーブリック」を作成することにしました。

kintone認定 エキスパート試験のルーブリック(評価観点・評価尺度)

左の表にあるように、kintone SIGNPOSTの7つのステップが「評価観点」となっています。「kintoneを使った業務改善の流れとそこで考えるべき内容」が整理されています。
右の表は、「評価尺度」としてA、B、C、D、Eの5段階が設定されており、「kintone SIGNPOSTの理解、各シナリオの理解や解決策の提示、発展的な提言」などが評価の尺度となります。
この評価観点(左の表)と評価尺度(右の表)をかけ合わせることでパフォーマンス評価を実施していきます。(実際の採点プロセスはもう少し複雑になっています。)

より良い協働のための役割分担

評価観点の表には「相対的重要度」という項目があります。これはカイゼンマネジメントエキスパート(KME)とシステムデザインエキスパート(SDE)では、同じ評価観点でも重要度が異なるということを表しています。
これは「役割によって活躍するフェーズが異なるが、お互いのことを知っていることでより良い協働ができる」というkintone SIGNPOSTのコンセプトを反映しています。

役割別フェーズごとの関わり度の変化イメージ

このようにkintoneを使った業務改善においてはKMEとSDEの関わり度が、フェーズごとに変化します。しかしフェーズごとに役割が完全に切り替わるというわけではなく、お互いが関わりながら自分の役割を果たしていく、そんなイメージです。それを数値化したのが「相対的重要度」になります。

このような形でkintone認定 エキスパートとkintone SIGNPOSTは密接に連携しながら構成されています。そのためkintoneの学習ツールとしてkintone SIGNPOSTを使っていただくことでkintoneを使った業務改善の全体像を把握することもできますし、それがそのままkintone認定資格の学習にも役立つ構成となっています。

kintone認定 エキスパート試験概要はこちら

そんなkintone認定 エキスパートの詳細情報はこちらをご覧ください。評価観点・評価尺度の表もこちらのWebサイトから確認していただくことができます。

エキスパート試験はその運営上、試験実施タイミングと受験者人数を制限しており、1回当たり1試験で40名までとさせていただいております。何卒ご了承ください。

というわけで、今回はkintone認定資格とkintone SIGNPOSTの関係についてご紹介しました。
kintone認定資格は「単なる試験」としてではなく、「kintoneを使った業務改善のスキルを持っている方々が世の中できちんと評価される仕組み」となるように引き続き活動していきます。今後ともよろしくお願いいたします!


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