名医なら、くそジジイでもいいか?

コラム374:名医なら、くそジジイでもいいか?

 医者の価値はどのようにして決まるのだろうか?やはり、病気を治せる、という能力の高さで測るべきだが、あまりにも対人コミュニケーションに「向いてない」お医者もいる。私がお世話になったことのある、ある「めまい」専門の先生がそうだ。(あまり匿名的でなくてすみません)彼は非常に、治す能力には長けているのだが、いかんせん、コミュニケーションがひどい。人の話をあまり聞かないもの大問題だが、関係のないことで叱る。詰問する。「あのね、あんたね、よく食べるの?」「何キロあるの?」「あんたね、心臓がかわいそうだと思わないの?」。・・・まあいい。だが、私の前の順番であった年配の上品なご婦人ミセスHに対して、めまい予防体操の指導をするのに、そんなに怒らなくてもいいじゃないか、とは思う。「あのね、ラジオ体操じゃないの」「あんたね、分かってないの」。看護師さんは、必死に「先生は、怒っているんじゃないんですよ」と言う。三流のコメディである。

 しかるに、その道の達人でも、名医となるには、人格も必要であることよと思うのである。

 私が手放しでお薦めできる名医は、最近YouTubeチャンネルを開設なさった、A G E

牧田クリニックの牧田善二院長である。糖尿病の専門医である彼は、「患者さんを叱らない」というポリシーをお持ちで、気持ちよくお話しできる。患者さんは、いろいろなところで、怒られて、病気でも辛い思いをしているから、先生は明るく、という思想から、いつも明るいピンクのシャツなどをお召しである。スタッフの方々もピンクを着ているだけでなく、皆さん、明るく、気さくだ。超一級の論文の書き手であるだけでなく、一般向きの食事指導本などもベストセラーだ。天は二物を与えるのかもしれない。

 子供の頃からの友人の医師も、相手の立場に立つ、努力を惜しまないことにおいては、非常に尊敬できる。さまざまな問題について、相談できる。大変な勉強家であり、従来の医学や栄養学から離れて、新しい知見を得ることができる。

 医師の診療報酬は、どんなヤブでも、くそジジイでも、名医でも同じである。その点は、日本の医療の良いところでもあるのだが、そこに安住して欲しくない医師も多い。

お医者選びでは、人を介するのがいちばんだが、それができないときは、近所の八百屋さんや魚屋さんへ行き、「おじさんは風邪の時、どこにかかりますか?」と聞くだけでよい。行ってはいけない歯医者や、胃に詳しい内科医まで、いろいろなことを教えてくれる。

 ただ、最近の人間関係の希薄な社会、大規模店舗が占有する社会、新しい街では、そのようなコミュニティを形成しにくいのではないか。住む場所は、周りの人に「助けて」と、気軽に言えるところが良いような気がする。

以上

クララ

2022年4月27日

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