マガジンのカバー画像

川月清志・紅ご夫妻による美術工芸作品の紹介

20
岡山県・成羽町の工房川月の川月清志・紅ご夫妻は、手作りの美術工芸品がふつうの人々の日常に潤いを与えるようにと、日夜、まごころを込めてアイデアに富んだ作品作りに励まれています。そん… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

ヨシダコウブンさんと仲間達13〜広島県尾道市のカフェ「ありたや」にて〜

「ありたや」は、2023年3月に広島県尾道市の郊外で、古民家を改装してオープンしたカフェです。古きよき田舎の風情に包まれて、現代的・都会的なオリジナルのカレーとピザが楽しめる非日常空間です。店内のゆったりとしたスペースでは、しばしば芸術家や工芸家の展示会が企画されています。 今回は、ヨシダコウブンさんをはじめとする、12名の作家による開店1周年記念展「ソレゾレのシゴト」が開催されました(2024年3月23日~31日)。 画像は、最終日に作家のみなさんが揃って記念撮影をされ

ヨシダコウブンさんと仲間達10〜珈琲とレコードを愉しむ会〜

ヨシダコウブンさんとお仲間達は、福山市とおり町交流会館で、本日、3月9日、珈琲とレコードを愉しむ会を開催されました。 会は、いつものように、とても盛況でした。 さて、それでは、シンクロしている異界のヨシダコウブン・ワールドを覗いてみましょう。 ヨシダコウブン・ワールドは、こちら。 ヨシダコウブン・ワールドでも、珈琲とレコードを愉しむ会に、多くの異界の住人達が集まっていました。 こんな平和なひとときが、とても貴重です。 シリーズ全作は、こちら。 出演 ケモノ:制作

ヨシダコウブンさん関西を行く

広島県福山市在住の総合芸術家、ヨシダコウブンさんは、神戸市中央区、旧居留地・大丸前のカン・フラワーデザインで、二人展「ふたつとない世界」を開催しました。カンさんによるフラワーデザインとのコラボ展でした。 ヨシダコウブンさんは異界と出会う人です。会場に隣り合っていた異界はこちら。 さらに、抽象化された異界はこちら。 仲間を大切にするコウブンさんは、京都のギャラリーで開催された小林雅子・島田恭子二人展に、応援に駆けつけました。 会場に隣り合っていた異界はこちら。 さらに

我が家の芸能事務所の子役達のデビュー

画像の三体の陶布人形は、2022年にいっしょに生まれました。 コンセプトは、寄宿舎学校のクラスメートです。海野千尋さんによって同じ土の塊から創造されたので、三つ子のような存在です。 2022年12月、三体は、我が家の芸能事務所に同期入社しました。 二体は、入社してすぐにデビューが決まりました。入川家を舞台としたホームドラマに抜擢されたのです。 それぞれ、入川家の娘カンナ役、息子ウタ役として出演しました。 しかし、残った一体は、なかなかデビューが決まりませんでした・・

バリさん

バリさんは、広島県福山市在住の造形作家です。得意分野は、革のアクセサリーです。 バリさんの作品は、一見かわいらしくユーモラスですが、その世界観は深淵です。 画像は、バリさんの作品による曼荼羅表現です。 3体の造形において、尻尾や顔などの「部分」に使われている「パーツ」が2体で共有され、1体は異なり、それが3体相互に分配されています。例えば尻尾のテントウムシのパーツは、2体で共有され、一体で違っています。ヒゲ、耳、目、鼻のパーツも同様です。 これは、宇宙の究極原理ではな

山岡緑さんの造形作品によるボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」の再現

山岡緑さんは、広島県福山市在住の造形作家です。「わたし」とは何か?に関わる奥深い造形作品を制作され、広島・岡山を中心に活躍されています。 筆者がはじめて山岡さんとお会いしたのは、岡山市表町のギャラリー、テトラヘロドンで山岡緑 造形展「わたしの中の私」(2021.9.22〜9.27)が開催されたときです。幸運にも、ちょうど在廊されていた山岡さんと作品についてお話しすることができました。 山岡さんは、とても気立てのよい人だったのが印象に残りました。 このとき山岡さんの「ブサネ

川月清志さんによる栗の木のトレイ

画像は、倉敷市本町「アートスペース路ゞ」で遭遇した、岡山・成羽町「工房 川月」の、川月清志さんによる、栗の木でできた小さなトレイです。 大きさは、14.5cm×23.8cmで、湯飲みやカップと、お菓子を載せるのにちょうどよい大きさです。木材が年月をかけてよく乾かされており、とても軽く感じます。 栗の木は、実の生産性が高く、里の人々や森の動物を養ってくれる重要な落葉樹です。落葉樹は、冬には光合成に見切りをつけて葉を落としてしまいますので、常葉樹よりも、環境に柔軟に生きている

川月清志さんの木製テープカッター

マスキングテープは、塗装するときに使われる工業用テープでしたが、倉敷の会社・カモ井加工紙が2008年に絵柄をつけて発売したところ、人気を博し、全国に広まりました。倉敷美観地区界隈には専門店があり、今では倉敷観光の定番の、お土産になっています。 そんなマスキングテープ用の素敵なテープカッターがあります。岡山・成羽町の工房川月、川月清志さんによる無垢の木を使った木製テープカッターです。 本体の土台となる部分は、画像左側のオレンジ色の木材が日本のサクラで、右側のエンジ色の木材が

岡山・成羽町、川月清志さんによるペン立て

落葉樹の楢(ナラ)は頑丈な木で、荷重がかかる椅子の材料に多く使われます。 岡山・成羽町、工房川月の川月清志さんは、家具工房から掌サイズの楢の端材(はざい)を譲り受け、何を作ろうか、しばし思案します。 そして、木を見てなんとなく、ペン立てはどうか、と思い立ち、カンナをかけて行きます。設計図はなく、端材と対話しながらの造形です。 扉の画像は、そうして端材から彫り出された、ペン立てです。高さが8cmで、上の方がなだらかにすぼんでいます。 ペン立ての水平断面は非対称な長楕円形

岡山・成羽町、川月清志さんによる枯山水の椅子

岡山・成羽町の工房川月、川月清志さんによる椅子です。 材料には、軽くて頑丈な落葉樹の栗材が使われています。 椅子の脚は3本で「三脚」になっています。三脚は、カメラの脚立が三脚であるように、どのような平面にも設置することができます。 重さが数キロまでしかないカメラと違って、椅子はヒトの全体重を支えないといけないので、木製の椅子は通常、脚の間を連結して補強がしてあります。しかし、川月さんの椅子には、この連結補強がありません どうやって脚を座面の板に固定しているのかというと

川月清志さんによるサクラの木のフォーク

画像は、岡山・成羽町「工房 川月」の、川月清志さんによるサクラの木でできたフォークです。長さは17cmですが、重さはたった7gと、とても軽量です。ちなみに、ステンレスの小さなケーキ用フォークは、20gありました。表面はよく研磨されて、涼やかに滑ります。 このフォークでケーキを食べて、驚きの体験をしました。ケーキをすくって、口へと運び、口唇を閉じてフォークを口から引き出すとき、もう一度クリームやチョコの味わいが蘇って、それまでの味わいと重なり、濃厚になるのです。 フォークに

川月清志さん作の一輪挿で、木のフレームに試験管がしつらえてあります。それは野辺の花の横顔を引き立てます。花は優美なS字カーブを描き立っているのが解ります。その曲線はリラックスして立った時のヒトの脊柱と相同です。見つめていると首筋と肩から体がほぐれてきて、やさしい気持ちになれます。

川月清志さんの一輪挿しと、高越基治さんの一輪挿し

ひまわりは、水分の多い土壌では、茎が太くなってしまいます。倉敷の花店、アトリエ・トネリコの岬さんによれば、切り花用のひまわりは、茎が締まって細くなるように、栽培農家が土の水分を細かく調整して栽培しているのだそうです。 そんな、努力の産物である、ひまわりを、コレクションの一輪挿しに生けてみました。 アトリエ・トネリコで選んだひまわりは、千葉・早坂園芸の「サンリッチupオレンジ」です。花が上を向いて咲く、小振りなひまわりです。 成羽町・工房川月の川月清志さんによる一輪挿しは

石原路子さんのテディベアによるフェルメールの世界の再現〜魅惑のフェルメール・ブルー〜

フェルメールは、日本で最も人気がある画家の一人です。筆者は、2018年に上野の森美術館で開催されたフェルメール展において、上野公園内を延々と2km余りつづく、入場待ちの列を目の当たりにして、入場を断念したのを思い出します。 フェルメールの作品の特徴は、「青」へのこだわりです。宝石ラピスラズリを粉末にした高価な絵の具を使って、際立つ青を表現しました。そのため、絵の中の青は「フェルメール・ブルー」と呼ばれています。 そんな青に注目して、我が家の楽屋の俳優達にフェルメール作品の