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横山ゆきえ、さんの小さな花瓶で再現したフェルメール作「真珠の首飾りの女」〜首元で輝く真珠の反射光と黄色が映える世界〜

過日、倉敷市本町のアートスペース路ゞにおいて、岡山・矢掛町の陶磁工芸家、横山ゆきえ、さんの個展が開催されました。会場で棚の展示を見ていると、乳白色の小さな花瓶が目に入りました。その花瓶は、小さな突起が連ねられ、まるで真珠の首飾りをした淑女の首元のようです。花瓶には反射光が映えていました。

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横山ゆきえ、さんによる小さな陶磁器の花瓶

筆者は、すぐに、フェルメール作「真珠の首飾りの女」の場面が思い浮かびました。

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筆者が想起した場面(「真珠の首飾りの女」の一部分)

さらに、フェルメールは、「青の画家」であると同時に「黄色の画家」でもあります。「真珠の首飾りの女」でも女性の上着とカーテンの黄色が美しく映えています。

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フェルメール作「真珠の首飾りの女」(1962-65)ベルリン国立美術館蔵*

作品の再現にあたって、女性が羽織っている黄色のガウンは、林純子さんによる黄色の小皿で代替しました。

日の光に映える女性の顔は、岡島光則さんによる小物入れの蓋の金箔を貼った面で表しました。

黄色のカーテンは、白神貴大さんよる黄色いガラスの一輪挿しを適応しました。

布がかけてあるテーブルは、岡島さんの小物入れで置換しました。

女性が付けている朱色の髪飾りは、ハイジさんによる、みかんをモチーフにしたフェルト製のアクセサリーで代替しました。

もちろん、主役となる真珠の首飾りは、横山ゆきえ、さんの小さな花瓶で表現しました。

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この空気感はいかがでしょうか?
反射光と黄色の色彩世界を味わってもらえたら、嬉しいです。



引用文献

*朝日新聞出版・編:フェルメールへの招待. 朝日新聞出版, 2012. P26-31

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