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“占い”の未来や新時代の役割とは。 -鏡リュウジも出演「占いギャザリング」レポート-

一年で一番日の入りが長く、太陽のエネルギーが強いとされる「夏至」の日。占いや占星術界隈では、春分に続き、節目として大きく取り扱ってきた。

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そんな2021年の夏至。6月21日(月)に、占星術研究家の鏡リュウジやSUGARをはじめ、28人の出演者がリレー形式で“占い”に関するトークを繰り広げる『URANAI gathering #1  ー占いの現在・過去・未来ー』が開催。


朝の10時から夜の19時過ぎまで、9時間(!)の生配信を行い、平日にも関わらず、常時200人以上が閲覧するという大イベントとなった。

主催元は、占いに関するデジタルコンテンツを2000年から提供し続けている株式会社ザッパラス。(docomoのかつての情報サービスであるiモードに、初めて占いコンテンツを提供した会社と言われる)

視聴チケット代は、すべて「コロナと戦う医療従事者支援」に
寄付するというのも含め、いわば占い界の24時間TVのような熱さだった。

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鏡リュウジによる『占いの未来』というトークテーマから始まって、

この日出演したのは、占いを生業とする占い師だけではなく、小説家の木内昇や、『細木数子のズバリ言うわよ!』を担当した番組プロデューサー坂田栄治、コピーライターの田中泰延、精神科医の名越康文、「ぷよぷよ」を作ったゲーム作家の米光一成と・・・各業界の錚々たる人物がそれぞれの立場や目線から“占い”を切り口にトークを行った。

どのコーナーも“占い”のこれまでやこれからを真剣に語り、ながら見するつもりが、つい目が離せなくなる見応えがあり、

すべてに共通したのは、占いを手放しで絶賛するという内容ではなく、“占い”におけるいわば負の部分や、占い界隈が背負う今後の課題もまた隠す事なく、真剣に議論された事にある。(例えば、占い師と相談者の関係の中で起こりうる“転移・逆転移”や、では誰が占い師を守るのかという体制や訓練。そして、誰もが感じる“占い”に蔓延る暗いオカルティックなイメージの払拭など、問題や課題は多岐に渡る。)

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9時間、本当に様々な学びや面白さがあったのだが、筆者が占い師 兼 ライターである事も含めて、ここはあえて、占いを受け取る側の立場である「フィガロジャポン」のエディター青木良文氏と、日本版「エル オンライン」のエディター富永亜紀氏による『ファッション誌と占い』のレポートを少し加えたいと思う。

青木良文氏は「フィガロ ジャポン」内の占いページを17年担当しており、人気占いライターの石井ゆかりの編集担当を11年されている。富永亜紀氏は、日本版「エル デジタル」の占いページを13年担当と、両者とも女性誌における占いコンテンツや、占い師の執筆に精通するプロだ。

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そして、ちょうど「フィガロ ジャポン」最新号である8月号では『占いで、整える。』と題して、刊行31年の歴史の中で2回目という、なんと12年ぶりの占い特集を組んだばかり。

両者のトーク中の言葉から、今後“占い”がどういう風に人々に活かされるべきなのか、そしてどんな役割を担うのかが見えてきたので、記したい。

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まず青木氏は、自身の20代が波乱だった事から「自分のことを知りたい」と、編集を担当する以前から占いを体験しており、占いの言葉で救われた事がかなりあった、という。 その経験からも、「“自分はどういう人間なのか”や、“今後どうやって進んでいけばいいのか”というのを知るのに、占いを参考にすると“整う”」と明言。

そして、ここからが重要な発言であり・・・

「自分の進んでいく道が果たしてあっているのかを、最後に決めるのは自分だから、依存するのではなくて、参考にしながら“整えていく”のに、占いは素晴らしいと思う。」「人に変わってもらいたくても難しくて、自分が変わるしかない。そういうきっかけを占いには与えてもらえる。」

9時間の生配信の中で、錚々たる出演者が真剣にトークを繰り広げてきたが、筆者の私が一番心に残り、本当に大事にしたいと思ったのは、この言葉だった。

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未来を予知したり、己が計り知れない他人の気持ちを知る事が、占いの主な使い道ではないと日々感じていた筆者に取って、何より占い師ではなく、占いを受け取る立場の方から、この言葉が伝えられたという事に、とにかく希望に感じたのだ。

コロナウイルスというパンデミックが発生し、生活の基盤や価値観が大きく変容、“戻らず新しく進むしかない”といった再構築を必要とされる『風の時代』という新時代の中で、

占いの正しい活用方法は“己を知る事”あるいは“生活をほんの少しだけ後押しする豊かさ”だと筆者は考える。

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続いて、富永氏が言った「人はこの先の暗いトンネルをどうやって歩いて行ったらいいかという時に、ちょっとした蝋燭を持っていたい。すごく先までは見えなくても、足元が照らせればとりあえず歩ける。その役割が占いには担える」という言葉も、本当にその通りだと思う。

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様々な考え方や使い方をする占い界隈の方々が多くいらっしゃるのを承知の上で、筆者の思いを綴ると・・・

占い師は絶対的な存在ではなく、占いもまた絶対的なものではない。ましてや人を“救える”とも思ってはいない。しかし、わずかな“気づき”や“きっかけ”を人に提供する事はできると考えており、それが占いを続ける上での私の支えとなっている。ほんの少しの事だけでも、人生や人は変わりうる可能性を持っている、と感じる事が占いの現場では起こるからだ。しかし、そんな「本当にうまくいけば、良いスパイスになる」という「ささやか」な職業においては、前提として、占いを受け取る側の“相談者”が、占いや占い師を盲信したり依存したりしない。占い後、それを“自分で活用する”という姿勢が求められる。

一時期、占いに狂っていたお客でもあった自分だからこそ分かるが、これは一定の人には難しい事であるのを知っている。

しかし、個人個人が己を知って、歩いていかなければいけない新時代においての、“占いの使い方”とは、まさに活用する事にある。振り回されるでも踊らされるでもなく、“うまく使っていく”占いで何よりも大事なのは“当たる”事でなく、その人が“その人らしく生きていく”事にある、と感じている。

その意識を世に広める事が今後の占い師に必要な事だと感じていた中で、占い師側ではなく、占いを受け取る側であり、流行をいくつも生み出してきた発信側の立場である女性誌のエディターさんがそれを理解してくださっているのを、トークを通じて感じ、本当に心強く、希望に感じたのだ。

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もちろん、筆者は前述のコーナーや箇所に共鳴したが、今回の「占いギャザリング」という業界を掲げての大イベントは、それぞれに意味のあるものであったと感じている。企画側も出演者側も視聴する側も、皆がそれぞれの思いを持ち、“本気”であったに違いない。

占いは、今も昔も眉唾というイメージがまだまだ大きく、そしてやっている我々ですらも言葉で説明する点が難しい事が多々あるのには変わりはないが、大きく時代や価値観が再び移り変ろうとしている現在において、自分を知る事や、日々を照らすツールとして私は上手く使って欲しいと本当に強く願っている。

平日の9時間生配信もそうだが、占いの館「バランガン」や「塔里木」など、主催元のザッパラスにとっての他企業が多く出演していた点にも「競合」という姿勢を取らずに、あくまでも「占い界隈全体で盛り上げていく」という方針、これを大々的に企画した真剣さを感じた。

そして出演を許諾された多くの第一線で活躍する出演者の皆さんや、多くの視聴者の皆さんと共に、“占いの今後”に希望を感じる事ができた日の長い1日でした。本当にお疲れ様でした! 真心を込めて、ここに記録します。

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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

こたにな々

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