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「ひたすら野菜を焼く会」をやってみた。

先日「ひたすら野菜を焼く会」なるものを、スタッフで開催しました!

というのも、先日、本当にすごーく久しぶりにレシピ本を購入し、まさに最近、自分自身が感じていることがそのままタイトルになっている!と思ったからです。

野菜をシンプルに焼いて、スパイスの効いたものをちょっと加えるだけで、すごくおいしくなる、ということがレシピ本によって可視化されてる!という話から、じゃあいろんな野菜×調味料で焼いてみよう、ということになりました。

買い求めたのはワタナベマキさんの『毎日のおかずはシンプルがいい』。
この本がきっかけで、日々のおかずについていろいろ考えることが増えました。

思えば、歳を重ねるにつれて、料理の方向性がだんだんと、

・シンプルな食材を
・まるごと、あるいは大胆にカットして
・こんがり焼いて、あるいは蒸して
・シンプルな調味料にちょっとアクセントを加えて

食べる、というものへシフトしている、と感じています。

端的に言えば「調理法が変わってきた」ということなのですが、なぜこうなったのか、その大きな理由のひとつは、おいしい野菜に出会う機会が増えた、ということにあると思います。

農家さんから直接野菜をいただいたり、買わせてもらったり。
あるいは、産直市場で旬の野菜を探したり。
さらには数年前から、自分でも畑を始めて、みずから栽培して収穫したり。

「野菜」のおいしさレベルが上がって、より「なるべく食材のおいしさをそのまま、調理したい」と考えることが増えました。

あの人やこの人が、心を込めて手間暇をかけて作ってくださった、と思うと、大切に、まるごと食べたい!と心底思うし、自分が育てたものならなおさらです。

…というわけで、旬の食材と調味料をそれぞれ事務所に持ち寄って開催した「ひたすら野菜を焼く会」。

今の時期においしいかぶは大きくカットしてグリルして、ぱらりと「燻製デュカ」(燻製ナッツとスパイスと塩でできた中東のミックススパイス)をかけるだけで甘みが引き立ち、複雑な味わいになって、すごくおいしい。

かぶのたたずまいが、ひたすらにかわいいのはなぜでしょう。

カットして焼いて焦げ目をつけただけなのに、いとおしいほどにかわいい。

また、白菜やキャベツも大胆にカットして焦げ目をつけて焼けば、ジューシーでとろけるような甘さが際立ちます。こちらも、デュカとの相性がぴったりでした。
盛り付けているのは石見焼「宮内窯」のオーバルプレート。シンプルな料理はこういうお皿もよく合います。

焦げ目がついた食材ってどうしてあんなにおいしそうに見えるんでしょうね。楽しくなっていろんな野菜をグリルしまくってしまいます。こちらは紫キャベツを大胆に輪切りにして、ハーブソルトをぱらり。

それから…産直市で芽キャベツが売られていたので、嬉しくなってさっそく購入。半分にカットしてじっくりと両面を焼いて、柔らかくなったら白いお皿に盛り付けます。

こちらも宮内窯の白いシンプルなリムプレート。春っぽい黄緑色が映えます。
芽キャベツに添えたのは、ふきのとうのディップ。

毎年この時期に作っている大好物で、さっとゆでたふきのとうを細かく刻み、多めのオリーブオイルとにんにく、塩で調理したソースのようなものです。バゲットなどにつけてもおいしいし、和の食材とも合うのですが、この日は芽キャベツに添えて。ちょっと味が淡泊になるかな、と思い、オリーブオイルでこんがり炒めたしらす干しをぱらぱらとかけていただきました。

旬の野菜の甘さとほろ苦さに、しらす干しのコクと塩気がかけ合わされて、すごくおいしくできて大満足でした。

思えば「野菜を食べる」という行為も、若い頃はドレッシングやこってり系の調味料を多用していた気もしますが、いまはひたすらシンプルに「塩」「醤油」メインがほとんど。
だからこそ、調味料はおいしいものを探していろいろ吟味しています。

そして、「調味料を組み合わせることの楽しさ」も、経験を重ねて味わえるようになったことのひとつ。

今回試したみたいに、塩や醤油といったシンプルな調味料と、「デュカ」「粒マスタード」「柚子胡椒」「アンチョビ」「にんにくや生姜」といったクセのあるものを組み合わせ、かけ合わせることで、新たなおいしさを発見できる。これも、メインの野菜をシンプルに調理するからこそ、気づけることだと思います。

シンプルな素材に、質の良い調味料、アクセントやパンチを利かせる”ちょっと尖った”スパイスや食材。この組み合わせが、料理をより楽しく、おもしろくするコツなのかなと思います。

「シマシマしまね」でも取り扱っている奥出雲の「森田醤油」さんのお醤油や、「株式会社みと」さんのゆず酢、「U-spice」さんのデュカ、「TAKECO1982」さんの柿チャツネ、「太陽の里」さんの味噌、浜田のライフセーバーが作る「浜守の塩」などなど…どれも、ていねいに作られた、質の良い調味料です。

農家さんとの出会いだけでなく、こういうものづくりをしてくださる生産者の方々に出会えたことが、自分自身の食生活を格段に豊かにしてくれている、としみじみありがたく感じます。

カリフラワーにはカカオ塩をぱらりと振りかけてみました。合わせたのは牧谷窯のプレート。

そして、歳を重ねてもうひとつ、料理の楽しさを感じるのは「うつわ使い」。

自分自身がうつわ好きということもありますが、年々食器棚の中が淘汰され、決して数は多くないのですが、好きなものだけが並ぶ自分好みの食器が揃っています。

「紬器-tumugi」さんのお皿は、まるで野菜を絵画のように見せてくれます。

緑の野菜には、白いシンプルなお皿を。
あるいは、大胆な柄のお皿も、意外に合う。
お皿も丸だけではなく、楕円や四角、六角形など、いろんな形を楽しみたい。

ライ麦パンと目玉焼き、ソーセージを添えて、ごちそうランチ!

料理は作って終わりではなく、盛り付けてその姿を目でも楽しむものだと思います。
食材がシンプルであればあるほど、どう盛り付けようか、と考えるのが楽しい。そういう「料理」を多面的に楽しむ術を、ようやく会得しつつあるのかもしれません。

事務所で実験してみたこの日は…
・カリフラワー
・かぶ
・芽キャベツ
・ミニトマト
・紫キャベツ
・白ネギ
・白菜
をひたすら焼き焼き。ライ麦パンと目玉焼き、ソーセージをプラスしたら、すごく豪華な野菜プレートランチになりました!

ちなみにこちらの石見焼のリムプレートは、ネットショップで販売中です。

https://shimashimane.thebase.in/items/55524378

そういえば先日、冬の間サボっていた家庭菜園をようやく再始動させ、春まきの種も物色中です。
今年のかぼちゃはどんな品種にしようか…もうすぐじゃがいもを植える時期だな…などなど、野菜をめぐって思考に耽る時間も、もしかすると料理の一部なのかも。


おいしい野菜と、おいしい調味料、うつわ、そして「料理を楽しむぞ!」という前向きなマインド。

毎日のことだから、シンプルに、かつ楽しく、というのを心がけていけば、日々キッチンに立つモチベーションが格段に上がると思います!

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