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母と娘の関係に悩んでいる人に〜「母性」

最近、暑くて・・・・。インドアな生活をしています。

子ども達は夏休みで、部屋でゴロゴロ。
テレビに、ゲームに、なんか・・・堕落してしまっている。

それで、子ども達と読書タイム!となり、
私も読書するからと、手に取ったのが、「母性」湊かなえさん作

読みたいなと思って、ずっと本棚にあって、
忙しくて読めないから、もう古本屋に売ってしまおうかとも思ったけど、
いつか読みたいと思って、数年本棚にあった本。

母と娘の物語。
私も母との関係性に悩んだこともあり、つい買ってしまった本。
映画化されて、戸田さんの演じた「母性」もいつか見たいと思っています。

で、読んでいくと・・・・

母でいる人が、娘でいる気持ちが強すぎて。
自己満足の自分なりの娘への愛が歪んでいて、
娘が可哀想に思えてくる。

同じ出来事を
母の立場からみているのと、
娘の立場からみているのでは、
違っていて・・・。

こんなにも違うのかという感じで・・・。

こうやって人はすれ違っていくのだなと思えました。

母の承認欲求というか、人に認められたいという気持ちが強すぎて。
気持ち悪くて。
この人は自分が居ないんだなと思えて、褒められることばかり考えていて。

最後はどうなるんだろうと、一気に最後まで読んでしまいました。

同じ作者が書かれている「告白」も駆け抜ける感じで、先が知りたくて、一気に読んだなと思い出しました。
「告白」もおもしろかったです。
松嶋菜々子さんが演じた映画も良かった。

ここからはネタバレになります。

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最後は、幸せな感じがして、丸く治っている感じがして、ホッとしました。
そして、娘はどんな母になるのだろうか・・・?
物語の続きが知りたい感じでした。

娘の気持ちで読んでしまって、
こんな母親嫌だ!
誤解する母親を見て、なんでよ!
と思ってました。

家が火事になり、逃げ出す時に、
助けるのは自分の娘か母、どちらか選ぶ時に、子どもはまた産めばいいから!
と言い放ったところを読んだ時、
私は思わず、「えっ?」と声を出してしまい、
こどもに「どうしたの?」と聞かれてしまいました。

子どもはまた産めばいいから?なの。
私の中にない考えだった。
目の前にいる子供のことはどうでもいいの??

びっくりした。

私は母と一緒に暮らしている時、時折、辛かった。
学生の頃、特に。
母が好きなのは、私ではなく、母の理想を叶えた時の私。
勉強のできる私。

私を理想の娘にしようとする母に
私は嫌気がさしたし、
理想の娘ではないことで悲しくなったりしていた。

母の思う通りではないと私は責め立てられ、
息が詰まる思いだった。

私は母に認められたかった。
歪んだ条件付きの愛じゃなくて、私がどうあっても愛して欲しかったんだなと思うのでした。

「母性」の娘、清佳のように。

私も承認欲求があったんだなと気付かされるのでした。

人に認められたくて愛されたくて、
でも認められなくて愛されなくて絶望する。

人に左右されるのではなくて、自分で立てるようになりたい。
そう思うのでした。

私には娘はいない。
息子だけだ。

娘も欲しかった。
でもちょっと怖い気持ちもあった。

私が母に思ってきた気持ちを、娘が私に思うのではないかと。
それはちょっと怖い気がするのでした・・・。

今の私は娘でもあり、母でもあり。

読み終わった後に、娘である私の気持ち、母である私の気持ちがありました。

娘として母に対する気持ちを胸にめぐらせて。
そして子供のことを私なりに愛しているのだけど、果たして子どもはどう受け取っているのだろう??怖いな。
愛が伝わっているといいなと思うのでした。


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