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暮瀬堂日記〜えごの花

 青々と茂る街路樹を見上げると、鈴なりに実を結ぶエゴノキであった。「えごの花」は仲夏の季語であるが、実を結ぶのは秋である。では「えごの実」が秋の季語であるかというと、書棚に何種類かある季寄せには見つからなかった。
 樹木の季語は大方が花として採用されているので、余程印象が強くない限り、採られることはないのであろう。

  片足を蟻にのせられえご散りぬ
  えごの花ひとひらみひらよひら散る

 夏の名残を忘れぬ為に、かようのニ句を手控えてみた。
 
(旧暦七月一日 立秋の節気 蒙霧升降【ふかききりまとう】候)

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