見出し画像

心房細動とカテーテルアブレーション

先週、4日間の入院、その間にカテーテルアブレーションという手術を受けた。こんな話は楽しくないし、公開するつもりもなかったが、今後同じ経験をする人の参考になればと思い、公開することにした。

そもそもは3年前の健康診断で不整脈、心房細動と言われたことが始まり。リタイア後は、1年おきに町医者の無料健康診断と総合病院の人間ドックを受診している。3年前は町医者の年。心房細動は高齢の男性には出やすいそうな。2ヵ月後に再検査に来いと言われ、出向くと、その時は脈は正常だった。様子を見ましょうと言われて終わり。
2年前は人間ドック。やはり、心房細動と診断された。医者からは、血栓ができやすくなり、脳梗塞などのリスクが高くなる、それを避けるためには、血液をサラサラにする薬を飲めと言われた。が、飲み始めると死ぬまで飲まなくてはならないし、当然、副作用もある。嫌だと拒否。
昨年、町医者の健康診断でも心電図は乱れ、薬を飲めと言われた。

心房細動の説明

今年は、勤め人時代に毎年人間ドックを受診していた総合病院で人間ドックを受診。この病院は心臓系疾患に実績があることで知られている。当然、心房細動と言われ、専門のドクターに診てもらいたいと言って、循環器科を紹介してもらった。
すると、驚くべき事を言われた。3年前に来てくれていたら、投薬治療できたのに、と。町医者でも近くの総合病院でもそんなことは一言も言ってくれなかった。
心房細動は発見初期なら投薬治療で治すことが出来るのだ。

じゃあ、どうすべきか。医者は、少し遅いけど手術は出来ます。カテーテルアブレーション、心臓にカテーテルを挿入し、悪さをしている原因を焼灼する、ということらしい。これは、事前に予習してあったので想定内の展開。早速、12月に入院手術する予約をした。

説明を聞いてもなかなか実際にどうなるのかイメージしづらい。

12月17日に入院。3泊4日の予定。手術は翌日。担当の若い看護師さんが、手術までの段取りや病棟内の説明など話してくれた。退院まで使う心電図のモニター機を装着。採血をし、管はそのまま明日の手術時に使うそうだ。しばらくしてから、手術に備え、下の毛の一部を剃られた。これはキンチョウする。

部屋は共同トイレ付き4人部屋。結果的に正解。2人部屋は、単にベッドが少ないだけ。
胸や腹に吸盤を張って、この機器から心電図状況を飛ばし、常時モニターされる。

想定通り、味の薄い美味しくない夕食を食べ、1枚1000円のカード式テレビをイアホンで視聴。大河ドラマ最終回。早めに寝た。
翌朝、早朝4時頃から看護師さんが同室のベッドを回って、採血したり、おむつを替えたりしてる。6時半、部屋が明るくなり、今日の担当看護師さんが手術の開始時間を教えてくれた。トップバッター、朝8時の組。3名のうちのひとりだそうな。ただし、ここは救急病院でもあるので、カテーテル手術が必要な急患が運び込まれたら、ずれこむ可能性があるとも。所要3時間の予定。
点滴の開始。手術室近くに家族控え室というのがあるので、カミさんに連絡し、来てもらう。8時前、点滴台を掴みながら歩いて手術室フロアへ。待機中のカミさんに見送られ、手術室へ。この病院はカテーテル手術ができる専用部屋が6室もある。
部屋に入ると、ベッドに寝て、手足を固定される。それから麻酔。手術後、目覚めさせてくれるらしい。その先は全く記憶ナシ。
気がついたら病室のベッドの上。脇にカミさんがいた。家族は立ち入れないはずなのに。初めの麻酔が効かずに、別種類の麻酔も追加したため、3時間の予定が4時間になり、終了しても醒めないので、そのまま付き添ってくることになったという。まだ朦朧としていて、また寝てしまう。右足の付け根からカテーテルを入れられているので、傷口が開かないよう6時間は右足は動かしてはいけない。こっちは寝ぼけてゴソゴソ右足を動かそうとするから、カミさんが押さえつけていたらしい。

時間通りに行われたのかどうか、本人朦朧としていたので不明。

結局、16時頃、カミさんは帰っていった。その後もうつらうつらして、寝て過ごした。
夜中、手術着の袖口が濡れていて、点滴の針を刺してある左腕を見たら、血が付いているような気がしたから、ナースコールボタンを押した。すぐに看護師さんがやってきて、明かりを点け、どうしましましたか、どうしましたか、と聞く。左腕を見せたが、何も反応せず、どうしましたかだけ繰り返す。外国の人だったのかなあ。何でもないのに、どうして呼ぶのという感じの対応だったので、すみません、気のせいだったかなと謝った。
翌朝、確かめたら、袖口にちょっと血混じりのシミが付いていて、点滴の針を止めてある絆創膏も薄赤い液体にまみれていた。看護ステーションまで歩き、そこにいた若い男性スタッフに見せたら、絆創膏を貼り替えてくれた。ベッドに戻り、しばらくすると、また滲み始めている。
今日の担当看護師さんが来てくれた時に、見せると、管が少しゆるんでいたためと分かり、きちんと締めてくれた。ふう、やっと終わった。
8時前に担当のドクターがやってきて、手術の様子など話してくれた。で、これからは毎朝、自分の指で脈を確かめるようにと言われた。Apple Watchしてるから脈は分かりますと言うと、自分の指で感じないとダメと。そりゃそうだな。それから、1回の手術では完治は難しいかも、とも。
その後、下半身に装着されていたオムツのような止血帯を外してくれた。さらに、手術の時から尿道に入れられていた管を看護師さんに外され、手術衣から病院パジャマに着替えて、これでやっと自力歩行が可能になった。

ドクターからも退院後の注意点は聞かされたが、午後、看護師さんに言われた内容は厳しかった。酒は今後、絶対ダメ。飲んだら再発する。かつて、退院後に快気祝いで飲んだ人がいて、その人は食道に穴が開いたそうな。食事の量も、お坊さんの食事並にして下さい、と。うーん、参りました。

注意書きには上記のように書かれているが、ドクターからは口頭で2週間は食事、酒制限を、と言われた。運動も。散歩程度はOKだけど。

18時から丸2日ぶりの食事。お粥。

味も薄いし、アツアツではないので、どうにも美味しくいただきようがない。

手術前は、いろいろ細かに段取りが指示されていたが、手術が終わったら、なんだか放置されたまま。翌日の退院についても、何時頃とか結局、ぎりぎり当日の朝食後になって、こちらから聞いたら、10時頃、担当が会計を持ってくるから、そしたら1階で精算して下さい、だと。ま、いいけど。
昼前には、帰宅できた。

さて、退院後の状態について、書き留めておきたい。今日は手術から8日目。ただし、こればかりは人によって違うはずなので、あくまで、ぼくのケースのこととして読んで下さい。

まず、退院してから、あれこれシンドイ事が多かった。そもそもぼくの場合、手術前に痛みとか違和感とか何かあったわけではないので、そういう意味でのありがたみ感がない。一方で、手術や服用薬(退院直後は7種類、6日後からは4種類)による違和感や副作用的なものがつきまとう。順に羅列していく。

1 腰や背中が痛い。
ベッドで長く拘束されたので、ある程度はしょうがないと思うが、想定以上につらく、いまだに左腰あたりは痛む。

2 喉が痛い。
手術時に気道を確保するために管を挿入したから、という説明はされたが、これもここまで痛みというかイガイガ感が続くとは思わなかった。やっと咳は治まって、痛みもずいぶん緩和されてきた。

3 鼻血が出る。
血液サラサラにする薬を飲み続けているためと思われる。何度か出たが、昨日の朝は、ずいぶん多量に鼻血が出て、1時間以上、血が止まらなかった。

4 肺が窮屈な感じがする。
深呼吸がしづらくて、喉の痛みと相まって苦しい感じがしていたが、これは治まってきた。

5 便秘。
これは原因不明。どれか分からないが薬の副作用ではないか。やっと昨日くらいからお通じが復活してきた。

6 体重増加。
点滴を受けていたとはいえ、丸1日食事なしだったのに、帰宅後、体重を計ったら、入院前より2㎏以上太っていてショックだった。損した感じ。絶対痩せてると思っていただけに。やっと昨日あたりから元に戻りつつある。

7 睡眠不安定。
入院中はよく寝ていたのに、帰宅後、2時頃におしっこに起きると、いつもならその後もう一度眠れるはずが眠れない。おかげでラジオ深夜便を数晩、懐かし歌謡曲あたりから聴く羽目になった。これも改善の兆しは出てきたが。

こんなところかな。個人的には、酒が飲めないのが一番辛い事であるのは間違いない。
以上、長文、失礼しました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?