備忘録:ミュージカル 『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』9月27日マチネ

 3回目の観劇にして、ようやく思い出補正フィルターが薄れてきたのか、初演をブラッシュアップしての再演ということが感じられました。演出上の創意工夫、演者の深化やスキルアップがあって、舞台が日々進化していくのは、この作品がまだ若いからなのでしょう。
 照明が美しく、洗練されたヴィーナスの森。中国人ダンサーの参加によって、よりダイナミックに魅せる拳王ダンサーズ(その中で負けじと存在感を放つシンも凄い)と、彼らを圧倒的存在感で支配するラオウ。今宵も福井ラオウは素晴らしゅうございました。
 
 1幕ラストのケンシロウの舞は、そこだけ切り抜いても、人の心を鷲掴みにする力があるでしょう。それが物語の中のワンシーンであるからこそ、伝わってくるものが倍増します。そこで1幕が下りるので観客は放心状態ですよ。でも会場のお手洗いが少なめなので、はっと現実に戻ってトイレダッシュをしないといけないの……
 
 明日は昼夜とも配信があるそうです。ここに書いても関係者の目には止まらないと知りつつ、「死兆星の下」でのシーンでユリアとケンシロウだけでなく、上手のトキ、レイ、マミヤを写してください! レイとマミヤが少しずつ距離を縮めていくのと、それをこの上なく愛おしそうに見ているトキを、ぜひ全国の皆様へ!

 この舞台、ケンシロウとラオウは体力的にも凄くきつそう。シングルキャストのケンシロウは二日連続マチソワ、大丈夫なんだろうか……
そこを考慮したのか再演では二人のワイヤーアクションが一カ所ずつ減っていることに気づきました。シンVSケンシロウのシーンは、初演で二人ともワイヤーで飛んでいたけれど、再演ではつられるのはシンだけになりました。(ケンシロウは自力で飛んでます)
 ググッと増量されたラオウVSトキのシーンは、初演で「天翔百裂拳!」で二人ともワイヤーで飛んでいたけれど、再演ではラオウは人力による飛翔になり、その一方でトキが縦横無尽に飛んでいます。(さすがフック船長!)
 ワイヤーで吹っ飛んぶシーンは、侵攻軍の「ラギャァー」の人が天晴だし、飛ぶだけでないワイヤー使いとしては、青年ラオウと青年トキの崖上りと、ラオウが腕一本でジュウザを投げ飛ばすシーンがお薦め。
 初演を観た時は、ワイヤーアクションをもう少し減らしても良いのでは? と思ったけれど、インタビューやトークからは大変だけど楽しい。感じも伝わってくるので、安全に配慮して思う存分飛んでください。
 
 そして何回観ても、アンサンブルの方々の歌とダンスには感動します。無想転生でのケンシロウに憑依したような動きとか凄い。
 
今日のお席は2階の最前列。抽選でバックステージツアーがあったのですが、隣の人が当たっていて、良いなあ。
 
#フィスト・オブ・ノーススター ~北斗の拳~

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