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”天国へのつな”

東アフリカのヌエル族につたわる話です。


とおいむかし、天国とこの世は1本のつなでつながっていた。

死というものはなく、人の命は永遠だった。

というのも、人は年を取るとつなをつたって天国にのぼり、若返って地上におりてくればよかったからだ。

鳥や獣はそのつなをのぼっていけないことになっていた。
だが、ある日ハイエナとハタオリドリが、つなをのぼって天国に行ってしまった。

神様は、ハイエナとハタオリドリが地上におりれば、必ず厄介ごとが起きるのでおりてはいけないといっていた。

ところがある夜、ハイエナとハタオリドリはつなをおりていった。

そして、もうすぐ地面に到着するところで、つなを頭の上で切ってしまって、地面にとびおりた。

すると、つなはするすると天国に引き上げられてしまった。

その日から、人は老いて死ぬようになった。天国にのぼるつながなくなったから。


不思議な童話のようなお話。

登場する動物も面白いですし、人の落ち度が何もないのに、若返りが取り上げられ、死を与えられたのはとばっちりすぎます。

ちなみに、南部アフリカのカラハリ砂漠には、シャカイハタオリという鳥がいます。

全長約14センチの小さな鳥でありますが、世界一巨大な巣を作る鳥らしいです。

枯れ草で作られるその巣は、直径10メートル以上に及ぶことも。何十年間もかけて巣が拡大していき、数百羽が生活できる“巨大建築”になったり、重量が数トンに及び、巣を作った木が倒れてしまったりすることもあるそうです。

Photo by Charles J Sharp(2003)/CC BY-SA 4.0
Photo by Harald Süpfle(2004)/CC BY-SA 2.5

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