”天国へのつな”
東アフリカのヌエル族につたわる話です。
とおいむかし、天国とこの世は1本のつなでつながっていた。
死というものはなく、人の命は永遠だった。
というのも、人は年を取るとつなをつたって天国にのぼり、若返って地上におりてくればよかったからだ。
鳥や獣はそのつなをのぼっていけないことになっていた。
だが、ある日ハイエナとハタオリドリが、つなをのぼって天国に行ってしまった。
神様は、ハイエナとハタオリドリが地上におりれば、必ず厄介ごとが起きるのでおりてはいけないといっていた。
ところがある夜、ハイエナとハタオリドリはつなをおりていった。
そして、もうすぐ地面に到着するところで、つなを頭の上で切ってしまって、地面にとびおりた。
すると、つなはするすると天国に引き上げられてしまった。
その日から、人は老いて死ぬようになった。天国にのぼるつながなくなったから。
不思議な童話のようなお話。
登場する動物も面白いですし、人の落ち度が何もないのに、若返りが取り上げられ、死を与えられたのはとばっちりすぎます。
ちなみに、南部アフリカのカラハリ砂漠には、シャカイハタオリという鳥がいます。
全長約14センチの小さな鳥でありますが、世界一巨大な巣を作る鳥らしいです。
枯れ草で作られるその巣は、直径10メートル以上に及ぶことも。何十年間もかけて巣が拡大していき、数百羽が生活できる“巨大建築”になったり、重量が数トンに及び、巣を作った木が倒れてしまったりすることもあるそうです。
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