表具師 栗田浩次

岐阜県関市で表具店を営んでいます。 暮らしの中に、正しい和の空間・在り方を伝えていきた…

表具師 栗田浩次

岐阜県関市で表具店を営んでいます。 暮らしの中に、正しい和の空間・在り方を伝えていきたいと考えています。 大正九年創業 松月堂栗田表具店(四代目)

最近の記事

本美濃紙 障子張り

美濃竹紙工房の鈴木さんの漉いた本美濃紙です。 鈴木さんの和紙は、なかなか手に触れることのできない貴重な品ですが、縁あって障子張りに使用させていただきました。 その貴重さのせいもあってか、現代では障子張りに用いるのはとても贅沢なことになってしまっています。しかしながら、これが最も適した使用方法だと理解しています。 もちろん、表具する上で掛軸の裏打ちや屏風の下張り等々多岐にわたって使用しますが、それは表具の構造や機能面において和紙の働きが良いからであって、手漉き和紙本来の美し

    • Hiroe Saeki 四曲屏風-Folding Screens-

      画家の佐伯さん(Hiroe Saeki)との出会いは、現代的ではあるが、実に面白い。 いつものようにInstagramを見ていると、AIが集積した私好みのpostにふと出てきた佐伯さんの作品に魅せられたことから始まります。 第一印象、ただただ格好良い。 書や日本画と深く関わりのある私がこのような稚拙な表現では叱られてしまいそうですが、、 しかしながら、ファッションも音楽もアートも製品も先ずは、格好良いことが私の正義なのです。 その意味では、佐伯さんの作品は圧倒的でした。 最

      • そういう事なんだよなぁ

        心からシビれるほど共感した時に、思わず溢れ出てしまう感情剥き出しの呟き。 この感情は、上手く言葉に出来ない。 だから良い。 ざっくり言うとグルーヴ感・エモーショナル感と言うしか他ない。 それは、モノであったり、コトであったり、ヒトであったり、様々な事に置き換えられる。 でも、ただ普通に暮らしているだけでは、この感情はやって来ない。 だから、ここぞという時にそう思える人になる為に、少し工夫をしながら日々暮らしているところもあったりする。 先日、講演会の講師として名古屋へお

        • 椅子と時間

          もうすぐ小学一年生になる長女へ入学祝いとして、シューメーカーチェア(WERNER/SHOEMAKER CHAIR)をプレゼントした。 私は、表具師という職人をしていて代表的な仕事として掛軸の修繕というものがある。数百年前の状態の甚だしい掛軸を繕い直し、次の世代へ維持させていく。言わば、過去・現在・未来という時を繋ぎ継承させることの一端を担っている。 モノを大事にすることに関しては、かなり得意分野であるのかもしれない。 ヨーロッパでは、家具や道具・時計を親から子、子から

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