見出し画像

【J2第15節 vs柏 レビュー】"柏"とは超えなければならない壁である。

柏 1-1(1-0/0-1) 大宮 得点者:フアンマ

悔しすぎるううぅぅ!!うわああぁぁ!!!!(栃木戦でも山口戦でも似たようなこと言った)
今日の結果を受けてチームは3試合勝ちなしの3連分けとなってしまいました。でも負けない事は大事です。それにつけても勝ち点3の欲しさよ。
取り敢えずの気分転換として、タイトルの"雑感"という文字を"レビュー"に変更しました(超マイナーチェンジ)。よろしくお願いします。

試合前プレビューはこちらから↓

両チームのスカッド

大宮のスタメンです。前節フアンマがいた所に富山が入りました。狙いは前からのより積極的なプレスだと思われます。因みに富山は今季初スタメンでした。

45分に吉永、52分にフアンマ、79分にバブンスキーをそれぞれ山越、大山、大前に替えて投入しました。
山越は負傷による交代でした。大きい怪我では無いことを祈るばかりです。ココ最近出番を掴んできた山越としては悔しいところでしょう。
その一方で昇偉は予測変換で"少尉"しか出なくて困る・・・じゃなくて、ちょっと意外な形でプロデビューを果たしました。
吉永投入後は、吉永を右WB、奥井を左WB、河面を左HVに配置しました。
また、後半の最初の方から投入されたフアンマはワントップの位置に入りました。それに応じて、富山がシャドー、茨田がボランチの位置に入りました。

柏のスタメンです。前節江坂がいた所に瀬川が入りました。個人的には江坂が頭から出てきた方が怖かったです。

79分に高橋、82分に大谷、83分にガブリエルをそれぞれ菊池、ヒシャルジソン、オルンガに替えて立て続けに投入しました。

噛み合わせは以下の通り。

柏の狙い―攻撃編―

柏は後ろで3-1や3-2の形を作ってヒシャルジソンや上島から縦に長いパスを供給しようとします。ですが、柏の想定していたよりも高いプレス強度で、ボランチのブロックラインが高かったのか、なかなか上手くいきません。
下図は14:45頃のシーンです。白の矢印はマークする相手を指しています。柏としては、数的同数を作られ、唯一辛うじて残っていたコースにパスを出したらカットされてしまったというシーンです。

それを見兼ねてか、CHの小林、または右WBの小池が少し落ちてきて4-1のような形でのビルドアップを試みていました。
2つの下図は22:00頃に起きた連続したシーンです。
まず、CHの小林が落ちてきてマークにズレを生みます。すると、ちょっとずつ寄せが甘くなり比較的簡単にボールを回せています。

小池が落ちてきた時も同様で、最終ラインで数的優位に立つ事で、大宮の寄せを甘くし、簡単にボールを回すことに成功しました。
また、小池が下がっていくことで左WBの河面を引き連れていく事が出来ます。河面が引っ張られることでクリスティアーノの前にも大きなスペースを作ることに成功していました。

柏としてはこの形を作ってしまえば、あとはもうパスを回して相手のマークを外しつつ青く塗られたところのスペースを上手く突いて攻撃する事が比較的容易となっていました。

また、小林が少し落ちて4-1を作ってビルドアップをするシーンに関連してですが、右WBの小池が高い位置をとる事で数的同数を柏にとっての右サイドで作ることに成功していました。

柏の狙い―守備編―

柏の守備は概ねプレビューで書いた通りでした。(詳しくはプレビューの[柏の守備(1)]をチェック!)
基本的には5-2-3のラインを形成して、第2&第3レイヤー(第2→大宮のDF-MF間、第3→大宮のMF-FW間)でボールを奪い取りに来ました。

その時の柏の選手たちの判断と出足はかなり良く、勝率は柏の方にかなり分があったと思います。
下図の57:20のシーンでは、そういうところがかなり顕著に表れていました。このシーンでは、ヒシャルジソンにボールを奪われ、それを追った石川が最終的にファールをとられてしまいます。

また、CFやSTにボールが入ったとしてもDFやCHの小林が同じように対応をしていたので、大宮側としてはなかなか前線にボールが収まりませんでした。

大宮の狙い―守備編―

柏の狙いとは順番が逆になってしまいますが、守備から書かないと説明しづらいので、守備から書かせてもらいます。
今節の大宮は前からガンガンプレスをかけに行きました。富山の起用はそのためでもあるでしょう。
3-1または3-2でのビルドアップを試みる柏に対して、CH裏のスペースを大きく空けてまでボールを奪いに行きました。成功例としては、先ほども見せたシーンなどが挙げられます。

逆に失敗例としては03:40頃のシーンなどが挙げられます。
本来CHの片方が中央でバランスをとらなくてはいけないのにもかかわらず2人とも密集のほうへと向かってしまいました。この場合は石川が中央でバランスをとるべきですね。
幸運にも柏の選手が中央に走りこむのが遅かったため、中央を使われて大きなピンチになることはありませんでしたが、もし柏の選手に使われていたら1点モノの大ピンチでした。

大宮の狙い―攻撃編―

端的に言えばハイプレスからのショートカウンターを狙いとしていました。
そのためにCHはかなり高い位置をとってディフェンスをし、その分空いてしまった裏のスペースはHVの畑尾がカバーに回ることが多かったように思えました。

実際そんなに上手くショートカウンターがハマったのかと聞かれると、答えはNOです。
それでも1つ上手くいったシーンがあったので紹介します。
41:10頃のゴールキックから始まったシーンです。まず、富山と大前でコースを切ることでパスコースを限定します。大宮から見て右サイドのエリアに人を集めて密集を作り、最終的には大山がボールを奪取します。

そこから大山はドリブルでハーフスペースに侵入。中にいた富山に正確なクロスを送りますが、シュートは惜しくもバーの上でした。

大宮はあまりチャンスがなかったのでここはぜひ決めて欲しかったところでしたが、体勢も厳しかったですしあまり責めることは出来ません。
こういったショートカウンターのシーンがもう少し増えれば、もしかしたら勝てたかもしれませんね。

「何故高木監督はこの戦い方をセレクトしたのか」という問いについての自己解釈

皆さんは今節はやたらとCHの裏のスペースが空いていたことに気づいたでしょうか。
今までの高木監督の戦い方からすると、「こんなリスキーな事するんだ」と少し不思議に思いました。

不思議に思ったので、何故だろうとアレコレ考えたり、監督のコメントを見たり読んだりしてみました。そしてこういったコメントを発見しました。

ここまで、リーグ戦の3分の1を終えました。序盤の結果で考えればスロースタートとなり、私のキャリアの中で初めて、入りが良くないシーズンでした。これまでのクラブではスタートダッシュを意識し、開幕戦に合わせて調整していましたが、個人の能力が高い大宮では、70%くらいの出来で開幕を迎え、シーズンを通してチームを成長させていこうと考えていました。選手同士のプレーがかみ合っていくことで、結果につながっていくはずだという考えです。(後略)―大宮公式より

これは柏戦のプレビューでのコメントです。
要するに、大宮はまだ高木監督が満足できる完成度ではなく発展途上なわけです。その中で少しリスキーに攻めたりと、まだ試したいことがあるのではないでしょうか(勿論今まで築いてきた守備を土台として)。
もちろん、柏相手だからパスの供給役を潰したいという狙いもあったでしょうが、そういう理由があったのではないかと個人的には思います。

しかしイマイチしっくりきてない感じも自分の中にはあります。
ですので何かしら意見がある方は是非Twitterでもこの投稿のコメントでも良いですので、ご意見お願いしますm(_ _)m

最後に

吉永が今節デビューとは思えない程の素晴らしい出来でしたね。
vs菊池との対人では殆ど負けることはなく、守備ではかなり安定した働きを見せてくれました(菊池のドリブルコースが分かり易かったという部分もあるでしょうが)。
攻撃参加についてはまだまだ及第点には至りませんが、AT含めたラスト5分くらいではゴール前へのダイアゴナルランをするといった面白い動きも見せていました。
これからの活躍がとても楽しみな選手がまた1人出てきたなと思います。

そして今節は、前節や前々節と違って何とか勝ち点1をもぎ取ったという感じの試合でした。
確かに、柏はJ2では反則級の戦力ですし、攻守ともに個人の能力が高いチームでした。しかし、大宮が将来的にJ1でもタイトル争いを出来るチームを目指すのであれば、今の柏は必ず超えなければならない壁です。次回対戦の時は必ず勝ちましょう。

さて、次節はようやく改修工事が終わりレベスタが使えるようになったアビスパ福岡とアウェイでの対戦です。
俺がここで言うことはただ1つ!そろそろ勝とうぜ大宮!!

宣伝

大宮戦術談議会メンバー'sブログ

スキ・フォロー・サポートをして頂けると嬉しいです。是非宜しくお願いします!