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世界史の勉強法と参考書 ver.1

はじめに

 今回は高校3年生の12月までの勉強法についてまとめます。ただ、絶対的な正解があるわけではありません。自分に最適な勉強法は自分で探し、身に付けていくしかないと思いますし、そのような力を伸ばしていくことがこれからの時代は必要です。この記事の内容も一つの参考意見として見てくださると幸いです。

学習法

高校3年生 夏休み開始前まで

 夏休み開始前までは、部活動や学校行事と並行して受験勉強をしていくことになります。高3生は、学校の授業の予習・復習を軸とした学習を中心に行っていくことが現実的です。細かい事項は秋以降の問題演習で身に付けていけばよいので、この時期は、ひとまず世界史の大きな流れと構造をつかむように取り組んでいってください。
 基本的な流れとしては、教科書や読み物教材で歴史の流れをおさえながら、資料集や用語集でより詳しい事項について調べ、穴埋め式のサブノート等にまとめるというイメージです。その上で、こまめに一問一答や問題集を解いて、知識の定着をはかることが必要になります。受験期にピークを持ってくることを意識して、反復的に学習をすることで、徐々に理解を深め、知識を積み上げていくような学習をしてください。

オススメ問題集 「はじめる世界史」(Z会)

高校3年 夏休み

 夏休みに入ったら、生活習慣を受験勉強に最適化していきましょう。深夜まで勉強し、朝遅くまで寝てしまう夜型の生活に陥らないようにしましょう。本番の試験は午前中からが多く、起きてから2時間から3時間しないと脳は覚醒しないと言われているので、6時から7時までに起きる生活を普段から習慣化しましょう。  
 そのため、夏休み中は以下の事に気を付けて生活を送りましょう。基本的には学校生活の中で普段から意識していることを続けることです。

  • 起床時刻・勉強開始時刻・就寝時刻を固定すること。

  • 睡眠時間を削らず、7~8時間は確保すること。

  • 朝食を必ず食べるなど、食生活も不規則にしないこと。

 学習については、計画を立てて取り組んでいくことになりますが、計画を立てる際には、◯時間勉強するというあいまいなものではなく、夏休み中に何をやるべきなのかをリストアップし、優先順位をつけて、一日ごとにタスクをわりふりましょう。
 
たとえば
  教科書のページ数で分けたり、内容のまとまりで分けたりします。
   
 まず、未習範囲や苦手項目を確認し、志望校の合格点と現在の実力とのギャップを見極め、今の時期に何をするべきかを逆算して戦略を立てていくことが必要です。また苦手分野の把握には、主観的なイメージではなく、過去に受けた模試(高3の5月や高2の1・2月)の結果を参考にすること。

 世界史については、基本的にこれまで取り組んできた学習を引きついで、「未習範囲の予習」と「既習範囲の復習」を進めていきましょう。加えて国公立大学の志望者は、志望校の2次試験の過去問を解くなどの個別試験対策を進めていくことも大事になります。ただし、この時期に過去問を解くのは、志望校の出題傾向や必要な知識量や思考を学び取ることが重要な目的となります。ですから、まずは一年分で良いので、過去問にじっくり取り組んで、教科書等を用いて自分なりの合格答案を作り上げていきましょう。その過程でどんな力を大学が求めているのかを探っていくことが大事です。また赤本や黒本の解説を一通り読んで、論述固有のテーマや知識を把握することも有効でしょう。
 勉強に取り組んでいると、計画通り進まなかったり、自分の伸びが感じられなくなり、不安を感じる人も多いと思います。計画通り進まないのは当たり前なことです。全く学習が進まないのは困りますが、計画通り進まなくても過度に焦らず、学習量や学習方法を検証し、目標や計画の軌道修正を行うことが大切です。

高校3年 9月

 理想的なのは、夏休み中に全範囲を一通り学習し終えて、ここから問題演習に入ることです。しかし実際は、夏休み中に計画していた学習を全て終わらせることは難しいので、9月中に積み残した部分を消化し、10月から本格的な問題演習に取組んでいけばよいかと思います。
 またこの時期に多くの受験生は、一通り学習しているはずだけど、模試や問題が解けないという悩みをもつかと思います。おそらく入試問題を解いて、正答率が安定して高くなり、実力が身に付いてきたという実感がわくのにはもう少し時間がかかります。私のイメージでは、11月半ば以降ではないかと思われます(定着するまでに1カ月から2カ月ほどのタイムラグがあるのではないかと)。
 通史学習が終わった人は、一問一答や基礎的な問題集を短い期間で何周もするまでやりこんでみてください。1カ月で1周ペースだとスパンが長すぎて、忘却に追いつけないので、短いスパンで何周もすることが必要となるかと思います。

高校3年 10月~12月

 いよいよ本格的な問題演習に入っていきます。その際、オーバースペックな問題集を使ってはいけません。このことを私はよく「大は小を兼ねない」というんですけど。自分の現在の実力と志望校のレベルに合わせて、問題集を選びましょう。個人的には『標準問題精講』(旺文社)は好きな問題集ですが、仕上げに使うのが適切というイメージです。
 問題演習をする際は、誤答のみを復習するのではなく、自分がなぜ正解になるかを説明できない問題は全て復習をするようにし、なぜこれが正解になるかを説明できるように理解を深めましょう。偶然正解した問題は次間違えると思った方が良いです。また自分の知識と理解が不十分な箇所を教科書や資料集、用語集で確認をする作業をすること。こうした取組の積み重ねが、過去問を解く力につながっていきます。
 10月中に問題集を一冊解き終えて、11月以降は過去問にも取り組みましょう。過去問を解いて、全然太刀打ちできていない場合は、一旦問題演習や知識のインプットのレベルに戻ればOKです。11月以降は共通テストを視野に入れて、センター試験や共通テスト対策問題の演習や文化史やテーマ史などの対策にも取り組んでいきましょう。センター試験の過去問を軽視する受験生もいますが、センター試験の過去問をすばやく正確に正誤判断する力は、共通テストにおいても有効なので、取り組むことをおすすめします。

オススメ問題集   
 「世界史基礎問題精講」(旺文社) 
 「実力をつける世界史100題」(Z会)    
 「HISTORIA[ヒストリア]-世界史精選問題集-」(学研プラス)


おわりに

 今回は受験勉強について書いてみました。直前期や論述対策などについても、自分なりの考えをいずれ整理してまとめてみたいと思います。塾や学校などのセカンドオピニオン的な感覚で参考になれば幸いです。

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