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HEAVENS GATEのLIVIN' IN HYSTERIA ジャーマンメタルの理想形にして金字塔 なおその後

HEAVENS GATEとのはじめての出会いは、私がジャーマンメタルに魅了され色々なバンドを聴き漁っていた頃でした。
私のジャーマンメタルとの出会いはBlind Guardianから始まり、そこからRunning WildとGamma Rayを経てHELLOWEENを経由、その後色々雨後の筍のごとくボコボコ出てきた様々な版を経ている間に出会いました。

はじめて聴いたときにLIVIN' IN HYSTERIAのサビ部分、伸びやかなシャウトの格好良さにノックアウトされ、We Got the Timeに追い打ちをかけられ、そのまま最後まで一気に聴いてしまいましたね。

その次のThe Never-Ending Fire、はイントロの語り口調から始まるミドルテンポながらこれも格好いい名曲、Empty Way To Nowhereもミドルテンポながらザクザク進んでいく感じがとても良い。
Fredlessは疾走感のあるインスト曲、Can't Stop Rockin' はスローテンポながらどっしりとした佳曲、Flashesは疾走感あふれる曲ですがメロディがしっかりしていてこれも非常に良い。
BEST DAYS OF MY LIFEはピアノのイントロから始まるバラードです。やっぱりこういう曲が1曲ぐらいないとしまらないよね。ピアノのイントロ→楽器が入って力強く→ピアノと歌で美しく終わるという定番のような構成ですが素晴らしいバラードだと思います。
We Want It Allはミドルテンポながら跳ねるようなリズムの躍動感あふれる曲で、ギターソロもよく考えられている名曲ですね。
そして最後を飾るHEAVENS GATE屈指の名曲、GATE OF HEAVEN。
イントロ聴いただけで血が沸き立つ疾走曲です。

というわけで、アルバム通してよくできた曲しか入っておらず、名曲てんこ盛りの名作アルバムで、購入後しばらくこればっかり聴いていましたし、オリジナル選曲のメタルMDを作るときに、どの曲を入れようかではなくどの曲を外そうかで頭を悩ませたアルバムです。
もちろん日本のメタラーたちにはこのアルバムは大好評だったように記憶しています。

しかしながら売れまくったはずのアルバムなのになぜか中古レコードは全然見かけず、、関西の中古レコード屋の実店舗では見かけたことがありませんでした。
時代的にはまだレコードと併売のはずなんですが、CDばっかり売れたんですかね。

海外からの輸入に頼ろうかと調べていたところ、思ったより安価に入手できそうだなと思っていたら、なんとヤフオクに出品されているのを見つけ、予算1万円ぐらいまでを設定して入札。
途中おそらく転売屋と思しきアカウントの入札で価格が釣り上がるも負けずに落札できました。

しかしVoのスター錦野か仮面ライダースーパーワンかというフリンジといい、ドラムの白いマフラーといい、なんというか当時の時代を感じさせるとてもいい写真だと思います。
あとベースはなんかいい人そうですね。

ちなみに落札できてからはほぼ毎日聴いています。

レコードで聴いてみて思ったのですがB面1曲めがゆっくりの「Can't Stop Rockin' 」で始まるのは少しもったいないんじゃないかなと、どうせならよく出来た疾走曲「Flashes」と順番入れ替えても良かった気がします。

で、このように大好評だったHEAVENS GATEですが、その後はなぜか人気に陰りが見えてきます。
まず次のアルバムHELL FOR SALEをB!誌が「アメリカナイズされた」となかなかに酷評されます。(個人的には結構好きな、よくできたアルバムだと思うのですが…きっと5曲目のAmericaのせい)
そして来日ライブのパフォーマンスの力量不足の露呈、私はライブ行かないのでどうでもいいのですが、Voがフェイクの連発、演奏もドタバタという話を聞き、それでなんか一気に評価が下がったような印象を受けました。

その後グランジオルタナブームが到来しHEAVENS GATEは眠りにつきます。
中心人物のサシャ・ピートはプロデューサーとして活躍し、グランジブームが過ぎ去ったかな?というタイミングでPlanet E、Menergyという2枚をリリースしましたがこちらもさほど話題にならず。
どちらも個人的には悪くないアルバムだと思うのですが、「Livin' In Hysteriaをリリースしたバンドがわざわざ出すアルバムじゃない」と言われてしまうと「そんな可哀想なこというなよ」ぐらいしか反論できませんね。

今ではHEAVENS GATEで検索すると亡国の怪しげな宗教団体が検索結果の上位に来ます。
カナシイ…

多分リスナーはいつまでもコテコテのLivin' In Hysteria2を望んでいるんだと思いますが、バンドとしてはそんな事したくないんでしょうね。
やりたい音楽とファンが期待する音楽の隔たりが産んだ、教科書に載りそうなレベルの悲劇だと思います。
でもね、本当にその後のアルバムもなかなかいいんですよ?中古レコード屋で見かけたら手にとって見てください。
そして安ければ購入してあげてくださいお願いします、ジャーマンではないけどとてもいいアルバムです。

Menergyは特に曲のできが良いのでぜひ、まぁ曲と曲の間に挟んでるSEみたいなの絶対いらないですけどね。
なんであんなの入れたんや。

ああ、ここにもファンとの隔たりの悲劇が…

気に入ったアルバムはレコードで欲しくなる私ですが、Menergyは毎回SEを飛ばさないといけないのでCDでの購入をおすすめします。

おわり

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