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だからすき。

新聞のコラムに目がとまった。
小説家・逢坂剛さんと作家・久田恵さんの対談記事『人生100年の歩き方』。見出しにはこうあった。


本と偶然の出会い楽しむ


私と本の話をしよう。
子どもの頃から本が傍らにあった。病弱で学校を休みがちだったせいもある。
安静にしろと言われたら本のページを開くしかない。大人になって、何回か経験した入院生活でもそれは同じだった。

手の届く距離にある本は限られている。だから繰り返し読むことも多かった。
1度目と2度目の読み方は異なる。初めからじっくりハマる本もあれば、1度目に流し読みした本が、2度目で新たな衝撃を与えたこともある。

僕は本や映画など古いものをよく見返します。単におもしろいというだけではなく、若い頃の自分と再会できるから。当時の光景や感性を一気に思い出すことができる。それが今の自分への刺激にもなるんです。

読売新聞2/19朝刊19面「人生100年の歩き方」より1部引用

ここ、大きく頷いた。
あるんだ。ページを開くと、そのときの場面や気持ちがよみがえることが。

好きな本を繰り返し読むことがあるけれど、同じ感想を持つことは少ない。(根っこは同じなんだけど)
十数年つけている「読書感想文帳」にも表れていて。「再読」と記されたそこには、以前と少し違う感想文が綴られている。

その時々の気持ちや状況がプラスされる。
同じ作家、同じ物語、読む私も同一人物のはずなのに。不思議な体験だと思う。

出会い直し、みたいなものだろうか。
知った気がしていたけど、もっと違う側面もあるような。より深く作品を味わうような。

検索ワードではたどり着けない何か。
知りたいことが次々と発掘されて、1冊の本がさらに広がっていく。
だから本が好きなんだ。本を読むことが。
紙のページをめくって、今日も日常を離れてく。




 






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