だからすき。
新聞のコラムに目がとまった。
小説家・逢坂剛さんと作家・久田恵さんの対談記事『人生100年の歩き方』。見出しにはこうあった。
本と偶然の出会い楽しむ
私と本の話をしよう。
子どもの頃から本が傍らにあった。病弱で学校を休みがちだったせいもある。
安静にしろと言われたら本のページを開くしかない。大人になって、何回か経験した入院生活でもそれは同じだった。
手の届く距離にある本は限られている。だから繰り返し読むことも多かった。
1度目と2度目の読み方は異なる。初めからじっくりハマる本もあれば、1度目に流し読みした本が、2度目で新たな衝撃を与えたこともある。
ここ、大きく頷いた。
あるんだ。ページを開くと、そのときの場面や気持ちがよみがえることが。
好きな本を繰り返し読むことがあるけれど、同じ感想を持つことは少ない。(根っこは同じなんだけど)
十数年つけている「読書感想文帳」にも表れていて。「再読」と記されたそこには、以前と少し違う感想文が綴られている。
その時々の気持ちや状況がプラスされる。
同じ作家、同じ物語、読む私も同一人物のはずなのに。不思議な体験だと思う。
出会い直し、みたいなものだろうか。
知った気がしていたけど、もっと違う側面もあるような。より深く作品を味わうような。
検索ワードではたどり着けない何か。
知りたいことが次々と発掘されて、1冊の本がさらに広がっていく。
だから本が好きなんだ。本を読むことが。
紙のページをめくって、今日も日常を離れてく。
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