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【はじめての商品開発】プラスチック製品の小ロット生産ってどのくらい?

ロットとは

ロット(Lot)とは、「束」や「集団」、「ひとまとまりの」の意味でつかわれる言葉で、製造業や物流業でよく使われる言葉で、「同じ条件のもとに製造する製品の、生産・出荷の最小単位」を意味します。

工場で製造するときは、たった1つや2つだけの注文に対して生産を行うことは、ほとんどありません。(試作は別です)。少ない数量のために製造をすると、製造するための準備、材料の手配などの手間や品質などの管理コストがかかりすぎるためです。
そのため、製造をするための最小注文数「最小ロット」を決めています。


依頼者のニーズで小ロット対応へ

基本的に、プラスチック成型は、大量生産するためのシステムです。
最近は、「小ロット対応可能です」というキャッチコピーをみかけることになりました。

なぜ、「小ロット対応可能」が増えたのか。
ひとえに、依頼者からのニーズです。
小ロットで製造できると、バリエーションを持たせたりすることが簡単にできます。また、在庫のリスクがすくなくなります。今は流行の流れがとてもはやく、人気が出るかどうかわからない。ということも多いです。大量につくるための金型や製造をおこなうには、数か月かかることが多いです。

でも、この、小ロット。もともとの数量に対しての「小ロット」なので、きちんと数を確認しないと、自分のおもう「小ロット」でないこともありますので、注意が必要です。


小ロット対応が可能な製造方法 を簡単に

プラスチックの小ロット対応というとどんな製造方法があるでしょう

3Dプリンター
切削加工
真空注型
簡易型(アルミ型) などがあります。

3Dプリンター

3Dプリンターにも積層式、光造形、結合式など様々な方法があります。
1個から製造が可能で、複雑な形状も作ることができます。方法によっては、段差があったり強度がなかったり大きさに制限があったりします。
プラスチック系素材の3Dプリンターは長期間使うのには向かず、試作品を作る目的が多いです。素材も3Dプリンター用の素材であるため、〇〇ライクとなります。

切削加工

塊のプラスチックから削っていくことでカタチをつくります。
数が少ない場合は、1個あたりの単価がやすくなりますが、数がふえたからといって価格がさがらない製造方法です。切削加工機械で削れる形状しかつくれません。
塊から削るので形状によっては「捨てる」素材が多く、コストが上がります。

真空注型

シリコーンなどで型をつくり、溶かした樹脂を流し込むことでつくります。1個のシリコーン型で数十個まで作ることができます。型に流し込める材料での製造になるので、〇〇ライクな素材となります。ゴム型でつくるので、高い精度は苦手です。また、細かい仕上げも難しく、塗装で対応します。

簡易型

アルミなど加工がしやすい金属をつかって型をつくり成形機で成形します。射出成型ができるので、細かな精度に対応できます。数百個~1000個(以上もできる場合もある)程度に対応できます。
金型をつくるのに数十万かかるので、他の小ロットの製造方法よりコストがかかります。製造数が数百個を超えるのであれば、トータルのコストメリットがあります。

ここでは、簡単にしか記載していません。
それぞれにメリットデメリットがあります。
対応できる材料、適した大きさ、数量、作れる形状の制限 など、選ぶ基準が様々あります。製品の使用目的、安全基準がかかわるようは用途の場合は、製造方法が限定される場合があります。

まとめ

小ロット対応のプラスチック成型についてお話しました。
少ない数量でも手軽に製造できる小ロット対応が、可能になりました。しかし、製造方法や材料、制限があるため、適した方法を選択する必要があります。プラスチック製品の開発経験が豊富であれば、うまく調整する事も可能です。でも、はじめて商品開発する方や不安のある方は、どの方法が「最適」なのか、ぜひ、ご相談ください。



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