「無能」を痛感したアルバイトの話
某ファストフード店でアルバイトをしていた。
厨房で料理を作る仕事だった。
2年間お世話になり店を去る時、寄せ書きの書かれた色紙をいただいた。
「くろだ君は時間通りに来てくれるし、厨房を隅々まで掃除してくれるのがありがたかった。」
店長さんだったかな、そう書かれた言葉を見て思ったことがある。
僕って無能なんだな。
「働く」とは言うけれど、実際は「働かせていただく」という立場である。
そんな立場の人間が「時間を守る」のは当たり前だ。
そして掃除に関しても、「見えてるところだけじゃなく、フライヤーの下とかも掃除してね」と教わったからそうしていただけである。
言われたことをやる。
「働かせていただいている」のだから当たり前のことだ。
料理を作ることは難しく「上手」と言えるほどではなかっただろう。
それでも「少しでも速く、きれいに商品を作ろう」と、自分なりに頑張ったつもりである。
だけど現実は「当たり前なこと」しか褒めるところが無い無能なのだと思った。
今は「少し過小評価してたな」と思っている。
「時間を守る」に関しては、「次のシフトの〇〇さんが来ないから少し延びてくれる?」と言われたことがあった。
掃除に関しても、かがんでゴミが見えるということは、レジや並んでいるお客様からは当然のように見えるものである。
それを掃除していたことは、お店の清潔感を保つのに一役買っていたということである。
ただ「ファストフード店のアルバイト」としては、やはり無能だったと思う。
料理を早くきれいに作ること
厨房が円滑に回るよう、自分の持ち場はもちろん、人のフォローにも行けるような余裕を持つこと
2年働いたということは、後輩の世話もできる歴である。
アドバイスをして互いの技術を高めること
コミュニケーションを取って連携を取ること
なんて言うんだろうな。
自分の技術を高めて「この人がいれば安心」という戦力となるか、このシフトの仲介者となって場の連携を高めるか。
両方、いや片方だけでも担える人が”有能”だと思う。
僕はどちらもできなかった。
「手先が不器用なんだ」ってのをこのバイトで知った。
人との連携を取り持つようなコミュ力も無い。
できたのは「一人で黙々とやること」。
だから、掃除を任されるのは好きだった。
一人で「どういう手順でやれば効率的にやれるか」を考えて実行する。
途中で「ごめんこぼした。掃除して~」というアクシデントがあっても、それを含めた工程を組み直せばよかった。
自分で考えて自分で動く。
そういう一人の作業が好きだった。
だから店長はよく見ていたなと思う。
「さすが店長」なのか「だから店長」なのかはわからない。
ただ、「一人で黙々と作業する」ことが得意というのがわかったのは、辞めてから随分経ったときであり、掃除を褒められるのはそれ以外に褒めるところがない”無能”だからだと思っていた。
というか今でも「無能だな」とは思っている。
だから戻ろうという気持ちは無い。
料理屋の厨房という、技術と人との連携が大切な場で僕は役に立たないから。
ただそうなると、ほとんどの職場は落ちるよな。
人と関わらない仕事なんて無いんだから。
あぁ~社不。
以上!くろだでした。
読んでくれてありがとうございました。
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