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つれづれエッセイ

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局所麻酔のあいだ誰かが手を握っていてくれた話

まずはこちらを。 *** 地獄、再び ~再手術が決まるまで~ 眼の手術も全身麻酔も、二度とやりたくない――。 前回の記事(上記リンク)の末尾に、わたしはそう書いた。確かにそう書いた。 しかし、地獄は終わらなかった。 前回の手術からおよそ1ヶ月後の2023年7月6日、わたしは二度目の眼科手術を受けることになってしまった。 もしかすると、もう一度手術をする必要が出てくる可能性があります、とは一度目の手術の際にも言われていた。 それでも、いざ実際に二度目の手術を言い渡

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眼科検査の正解が気になる話

最近、眼を手術した(またすることになった)関係で、去年からすごい頻度で眼科に通っている。 その中で、私がいつも気になって仕方ない数々の検査がある。 * ①眼圧の測定 これは、気になっているというより、私が昔から最も苦手としている検査である。 機械に顎をのせて額をつけ、カメラのファインダーのような黒い穴を片目で覗く。 すると、奥に黄緑色の光が見える。 その光をまっすぐ見つめていると、しばらくして光のほうからプシュッと空気が出てきて、目に当たるというシステムだ。

全身麻酔が効きすぎて地獄だった話

今月始め、眼を手術した。 眼の手術というのは局所麻酔でいける場合と全身麻酔じゃないといけない場合があり、私の症状は後者だった。 何を隠そう、私は全身麻酔の猛者(かけられるほう)である。 未熟児で生まれたため人生の滑り出しはかなりハードモードだったようで、心臓だの足だの、これまでいろんな体の部位を全身麻酔で手術してきた(あ、ぜんぜん重い話じゃないよ)。 人生で一度も全身麻酔を経験しない人もいるだろうことを考えると、およそ30年で4回というのはけっこうなハイスコアだと自負して

『キャプテンサンダーボルト』って合計何キロくらい移動してるの?

『キャプテンサンダーボルト』は、2014年に文芸春秋から単行本が刊行された、阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの共著です。 まさに伏線が伏線を呼ぶ、一言一句が伏線のエンタメミステリー超大作なのですが、この作品、とにかく移動が多い。 最強のラスボス・「銀髪の怪人」から逃げるため、そして「銀髪の怪人」を倒すため、山形県と宮城県とをひたすら行ったり来たり。 ロードノベルと言っても過言ではない移動シーンの多さなのですが、ここでわたしは、ふと気になってしまいました。 これ、全編で何キロく