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城崎温泉・豊岡旅行記 その2

2023年9月14日(木)
旅行二日目である。

初日の宿泊先
ブックストア イチ

この日は、午後から早速豊岡演劇祭の芝居を観る予定。この旅メインの一つが演劇祭である。
しかし、午前中はまだま城崎温泉周辺を周れる余裕はある。温泉街とはいえ、城崎温泉は温泉以外も見る場所はあるのだ。
ということで、午前中はまだまだ城崎温泉周遊記である。


朝8時半過ぎ、宿を経つ。
温泉は、お店によっては朝7時から開いているらしい。朝から温泉で朝風呂とも考えたが、やはり昨日と同じで気温は高い。温泉は完全に諦めた。
気温が落ち着いた季節に改めて訪れ、夜と朝にタップリと温泉を堪能したいものだ。

この日は曇り空。昨日のうちにロープウェイで山からの眺めを見ておいて正解だ。前回の記事で分かっていただけと思うが、ロープウェイ先の景観は絶景である。これは晴れた日に味わっていただきたい。晴れてこその景観なのである。だからこそ、この日でなく、晴れた前日に真っ先に向かったのだ。
さて、とりあえずは駅のロッカーまで荷物を預けにいく。そして、また街中へ戻っていく。本当にこの二日間だけで何度城崎の街を行き来したのだろうか。
これほど往復してれば充分に町の雰囲気は味わったのだが。
それで感じるのは、街全体が道幅がやや狭い割には交通量がそこそこあること。もちろん、徒歩の観光客も入り乱れているので、少々歩きにくかった。その上、この日は工事している場所もあった。結構歩くのに気を使った観光である。


荷物を預けてまず向かった先は、『城崎文学館』だ。

城崎文学館の建物

日本文学、特に明治から昭和初期までの純文学に興味がないとなかなか城崎温泉と文学がつながらないだろう。筆者も、正直な話を書いてしまえば、この辺の文学には疎いので印象が結びついていなかった。しかし、文学そのものには興味はある。訪れないわけにはいかない。ということで、選択肢の一つに加えたのだ。
城崎温泉と文学となると、まずは志賀直哉の『城崎にて』だろう。

小説家 志賀直哉が湯治のため城崎温泉を初めて訪れたのが1913年。滞在中の出来事を書いた『城の崎にて』(1917年発刊)は、志賀作品を代表する短編として今なお多くの人に読み継がれています。また、白樺派を中心に多くの文人墨客が訪れたことから、いつしか城崎温泉は「歴史と文学といで湯の街」として知られるようになりました。

城崎文学館HPより

志賀直哉は、療養のためにこの地を訪れ、やがてはこの地を舞台にした短編小説を書いた。
その事実があるからこそ、城崎温泉は文学のかほり漂う地でもあるのだ。

開館時間である朝9時を回ると、早速入館してみる。
すると、奥から少し慌てたかのように係の男性がやってきて扉を開けた。どうやら、平日のこんなに早くからお客さんが来るのは想定外だったようだ。もしかしたら、それほど賑わっていない施設なのかもしれない。文学好きならば見ておくべき施設なのだが。
入ってみると、何やら一部で展示物を撮影する作業も行われていた。
館内は、こぢんまりしていながらも清潔感漂い落ち着いた雰囲気だ。
この日は、常設展だけでなく故・前野治郎氏の城崎麦わら細工も展示してあった。麦わら細工とは、大麦のわらを原料に桐箱や色紙に細工を施すしたそれだ。
かなり微細な仕事には目を見張るものがある。大麦でここまでの品が作れることには脱帽だ。

常設展には、もちろん志賀直哉に関する展示があるが、城崎温泉に関わった作家は他にも多々いたのがここの展示でよく分かる。それほどまでに作家に愛された土地なのだ。城崎と文学の関係性と親和性をしっかりと感じ取れた。

文学館を後にすると、木屋町通りを伝いながらまんだら湯方面へと歩いていく。

まんだら湯
極楽寺 庭園

木屋町通りの方は人通りが落ち着いている上にこちらも川が流れていてとても心地いい。筆者のように何度も街を往復する場合は、こちらの通りも歩いてみるといい。

通りを歩いた先にあるのが、極楽寺である。こちらのお寺は、庭園がみものだ。

枯山水式の庭園

見事な枯山水である。
しかも、この日は平日のためか、筆者以外は誰も訪れていなかった。
近くの学校か何かで催し物の音が聞こえて決して静寂に包まれた空間ではなかったものの、非常に落ち着く空間であった。木屋町通りに流れる川のせせらぎとセットで楽しむと最高である。

町の中心には、飲食店などご集まった
木屋町小路がある
木屋町小路にはトイレもあるので、
休憩がてらよってみるのもいい
湯上がりに食べたいプリン
円山菓寮

ここまでが城崎温泉観光だ。

さて、豊岡へ移動……の前に、なにか食べ歩きしたい。
そこで選んだのがこちら、円山菓寮の湯あがりプリンだ。

小さな小瓶に入ったプリンを店先で食べられる。

牛乳と生クリーム、新鮮卵をオーブンでじっくりと焼き上げたとろとろ感が絶妙なプリンです。

円山菓寮HPより


さて、食べ歩きも満足したところで、城崎温泉を立つ時が来た。
再度駅へ荷物を取りに戻り、12時少し前の電車へ。

山陰線で豊岡駅へ

山陰線で豊岡駅へ
駅前には演劇祭のポスターが大量に貼られてる
豊岡駅前

豊岡駅へ移動しました。
ここでも駅改札抜けたところにあるロッカーへ荷物を預け、移動開始。
と言っても、13時には演劇祭会場には着きたい。
駅に着いた時には既にほぼ12時。急いで昼飯を取らないと。
しかし、来たからにはチェーン店ではなくて現地の個人商店を利用したい。
そこで選択した店が、駅すぐにある『大石屋食堂』だった。

駅前にある大石屋食堂さん
大石屋食堂店内
カツ丼

店内では、人の良さそうなお爺さんお婆さんが接客していた。
まさに大衆食堂。時間帯のせいなのか市民にはお馴染みの店なのか、席に着いてしばらくするとすぐに満席になった。


この日の会場になった
芸術文化観光専門職大学
演劇祭看板

昼を済ませると、急いで会場へ移動。
この日は、

ユニット手手/青年団リンク キュイ/マチルダアパルトマン

による3劇団の公演が3作品連続で見られるプログラム。

しかし、公演の感想はまた別の話。

この日は駅近くのビジネスホテル
コンビニ飯で済ます

演劇を見ると、そのままホテルへ移動。この日はもう何もせず、次の日へ。

3日目へつづく

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