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うわまつりで隠れた地域・商店の魅せ方を発見!

横須賀中央駅を降りて平坂というきつめの坂を登っていくと、上町というエリアに出る。
ここは、筆者はいつぞやかもnote記事で推したおすすめエリアでもある。看板建築あり、迷路のような住宅街あり、図書館などの文化的な空気あり、高台からの眺めよしと散歩するにはもってこいの場所だ。



そんな上町で、先日『うわまつり』と題したお祭りが催された。
本来なら、商店街を中心とした地域の小規模お祭りに過ぎず近隣住人でなければ気にも留めなかったイベントだったはずだが、どうもそれだけでは収まらない何かを秘めているような雰囲気を醸し出していたので、推し地域の活動ならば見過ごすわけにはいかないと参加してきた。
今回はそのレポ、というよりも、参加してみて新たに発見した上町の魅力と、そこから気がついた町や地域、商店の魅せ方などについて考えてみたい。


さて、なにがそれだけでは収まらない雰囲気だったのかのだろうか。
以下、お祭り宣伝Facebookアドレスである。まずはこれを見てもらいたい。

頑張っている地域感が出ている。
しかし、これだけをパッと見ただけではまだ伝わりにくい。ありふれた町のイベントにしか感じ取れない方も多いのではなかろうか?
ポイントは、二つ目の告知にある。
そう、上町の『商店街ツアー』だ。
これこそ、商店街に筆者が求めていた要素なのかもしれない。
何せ、筆者は推しエリアと言っているものの、利用したお店はそれほどでもなく、看板建築の建物に詳しくはない。

おそらくは、横須賀に住んでいる結構な人が筆者と同じで店の前は通っているが中がどのような雰囲気なのか、店員がどのような人なのかを知っている人は少ないのではないだろうか。
市内の人間にも関わらず、自分達の身近なところにどのような魅力あふれるお店があるのか知らないのは非常にもったいないだろう。
もちろん、知ったところで利用しないお店もあるだろうが、需要ある誰かに伝える機会は生まれるかもしれない。そういう機会喚起を生み出すためにも、地域を知ることは意味あることではなかろうか。

○上町 のぞいてみたいお店コース

今回、3つのコースが用意されたが、筆者は『のぞいてみたいお店コース』を選択した。
これは、企画者側が上町にある特定のお店をセレクトして、そのお店を訪れながらお店の方々にどのようなお店なのかをうかがっていく企画である。
3つの時間帯に分かれているが、時間帯によって周るお店や周らないお店があったようだ。
筆者が選んだ時間帯は、

Amis (Books&Coffee)→ 行李屋(着物)→柳家(衣料品)→From The Morning(セルクトショップ)

の四つである。
どこもお店前は通ったことはあるが、中まで探索したことはなかった。
特に行李屋さんやFrom The Morningさんは何を扱っているのかもよく知らなかったくらいだ。

筆者が参加した時間帯は、なんと筆者1人だけしか参加者がいなかった。つまり、案内人がまるで専属で雇ったかのような雰囲気になってしまった。
おかげでなのか、お店で説明を聞いた後は幾つか質問を聞くことができたのだが。
どのお店も感じのいい人ばかりで、お忙しい中でも快くお話ししていただけた。

○地元を知る 人を知る

どこも魅力的なお店ばかりではあったが、件の通りでポイントはお店の存在だけは知っていたが中まではのぞいたことがなかったお店である。
今回、この機会をいただくことにより、お店の業種はもちろんのこと、お店のこだわりなども知ることになり非常に貴重な時間であった。
例えば、Amisさんがどういった思いで洋書などの本を選書して並べているのか、着物の行李屋さんがいかに素材にこだわりを見せ、その素材がどういう特質を持っているのかを丁寧に説明してくれた、などである。
また、柳家さんは中まで覗いてみると予想外に品ぞろえが豊富であり、時にどこで仕入れたのだろうと思えるような珍品にも出会える楽しさがあるし、From The Morningさんは店内(建物)の雰囲気自体が古着をおしゃれなアイテムを扱っている内容にマッチしていてそこにいること自体が楽しくなりそうだった。
発見が多かったのも特筆すべき要素だ。

それぞれのお店がどこも、並べている商品やその素材にこだわりを持っている。それだけではない、店づくり事態も知ることができた。
普段はただ覗いて商品を見ているだけになりがちだが、この企画ではそういったところまで踏み込んで聞ける機会になっていたのは興味深い。

そして、そのこだわりを持つこと自体が個人商店運営のポイントなのだなと改めて実感した。
チェーン店はどこでも同じものを堪能できるのがポイントであり、ある意味では無難な部分が必須なのかもしれないが、その代わりにどうしても面白みに欠けてしまう。しかし、この個人商店では決してチェーン店にはないアイテムやサービスを用意することにより、こだわりのお客様を満足させることができる。ショッピングモールにはない雰囲気だ。そのために、個々のこだわりが強いほどお店の存在が際立ち、重要性を増してくる。
単純に言えばモールやチェーン店との差別化である。
これがクッキリと際立たせていられれば、個人商店でもやっていけるのかもしれない。
もちろん、それだけにかなりの質が問われることになるのだが。

○課題

問題としては、その存在をいかに知られてもらうか、が挙げられるだろう。特に地元の人に。
ツアーに参加する前の筆者のように、前を通り過ぎてはいるがどのようなお店かまでは知らない人が多い状況では非常にもったいない。
だからこそ、知られる機会はもっと頻繁に作れるようにしていかないといけない。
そういう意味で、この企画には大きな意味を感じ取ることができた。

ただ、残念なことに参加者自体が少なく、この企画自体が人に知られるような仕掛けが求められているのだなと感じる。
難しいところではあるが、小規模な企画の出だしは大抵こんなものである。
良質な企画なので、地道に継続しつつ広げていってほしい。

また、若者にウケそうなお店、店主自体が若い人がやっているお店などもあり、コースに入っていないお店でもまだまだ注目すべきところはあるだろう。
いかにして、若い世代に目立たない横須賀の魅力を広げていけるか工夫を施さなければならないのではないか。

筆者の個人的印象に過ぎないが、地方・郊外の商店街に並ぶお店はどうもFacebookだけを利用しがちな印象がある。若い店主だとインスタやYouTubeを駆使してお店の紹介を展開しているところもあるが、多メディアを利用しなければあらゆる世代に情報が伝わらない。
なだけに、インスタやYouTubeはもちろん、ドンドンと新しく出てくるツールを活用していってもらいたいが。

また、商店街のHPが更新していないのも残念である。
全体をまとめる情報源は欲しいところ。
新しくできた店舗の情報がない場合も散見される。機会損出を作ってはならない。


途中からなんだかんだ勝手に意見してしまったが、それほどに期待できるポテンシャルがある町と思えるからである。
今回の企画のように、色々と工夫しながら是非とも隠れた魅力を掘り起こして伝えてほしい。
その時は、また筆者も上町に現れるはずだ。


10月14日追加
インスタに下記の写真がアップされていたのでリンクを貼っておきます。
このPRボードも素敵なアイデアですね。

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