見出し画像

行く末

悲しみに暮れる
その足で
すすき野原をトボトボ歩く
夕闇に紛れて
夜が訪れるまで
ぼんやり我が身を
隠しながら

いつの間に消えたのか
喉と胸の熱さは
いつからだろうか
夏の風が懐かしくなったのは
思い出せぬまま
苦しさを拭えぬまま
今日も夕焼けは
とっぷりと地平線に呑まれていった

闇に流れる川の音
風に小さく揺れる木々
星を食べながら流れる雲
ただただ草はらを歩く私

螺旋に巡る思考回路
いつの日か晴れるだろうか
胸の中の靄
そんな問いかけに
風も川も一人で歌うだけ
答えはない
ないのなら歩くしかない
空は徐々に白んだ
私は歩き出した
再び太陽が上がる地平線の方へ
立ち尽くすだけましだと
ただあるがままに
ただただ歩く歩く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?