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株式会社ロイヤルダイニングに対する景品表示法に基づく措置命令について

消費者庁は、2019年4月16日、株式会社ロイヤルダイニングに対し、同社が供給する「タン」と称する部位を使用した料理、「ハラミ」と称する部位を使用した料理及び「シマチョウ」と称する部位を使用した料理等に係る表示について、優良誤認表示(景品表示法5条1号)に該当するとして、措置命令を行ったようです。

対象会社の概要

株式会社ロイヤルダイニングは、STEAKHOUSE BIG BEARや焼肉いのうえ等、約21の飲食ブランドを運営しています。
今回、措置命令の対象となったのは、焼肉Roinsで、東京都にある東大和店及び沖縄にある沖縄店の2店舗あります。

優良誤認表示

【ROINS沖縄店等が表示していた表示内容について】
例えば、ROINS沖縄において提供する料理について、当該店舗に係る自社ウェブサイトにおいて、平成24年3月21日から平成30年12月20日までの間、

「沖縄県産の食材と日本全国選りすぐりの黒毛和牛専門店」及び「『心のこもったお料理を』モットーに●●料理長が厳選した黒毛牛のみを使用した、ROINS自慢の新鮮でクオリティの高い料理をお楽しみください。」
と記載するとともに、

「【厚切りの黒毛和牛を使用した上タン塩】お客様が必ず驚く当店の上タン塩」は、黒毛和牛の舌を丸ごと一本使用仕入れております。」
等と記載するなど、

あたかも対象料理には、黒毛和牛の部位を使用しているかのように示す表示をしていました。

【ROINS沖縄店等が実際に提供していた料理について】
ROINS沖縄において提供する
タンには外国産牛のものを、
ハラミの大部分には外国産牛のものを使用しており、
ROINS東大和において提供する
タン、ハラミ及びシマチョウには外国産牛のものを使用していました。

要するに、お店で提供しているタンについて、黒毛和牛のタンと表示していたのにもかかわらず、実際は、黒毛和牛ではなく、外国産牛のタンであったため、実際のものよりも著しく優良であると示しており、優良誤認表示に該当すると消費者庁に認定されたということになります。

検討

お店で提供している料理について、メニュー等の表示には国産等といった良いものを使用していると表示しているにもかかわらず、実際に使用しているものは外国産といった国産のものに劣るものを使用することにより、メニュー表示と実際に使用しているものが異なり、実際のものよりも著しく優良であると示す場合には、優良誤認表示に該当するものであり、従前の措置命令の流れに沿うものです。

景品表示法に基づく措置命令に関し、優良誤認表示について、故意・過失を問題にしません。そのため、わざとではなく不注意により、メニュー表示と実際に使用しているものが異なり、その結果、実際のものよりも著しく優良であると示す場合であっても、景品表示法に基づく措置命令を受けてしまうため注意が必要です。

特に飲食店を運営されている企業は、今一度、メニュー表示と実際に使用しているものの産地等が異なっていないかを確認していただければと存じます。

また、花の舞や鹿児島県霧島市塚田農場といった店舗数が多いお店について景品表示法に基づく措置命令を受けていますが、そのような店舗数が多いお店だけでなく、本件店舗のように2店舗しかない店舗に関しても、景品表示法に基づく措置命令を受けることとなるため、店舗数が少ない飲食店を運営されている方も注意が必要です。

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