好きだったものの話がしたい (夢中で読んだ小説の話)

 くろきです。普段はマジック:ザ・ギャザリングについてのnoteを書いたり、Twitchで配信したりをしています。ただし今回はMTGに全く関係ない趣味の話。以前好きだった本の話をしたいです。

(これは最近思ったこと)
 5か月ほど前からMTGも紙の大会にたくさん出るようになって、ラウンド間の待ち時間をどのように過ごそうかな~と考えるようになりました。適当にスマホを触ったりしていればいいと言えばいいのですが、長い大会の場合はバッテリーが持たなかったり、単純に退屈したりすることも。そのため待ち時間を消費するのに丁度良いと思い、文庫本を持ち歩くようになります。
 高校生の頃は小説を読むこと以外の娯楽をほとんど知らなかったこともあり、そもそも読書自体が好きでした。ところが大学に進学して時間が経つにつれて他の娯楽に触れるようになったからか、小説を読むことに割く時間は年々減っていきました。今は文庫本を手に取る機会が再び訪れたことが素直に嬉しいと感じます。

 本屋に足を運ぶ頻度も以前より増えました。目的の本や作家、シリーズがあることが多いのですが、他にも気になるものが見つからないかと彷徨ったりもします。その際に過去に読んだ本に出逢ったり、好きだった作家の名前を目にすることは少なくありません。僕は記憶力が悪く、関心の薄れたことについてはその大半を忘れます。以前は関心の強かった物事でも、頭に浮かぶきっかけを失うとすぐに頭から消えてしまうのです。以前読んだ小説も、好きだった作家のことも、当時は夢中になって読んだはずなのに鮮明に思い出せないものばかりになっていました。

 少しだけ悲しい気持ちになったので、なんとか思い起こして好きだったものの話がしたくなった次第です。いつかそれぞれの本をきちんと読み返す日がくればいいな。

好きだった小説

正直覚えていないことばかりなので紹介は浅く、ネタバレ等もないです。作家の名前は敬称略。

『新世界より』 貴志祐介

 貴志祐介による複合的ジャンルの作品。念動力が発見された1000年後の日本が舞台になっている。SFという括りにはなっているものの、ホラーや冒険の要素もある上に、徐々に世界の謎が明らかになっていくミステリー要素が特に強烈。世界観に関して非常に気になりすぐに読み進めてしまった。物語としてはかなり長く感じられたが、一層キャラクターの立場や人間関係の変化を楽しむことができるようになっていると思う。


『ハーモニー』 伊藤計劃

 伊藤計劃のSF作品『虐殺器官』,『ハーモニー』,『屍者の帝国』に出逢ったのは高校2年生くらいの時期だった。3作連続で夢中になって読んでいたものの、今はほとんどの内容を記憶していない。当時の僕には難解な部分も多かったのかもしれない。3作品の中で、なぜか『ハーモニー』を一番気に入ったことは覚えている。人間の意識はどこからくるのか、といった哲学的な問題について切り込んでおり、その答えが当時の自分にとって新鮮なものだったのかな。5年くらい経ったのちに読み返したらどんな感想を抱くんだろうか。


『ヴォイド・シェイパ』シリーズ 森博嗣

 森博嗣の作品は『すべてがFになる』などのミステリが人気の印象があり、僕も最初に好きになったのはミステリだった。しかしミステリ以外のジャンルの作品も数多く、とてもすべてを読み切ることができないことが高校生の頃からの悩みだった。
 『ヴォイド・シェイパ』のシリーズは剣豪小説とされているが、主人公の侍の持つ純粋な思考を辿ることがどこか心地よく、不思議な感覚を与えてくれるシリーズだった。なかなか掴めないものに手を伸ばすような、そんな感覚がずっと続く。


『春期限定いちごタルト事件』<小市民>シリーズ 米澤穂信

 米澤穂信の作品の中でも特に知られるのが『氷菓』などの<古典部>シリーズだと思う。(少し前にアニメ化されたりもしたし…) <古典部>シリーズと並び、人が死なないミステリー作品としてシリーズ化されているのが<小市民>シリーズ。
 人が死なないミステリーの魅力は普通のミステリーと比較した際の現実感の強さにあると感じていて、主人公の立場に自らを投影しやすい側面があるように思う。<古典部>シリーズ、<小市民>シリーズは共に人の死なないミステリーでありながら、どこか後味の悪さを感じさせるので一層の現実感を与えてくれるところが良い。<小市民>シリーズの方が<古典部>シリーズと比べても、キャラクターの癖が強くて好き嫌いは分かれるようには思うけれど、話の動きや衝撃の大きい点において僕はこちらの方が好みだった。


終わり

 今回はただ「好きだったものを話したい!」というだけのnote。年を重ねるにつれて自分の好みを誰かに伝える機会は減ってくるのかなと感じていて、このような形で自分のことを吐き出せたのは少しすっきりしました。また気が向いたら他の好みについても書いてみたいなと思います。


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