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福島県双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」に行って来ました

先日(10月10日)、福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館に行って来ました。

伝承館は昨年(2020年)の9月に開館しました。今年の春に行こうと思いつつ、コロナ自粛のためにずっと行けず、この度、ようやく行けました。

事故があった福島第一原発は、福島県の双葉町と大熊町の境界の海岸沿いにあります。この伝承館の最寄駅は常磐線の双葉駅ですが、双葉駅周辺は未だに避難解除されていない地域が多く残っています。

伝承館の内容は、10年前の大震災と原発事故で起きたことを次の世代へ伝えて行くための展示がメインですが、未来に向けての取り組みも紹介されています(興味がある方は伝承館のHPを参照下さい)。地元の方が説明者をしてくれていますので、色々なことを聞けます。その中で年配の説明者の人の話が印象に残っています。

『原発周辺の市町村の小学校生は昔から社会見学の行き先が原発と決まっていて、見学に行くと、東電の説明員さんは原発がいかに安全な設備であるかを熱心に語っていたんです。』

私も学生時代に関西電力の敦賀原発の見学に行ったことがあります。確かに、説明者の人が安全について力説していたのを思い出しました。

「福島原発の事故は天災ではなく人災、安全に対する過信があった」と東電も述べています。非常電源用のディーゼル発電機を津波の届かない高台に設置しておけば、原発災害を防ぐことができた可能性が高いと思います。安全の基本である「もしかしたら・・・かもしれない」、ということを管理者の誰かが考えていれば、ということが悔やまれます(そうは言っても、自分ならやっていたと自信を持っては言えません)。

伝承館を出た後、海岸の方へ行ってみました。真新しく立派な堤防の上に登り海を見ました。当日はきれいで静かな海でした。

機会があれば、皆さんも是非一度、訪れてみて欲しいと思います(見学所要時間は1時間半〜2時間半程度)。一人でも多くの人が現地へ行って、見て聞いて、関心を持つことが大切だと感じました。

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(付)新聞社のカメラマンが撮った写真も掲示されていて、印象的な写真が多くありました。

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(追記)東電の廃炉資料館

東電の廃炉資料館(常磐線の富岡駅近く)にも行ってきました。こちらは、大震災時の現場の状況、東電の反省、廃炉作業(今後、30年〜40年を要する)等を東電の人が説明してくれます。

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以上