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母の旅立ち

2月29日。X Twitterで母の旅立ちを報告した。

X Twitterには介護や認知症、癌のことなどでつながってくれている人たちがたくさんいる。
母の旅立ちについては大々的に公表しなくても良いのかもしれないけれど、少なからず心配してくれた方達には伝えねばと思った。

そう思っていたけれど、実際にテキストを書き始めたら心がざわつき始めた。

母の旅立ちを公表したら、母が本当に旅立ってしまったと認めなくちゃいけないんじゃないか?
今までそばにいてくれた母が遠くに行ってしまうのではないか?

そんな不安というか寂しさみたいなものがよぎって一度はテキストを書くのをやめた。
公表するのすらやめようかと思った。

だけど、このまま黙ったままだと逆に母も解放されないような気がしたのだ。ずっとそばにいてほしい。でも今まで家族のために一生懸命生きてきてくれたんだからこれからは自由に過ごしたって良いじゃないか。
誰にも公表せず家族の心の中だけに閉じ込めておくのはよくないのかもしれない。

自問自答しているうちに、やっぱり皆さんに伝えねばという結論になった。

いきなりX Twitterに書くのは(私にとって)ちょっとハードルが高い。
それならばまずは頻繁にメッセージのやり取りをしていた人たちにDMを送ることから始めてみることにした。

同じく前頭側頭型認知症の親をケアしている人たち、介護をしている人たち、介護のコツや嚥下関連のコツなどを教えてくれる人たち、母のことを心配してくれている人たち。

ひとりひとりに母の旅立ちと、日頃サポートしてもらっていたことへの感謝を伝えた。

その勢いに乗ってX Twitterのポストを書き始めてみることにした。
140文字でどう伝えるか。何を伝えて何を伝えないのか。写真は何にしよう?
何度も何度も書き直してようやくポストしたのが冒頭のテキスト。

うまく伝えられたかはわからないけれど、皆さんからのあたたかいメッセージを読んでいるうちにホロっときた。

きっとこれも母のおかげなんだと思う。
認知症や癌になってしまったことは本当に本当に辛くて、母をこんな目に合わせる何かの流れをすごく憎んだ。
でも前頭側頭型認知症の介護と癌の看護を通じてたくさんの人に出会えたのは人見知りせずどんどん人に声をかけていく性格かつ話しかけた人や関わってくれる人からとても好かれる母の力なのだと思うようになった。

本当に皆さん良い人ばかり。
親御さんや配偶者さんなどのケアをしっかりやっていらっしゃる。
母がそんな人たちと出会わせてくれたのかもしれない。

母の旅立ちについてはまた別途noteに書くことにする。

母が生きた証というか、母の存在を少しでも残しておきたい。

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