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エッセイ:わんこの話

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先住犬ミルキー、そして、シニアの保護犬コーディにまつわるストーリー。 わんこの不思議な力をたくさん感じます。
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記事一覧

スカイとマルコからの”月子とケイタ”

ソラがお空の星になってしまってから、気がつけば3週間が経っていた。 添い寝をしていたら、…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(33)・いっしょに

あたしはすぐに分かった。 あの車に乗っているのはケイタ君。空気に漂う一瞬の気配で気づく。 …

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(32)・すぐに分かるよ

月子さんは、意味が分からなかった。 なぜ、ソラが私をここの連れてきたのか。ソラがなぜ、こ…

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(31)・そして、そこに戻る

朝起きが苦手だった月子さんが、今では、早朝の散歩が日課であり、そして、その時間の空気が1…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(30)・その日が来る前に

久しぶりにマルコの夢を見た。 月子さんと生きていくと決めたぐらいから、不思議と天界のこと…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(29)・別れと出会い

ソラの毛、すっかり胡麻塩状態になったなぁ、と月子さんはブラッシングしながら思う。あんなに…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(28)・マルコのカケラ

あたしは、人間が”遺灰”と呼ぶ、白い粉がなんなのかすぐに分かった。 マルコのカケラだ。 魂はもう神様と天界へ戻ってしまったけど、でも、あたしと一緒に犬として生きたカケラがここにある。 あたしは、月子さんの手からそれを奪い、ビニールを引きちぎり、一気に食べ切った。これでずっとマルコはあたしの中で一緒に生きる。そして、あたしはマルコの分まで生き続けてやる。 きっと、月子さんは呆れているだろう。 そう思って、見上げると、月子さんはボタボタと涙を流していた。 「いいよ、いいよ。ソラ

スカイとマルコ(27)・温もり

「神様、僕、お願いがあるんです。僕がまだ犬の姿のうちに時枝さんに会わせてもらえませんか?…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(26)・一緒に生きること

え、遠吠え?狼? 寝ぼけた頭で、月子さんは考えた。 数秒後、ガバッと飛び起き、隣の部屋に駆…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(25)・それぞれの道

「スカイ、スカイ、僕の声が聞こえる?」 真夜中、マルコの声がすぐ近くで聞こえた。 「え、…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(24)・ありえない

「スカイ、僕を見つけてくれてありがとう。」 マルコの声が聞こえた。 点滴ってやつで、少し…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(23)・そばにいるよ

「え、公園で見つけた?あの、、、ご自身の犬ではないんですよね?」 受付の人が、戸惑うよう…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(22)・再会

ソラに腕が千切れそうな程、引っ張られながらも、なんとかかんとか月子さんは転ばずに公園まで…

黒リス
5か月前
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スカイとマルコ(21)・はやく、はやく

いつもより早い朝。あたしの鼻が何かを感じた。 よく知っている匂い。 懐かしい匂い。 そして、それが震えている。 あたしの毛が逆立つ。 早く、早く、行かなきゃ。 あたしは、ベッドで寝息を立てている月子さんの上にジャンプした。 「グェッ」 と、おかしな音を出し、月子さんの目がぱっちり開いた。 あたしは、「早く、早く、起きて。」と必死に伝え、月子さんのパジャマを引っ張り、ベッドから引きづり下ろした。 床に這いつくばりながら、月子さんは、「何?なんなの?ソラ、まだ、朝の4時