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(小説)スカイとマルコ

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イタズラが過ぎた天使たちが下界に犬として落とされた。そこで、色んな人間たちに出会い、人間たちと一緒に生きる意味を考えていくお話し。
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記事一覧

月子とケイタ・それでいいのだ。

「彼女とは終わりにしました。彼女は、普通に結婚して、子供を産む人生を生きるべきだと思った…

黒リス
3か月前
6

月子とケイタ・親という存在

月子さんのアパート近くの商店街の一本裏に入った小道にあるカジュアルなイタリアンのお店。混…

黒リス
4か月前
7

スカイとマルコからの”月子とケイタ”

ソラがお空の星になってしまってから、気がつけば3週間が経っていた。 添い寝をしていたら、…

黒リス
4か月前
5

スカイとマルコ(33)・いっしょに

あたしはすぐに分かった。 あの車に乗っているのはケイタ君。空気に漂う一瞬の気配で気づく。 …

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(32)・すぐに分かるよ

月子さんは、意味が分からなかった。 なぜ、ソラが私をここの連れてきたのか。ソラがなぜ、こ…

黒リス
4か月前
6

スカイとマルコ(31)・そして、そこに戻る

朝起きが苦手だった月子さんが、今では、早朝の散歩が日課であり、そして、その時間の空気が1…

黒リス
4か月前
5

スカイとマルコ(30)・その日が来る前に

久しぶりにマルコの夢を見た。 月子さんと生きていくと決めたぐらいから、不思議と天界のことを思い出さなくなっていた。マルコのことは偶に、どうしているかな、って思うけど、神様と一緒にいるから、心配する必要もないし、それよりも月子さんの一挙一動ばかりが気になる生活に変わっていった。 月子さんの声が心地良く、月子さんの匂いが大好きになった。 月子さんが側にいると幸せで、月子さんがいないと寂しい。 月子さんが嬉しそうだと、あたしも嬉しくなり、月子さんが悲しそうだと、あたしは、どうした

スカイとマルコ(29)・別れと出会い

ソラの毛、すっかり胡麻塩状態になったなぁ、と月子さんはブラッシングしながら思う。あんなに…

黒リス
4か月前
10

スカイとマルコ(28)・マルコのカケラ

あたしは、人間が”遺灰”と呼ぶ、白い粉がなんなのかすぐに分かった。 マルコのカケラだ。 魂…

黒リス
4か月前
9

スカイとマルコ(27)・温もり

「神様、僕、お願いがあるんです。僕がまだ犬の姿のうちに時枝さんに会わせてもらえませんか?…

黒リス
4か月前
8

スカイとマルコ(26)・一緒に生きること

え、遠吠え?狼? 寝ぼけた頭で、月子さんは考えた。 数秒後、ガバッと飛び起き、隣の部屋に駆…

黒リス
4か月前
9

スカイとマルコ(25)・それぞれの道

「スカイ、スカイ、僕の声が聞こえる?」 真夜中、マルコの声がすぐ近くで聞こえた。 「え、…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(24)・ありえない

「スカイ、僕を見つけてくれてありがとう。」 マルコの声が聞こえた。 点滴ってやつで、少し…

黒リス
4か月前
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スカイとマルコ(23)・そばにいるよ

「え、公園で見つけた?あの、、、ご自身の犬ではないんですよね?」 受付の人が、戸惑うように聞いてきた。 月子さんは、チラッとあたしを見て、意を決したようにリーシュをギュッと握り締め、返事をした。 「はい。私の飼い犬ではないですが、この子の友達なんです。だから、支払いは私が責任を持ってしますので、だから、お願いします。助けて下さい。」 下界は、お金がないとご飯も食べれないし、病院もいけない世界だ。 そのお金を作るため、月子さんは、仕事ってことをしている。 月子さんは、貧乏