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「知っておきたいあの話vol.13」を終えて〜 あなたの知らない書籍編集の世界(主にノンフィクション)〜

隣のアノ人ってどんな仕事をしているの?という素朴な疑問から始まったこの企画。今回で無事13回目の開催も終えることができました。今回初めて登壇者の方と同じ会議室からお送りするスタイルで、とても新鮮でした。
20回に向けて頑張らずに頑張ります!

<登壇者のご紹介>
菊地さんは、角川書店(当時)入社し、書籍の販売企画・マーケティング、宣伝や販促などを経験された後に、書籍編集部に異動された、異色の経歴をお持ちです。ご存じの方もいるかもしれませんが、30万部以上売上げた「うつヌケ」など、数々のベストセラーを生み出している方になります。

今回のイベント概要は以下のイベントサイトに詳しくありますので、ご覧になって貰えると嬉しいです!

前書き

書籍の編集者というと私はすぐにサザエさんのノリスケさんを思い出してしまう訳ですが、実際にどのように売れる本を作っているのかを知る機会が得られたのは、友人が良いながらも連絡を取って来てくれたからでした。
その話はどこにも書いていないのですが、知っておきたいあの話で菊地さんに登壇して欲しいという友人の持ち込み企画だったのです。

今回の私の学び

書籍編集者ってどんなふうに企画しているのか?というのがテーマの話ではあったのですが、書籍編集に携わらない人にとっても非常に示唆深い内容だけでなく、日々の仕事においても今のトレンドを見つめる視点を得られる内容だったと私は感じています。

時代の針が振れ過ぎているのような状況では、その針が戻る力が働き始め、その針が戻るときに新しい書籍企画を当てることでヒットを生み出すという説明は本当に腑に落ちるものでした。

黒坂のイベントメモ

  • 角川は国文学が始まり。

  • 日本の出版社の中で一番規模が多い

  • KADOKAWA は年間新商品が5,000アイテムもあり、多品種少量のビジネスモデルのため、全商品でマーケティング活動は無理

  • どうやって売れるのかを考えるのも編集者


書籍は著者から入るか、テーマから入るかでやり方が違うとの話はとても納得いくものでした。ノンフィクションの分野では、有名な著者がいる訳ではないので、基本テーマから考え、誰に書いて貰うかを決める流れになるのです。
村上春樹ファンはいるが、ノンフィクションではファンは少ないと言える。


このスライドが核心と言えますが、歴史を学びどのような世相でどのようなベストセラーがあったのかを学ぶというのを菊地さんは大切にされていましたし、多くの編集者の方がその手法を取られているとのこと。
同時期に同じような書籍が色々な出版社から出るのは、まさにこのことを示す証左の1つなのですが、菊池さんもそうしたときにはみんな同じように考えているんだなと思うそうです。

事例として挙げくれた、ZARDの「負けないで」という曲のヒットは、ドラマとかのタイアップはあったものの、団塊ジュニアの大学受験をする時代背景があり、応援歌を書いて欲しいという要請に応じた楽曲を作ったため、マクロ環境に商品テーマがしっかりとマッチしてヒットしたと考えられるとするその説明はとても合点がいくものでした。

このようにこうした考え方に再現性があるのかと考え、仮説を作り、ロジックを立てて仕事をしてきて、歴史×現在となったそうです。

海外のヒット作品があれば、それを日本に持ち込む(国をずらす)
ヒットは繰り返すので、時代を変えて出版する(時間をずらす)

このような手法も使いつつ、ヒットする作品を模索しています。

実際に菊地さんがやってきたことを見ると、これって編集者じゃない私にも当てはまるとてもベーシックで普遍的な方法論のように感じました。
みなさんはどう思いますか?

講演中の質問内容(抜粋)

  • うんこドリルが売れた理由は?

  • どのようにして本を書いてくれる人を探すのか?

参加者の方へのアンケートでのご回答内容(抜粋)

  • 書籍企画のエッセンスをご紹介いただき、とても勉強になりました。

  • とても、参考になりました!ありがとうございましまた。

  • 非常に面白く聴かせていただきました。 ヒットと時代性のお話、大変興味深かったです。

菊地さん、ありがとうございました!

#知っておきたいあの話 #黒坂図書館 #KADOKAWA  #編集者


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