造作家具に憧れて。
やぁ、いらっしゃい。今日も元気な顔してどうしたの。
朝、早くに目が覚める。
それこそ4時とか、早い時間。
元々不眠がちなところはあるから、短いのは慣れてる。
ただ、こんな朝早いと異様にお腹が空く。何なのこれ。
リノベーション。
リノベーションの現場でよく使われる「造作」。
これは建築用語で言うところの「建物内部の柱・梁などの構造を除いた仕上げ・取付工事」の総称として扱われているそう。
一方で、リノベーションによる住まいづくりの中で使われている「造作」と言えば、大工工事でつくる作り付けの家具や棚、収納スペースなどインテリア周りによる部分を指すのが一般的だそうな。
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通称、造作家具。
早い話が、オーダーメイドの家具といった感じかな。
いつもの居場所となる住まいにこだわる人も多く、常時一定数の客層が造作家具を好み依頼をする事が多い。
そんな中、それのみを専門に取り扱う職人も多くはないものの、やはりいる。
今回はそんな造作家具のお話だよ。
造作家具。
K氏は個性的な性格の持ち主の職人さん。
リフォーム全般を請け負う工務店ではあるものの、実態としては造作家具の専門施工の職人として日々活動している。
家具と言っても、分野は幅広い。
普通に家にある机や椅子などはもちろん、店舗のカウンターや受付台。
企業の入り口にあるウェルカムスペースなども造作の内に入る。
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しっかりしている企業や、売上好調な企業ほど入り口の見た目の華やかさにはお金をかけている傾向が強いね。
そういった、部分部分の演出素材の製作としてもK氏の腕が光る所だよ。
適当でがさつな性格に見えて案外繊細なところも持ち合わせていて、面白いおっさんさ。
仕事の依頼。
とは言え、イチ大工さんのK氏が大掛かりな受注を取ってくるというのも難しい。
知り合い経由の小さなお店の施工依頼などはそれなりに入ってくる。
とは言え、常にショット商売になるのが建設業のつらい所。
大口の案件はやはりほしいもの。
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K氏がよく繋がりたいと言っている職種の人は店舗設計屋さん。
スケルトンの空間から限られた面積内で、店舗の空間演出していくお仕事の人たちだね。
そういうこだわりのあるクライアントはやはり、家具やカウンターなどにこだわりを持ちたい。そこを市販の汎用家具に甘んじるという人は少ない訳。
そんな時に出番が回ってくるのが、造作家具の職人さん。
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店舗の可処分面積を立体的に採寸し、デザインの要望を聞く。
その設計図は素人目には訳がわからない細かさで、まさに職人の仕事。
K氏の性格は大雑把でどちらかといえば、適当に寄っていると思っている。
が、店舗設計図や造作物施工図を見ると、別人が作ってんじゃないの?
って毎回思わされる。笑
大口顧客。
K氏にもドル箱案件があり、大手証券会社がクライアントにいる。
こういう企業の予算実権者と懇意にしていると、継続的なビジネスになりやすい典型的なパターンだね。
前述の通り、勢いのある企業は大小問わず拠点を展開する。
または、古くなったオフィスの改修なども行われる。
まだまだ属人化したビジネスモデルの企業も多く、ダサいインテリアじゃあ新人さんの入社意欲も削がれちゃうもんなのかしら。
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何だかんだ、人をたくさん募集してその物量で業務をこなし続ける企業がある限りこういった造作ビジネスの廃れはない。
油断はしない、続く忙しい日々。
クライアントの要望とあれば、夜間から早朝にかけての仕事も連日こなしていく。
いつだって職人さんは必死さ。
我々が寝ている時間に、誰かが頑張ってるって図式。よく回っているよ世の中。
プライベート。
職人さんもまた1人の人間。
ある程度、大掛かりなお仕事が一段落すれば気も楽になる。
そうすなればプライベートの時間だって取れる。
K氏は料理が好きなようで、SNSによく作ったものを投稿しているのを見かけることがある。
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案外、といったら失礼だが結構よく出来ているものが多く美味しそう。
彩りとかちゃんとしていて、とても普段の性格と一致しない。
別人格の持ち主なのだろうか。
また、バンド活動もしているのが象徴的で、コロナ禍を明けた辺りから知人のライブバーなどで開催している。
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メインパートはボーカル。
以前記事にも出したボイトレの先生に指導を受けて、歌もうまい。
ちょっと世代に差を感じるけど、歌唱力に時代は関係ないからね。
どうあれ、色々見ているとどれが本当のK氏なのか分からなくなる。
それほどまでに普段の人柄が大雑把で適当な訳さ。
裏表がないから、人望も厚く紹介もよく出している。
世渡りが上手いのかも知れないね、真面目な私も学ばないと。笑
これから。
人気ジャンルのビジネスではあるが、いいところばかりでもない。
やはり資材の高騰は大きな懸念材料。
海外からの輸入仕入れが大半の日本としては、この円安状況は結果的に高価な買い物へ拍車がかかる。
助っ人の職人の人件費、移動費、果ては食費だってバカにならない。
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これは造作家具に限った話ではなく、日本全体で言えること。
貧しい思考はビジネスの彩りを失わせる。
色んなビジネスが魅力のはずだったものが、必要最低限のものへと痩せた思考を育ませる。
今、色々問われている時代。
人と同じことをしていては淘汰の的になってしまうのかもしれないね。
K氏はその事を肝に銘じつつ、今日も設計し造作していく。
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