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水面まで泳ぎきること

銀行の仕事は覚えることが多く一人前になるまで非常に時間がかかる。取得しなければならない知識や資格が多く、途中で挫折するものも多い。

しかし、知識を習得し、資格を揃え、全ての準備が整った後に銀行でできる仕事は、他の業種に比してその幅は広い。銀行の仕事こそ最も面白いと言えるかもしれない。

しかし、その面白い仕事を経験出来るのは、限られた人だけ。その他の多くは、そこに行きつくことが出来ない。

例えるならば、入社した時が水深100メートルだとしよう。水深100メートルから新入社員達は海面に向かって息を止めて泳ぎ続ける。まっすぐ最短距離で泳げるものもいるし、暗闇の中あらぬ方向に向かって泳いでしまうものもいる。

また、「技術革新」や「法改正」といった潮流に押し流されてしまうこともある。一般の大学卒の新入社員が水深100メートルからスタートするに対し、東大卒は水深70メートルからスタートするといった暗黙のルールがあったかもしれない。

海面までの苦しい期間を泳ぎ切る体力と精神力がある者だけが、その仕事にありつける。現在、銀行を取り巻く環境は厳しさを増している。今の新入社員たちは、もっと深い場所からスタートしているかもしれない。

29年間海面に向けて泳ぎ続け、今、頭上にキラキラと光る海面の存在を感じている。現役時代に海面まで到達出来るか。2023年もう少しだけ頑張ってみようか。

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