試される大地の優しさに触れた北海道10日間の旅 / 網走へ
北海道一周の旅をお届け中の、くろしおです。
『試される大地の優しさに触れた北海道10日間の旅』シリーズ記事のお届け後のタイミングで、Instagramにその地域で撮った動画をupしています。良かったら遊びに来て下さいね。
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前回の記事
10月16日。旅の5日目。
特急オホーツク1号に乗って網走へ。
乗車目標案内がハイテク。とっても見やすい。
オホーツクを撮影するために早めにホームに上がったのですが᠁。こちらに気を取られてしまいました(笑)
特急オホーツクは旭川始発ではないので、到着すると、すぐに発車しちゃいます。
そうなんです。北海道では普通列車や特急の発車メロディなどは基本ありません。笛が鳴り車掌さんが指差喚呼すると扉が閉まります。ホームでよく聞く『特急〇〇~△号、扉が閉まります。ご注意下さい。』などの案内もありません。とってもシンプルです。静かに扉が閉まると、短く警笛を鳴らして発車していきます。
広い道内で唯一、発車メロディがあるのは函館駅だけです。
そして、特急乗車時の停車駅アナウンスでは『停車時間はわずかです。お降りの方は早めのお支度をお願いします』と、急かされます(笑)
北の大地は広いのです。駅の停車時間は巻きでいかないと、間に合わないよ!って感じでしょうか。
だけど、乗車時は温かいアナウンスが流れます。『それでは目的地まで、ごゆっくりお過ごし下さい。』動くホテルみたいで、くろしおは、このアナウンス好きでした。
度々言っていますが、ぜひ特急車内自動アナウンスに注目してみて下さい。
他にはエゾジカのアナウンス、『エゾシカなどの野性動物が多数出没する区間を走行致します。』や、さらには、エゾシカが線路内に侵入するとスピードをだしている特急では、警告音とともに、『急ブレーキがかかりました。ご注意下さい』と、車体が少し揺れて一瞬ビックリするアナウンスもあり、この旅で一度だけ体験しました。だけれども、運転士さんの急ブレーキという判断で、衝突は回避でき、大幅な遅延は発生しませんでした。
そんな過酷な中を私たちを乗せて走ってくれる北海道の鉄道運転士さんは、本当に大変だと思います。神経すり減りそう。
列車に乗っていると、何度も警笛が聞こえてきます。エゾシカなどは、横断するだけではなく、線路を舐めにくるのです。それは、鉄分を補給するため。野生動物にとって、線路は生きていくためのサプリメントなんですね。
目を見張り運転していても、衝突してしまうこともあって列車が遅延したりするけど、線路脇に鉄柵などはなく、野生動物の自由な生活行動と、そこに走る鉄道は共存していかなければなりません。これが北海道なんだと、これが試される大地と言われる所以なんだと、この旅を通じて強く感じました。
そんな鉄道に今日もお世話になります。
網走へ出発です。
旭川から網走は石北本線を走ります。
紫マーカー写真左側が旭川駅、右側が網走駅です。
ここの路線は今までの広大な緑の大地とは少し違って、山間を縫うように走ります。これがちょうど時期がよかった!山々は黄色やオレンジに色づき、ひたすら続く紅葉はずっと見ていても飽きませんでした。
私が乗車した日は10月16日。標高の高い旭岳には初冠雪があり、北海道は、もう冬に向かって季節は進もうとしていました。
正解はこちら
こちらもアイヌ語の「アンタル・オマ・プ」《淵のある場所》という意味からきているそうです。この辺りの石狩川は地図を見てみると、川幅が広くて大きく張り出すようにカーブしているのが分かります。
『淵』とは水を深くたたえているところ。流れの水がよどんで深くなったところなどの意味です。
川が直線ではないため流れがよどんでしまう。そして川幅がある=水量が多く深くたたえている。(深くたたえる→厳密に意味を追求すると少し違うけど)そんな地形からこのような名前になったのかもしれませんね。
そして、特急オホーツクはこちら上川駅に停車します。
上川はスキージャンプの高梨沙羅選手の出身地。
石狩川に沿ってオホーツクは山間部を走り抜けます。
車内では、こんなにかわいい注意書きを見つけたり。
自分の乗っている特急オホーツクがミラーに写りこんでいるところを、たまたま撮れていたり。
車窓から、こんなに長く続く色とりどりの山々を見たのは初めてだったり。
車窓を楽しんでいると、次の停車駅に到着。
丸瀬布は、アイヌ語で「マウレセプ」。ここは説が色々あるけど、今までのような明確な由来がなく不明なんだそう。
そして、特急オホーツクは遠軽に到着
オホーツクはこの遠軽駅から進行方向が変わります。みんな周りに声を掛けながら自分の座席は自分で回転させますよ。道内でこのようなスイッチバック駅はここ、遠軽だけです。
遠軽駅からの眺めも綺麗です。
ここで旭川駅キヨスクで購入したものを紹介。
森駅のイカめしが売ってたので思わず買っちゃいましたが、正直に言います。
くろしおは東北一周した時に買った、青森八戸のイカめしのほうが好きです。
やっぱり森駅で買わないとダメかな。
そして、このおかき。北海道の特産をメインにした数種類の味が売っていて、くろしおは、とうもろこしをチョイス。ほんとうに素朴な味わい。普段、食べているおかきとは違います。なので、最初食べると物足りないかもしれません。だけど、素材の味が口の中に残るので、またすぐに食べたくなる。余韻の連鎖反応が起きる味わいでした。おすすめ。
車窓と北海道グルメを楽しんでいたら、特急オホーツクは留辺蘂駅に到着です。
北見市ホームページによると、留辺蘂(るべしべ)は、アイヌ語の「ルペシュペ」から。アイヌ語では、道のことを「ルー」、越える道を「ルペシュペ」と言って、佐呂間別川へ越す道の意味で、ペをベにし、シュペをシベにして「ルベシベ」と訳し、さらに漢字の「留辺蘂」をあてたと記載されていました。
サロマ湖はご存知の方、多いのではないでしょうか?サロマ湖があるのが佐呂間町。(湖は大きいのでほかの町にもまたがっています。)そして佐呂間別川はサロマ湖に繋がっています。
昔、留辺蘂に住む人達は、佐呂間周辺の特産物である海産物※や、かぼちゃ、乳製品などを求めるために通っていたのかもしれませんね。
※サロマ湖は国内最大の海水が混ざる湖。(海と繋がっているのでほぼ海水なんだとか。)ホタテ、カニ、牡蠣、エビなど、たくさんの海産物に恵まれています。
そして、「る」 から始まる鉄道の駅名は日本では、この留辺蘂駅だけです。
少し前まで、留萌本線の留萌駅がありましたが、廃線になってしまいました。
北の大地の駅には様々な歴史や、ここにしかないものなど、通り過ぎるだけでも強く印象に残る駅が本当に、たくさんあります。
さぁ、オホーツクはどんどん進みます。次の停車駅は
ここ北見市は道内一大きい市なんです。
東京23区が2つ分入っても、まだ余るぐらいの大きさなんだとか。
ここまで来ると網走に近くなってきましたよ。
続いての停車駅は
そして、次の停車駅
ここも初見ではなかなか読めないですね。一文字一文字を分けて考えると読めなくもないかな?謎解きみたいな駅名です。
この女満別駅には図書館が併設されているそうです。旅の始まりの時に乗車した、道南いさりび鉄道の渡島当別駅では郵便局が併設されていました。廃線を余儀なくされる路線の多い北海道の鉄道にとっては、いい駅の残し方、在り方なのかもしれません。
いよいよ次は終着、網走です。旭川から網走までは約3時間40分かかりますが、ここでも、そんな時間の長さは全く感じることのない、素晴らしい車窓や駅の連続でした。
最後は木々に隠れて途切れ途切れですが、網走湖が車窓から望めます。
この網走湖は淡水と海水が二層になっている汽水湖。
満潮になると海水が網走湖に逆流して流れ込むそう。そして、淡水より海水のほうが比重が重いので、二層になります。そうやって沈んだ海水部分は無酸素なんですね。
降水量が多くなると、網走湖は淡水の割合が大きくなります。逆に降水量が少ないと満潮ごとに海水が流れ込むため、海水(無酸素層)の割合が増え、そうなるとワカサギなどは湖面に追いやられ、結果として大漁に繋がるそうです。自然の成り立ちって奥が深くて面白い。
おっと!旅のnoteに戻らないと(笑)
旭川駅で撮れなかった特急オホーツク号です。
網走のイメージは、ちょっとディープで寒々しく、オホーツク海も荒波で男海な感じ。
オホーツク海ってどんなだろう?見に行きますよ。
とりあえず、網走駅の観光案内所でレンタサイクルします。ここで注意が必要。ここのレンタサイクル、お昼12時からしかしていません。早い時間に来ても借りれないので気をつけて下さいね。(2023年10月現在の情報)
駅から自転車で10分ほど走ると道の駅があって、オホーツク海を望めるのです。 電動自転車なので楽々です。出発!
こちらの道の駅は流氷クルーズ船の発着場所にもなっていて、冬の間はとても混み合うそうです。
道の駅に向かう道中で、どうしても食べたい物があるので、寄り道しながら自転車を走らせます。
揚げたてはもちもちフワフワ。美味しかった~!
あと、もう一件。こちらも寄ってみたかったところ。
ほたて天、いか天は真空パックになっているので日持ちします。
お店の方が教えてくれた美味しい食べ方は、沸かした湯の中にいれたら火を止めて、しばらく入れておいてから食べる。
あまり熱々にしたり、特に電子レンジは水分が抜けちゃうから、おすすめしないと仰ってましたよ。
2件とも駅からそんなに遠くないので、網走に来たら寄ってみてはいかがでしょうか?
天ぷらをハシゴしながら寄り道していると、風が強くなってきて、だんだん雲行きが怪しくなってきた。
これは、くろしおの網走イメージを壊さないための網走の優しさなのでしょうか?(笑)海が近くなるにつれ、風は威力を増し、カモメが大量に飛び回っています。鳴き声がすごい!
大粒の雨です!ギリギリセーフ。到着しました。
雨が降ってきたけど、オホーツク海を感じたいのでまた外へ。
まさに私がイメージしているオホーツク海はこんなのでした。オホーツク海ってなぜか、とっても厳しいイメージがあるんです。
寒いー!風すごい!再び道の駅に戻ります(笑)
と、ここでこんなのを発見。
網走ザンギ!
このザンギ丼には、たくさんのルールがあるのです。
それがなかなかすごい。
“ザンギ” と思って食べると、サーモンなので蛋白な味わいです。だけど、ここのはザーサイが添えられていて、それと一緒に食べるもよし、スープの味がしっかり目なので、ザンギ丼を口に頬張ったら、その後スープを含むと素晴らしいハーモニーが口の中で生まれます。
網走グルメ。どれもおすすめです。
さて、網走滞在時間はそんな長く取れなかったため、雨は止んでいないけど、駅に戻りますよ。しまなみ海道で鍛えられたくろしお。これぐらいの雨はへっちゃらです(笑)
駅に着くと停まっていたキハ40。
サボと言われる行先表示は、くろしおにとって初めて目にする物で、とても新鮮でした。だけどこの車両、2025年に引退が決まっていますね。すべてデクモに置き換わるのかな?
気がついたら5000文字超えてる(汗)今回のnoteも長くなってしまいました。ごめんなさい。
線路の保線工事と重なっため、列車が走っていなく、ここからは代行バスで知床斜里駅に向かいます。この日の最終目的地は釧路駅です。
この話しは次回に。
くろしお
道の駅 流氷街道網走にあった、ポケふた。みんな探してたけど人気なんですね。
続きの旅はこちら。
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