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試される大地の優しさに触れた北海道10日間の旅 / 網走へ


北海道一周の旅をお届け中の、くろしおです。


『試される大地の優しさに触れた北海道10日間の旅』シリーズ記事のお届け後のタイミングで、Instagramにその地域で撮った動画をupしています。良かったら遊びに来て下さいね。

くろしおInstagram
https://www.instagram.com/kuroshio358


前回の記事



10月16日。旅の5日目。
特急オホーツク1号に乗って網走へ。

旭川駅、よかったなぁ。


またね。


乗車目標案内がハイテク。とっても見やすい。


オホーツクを撮影するために早めにホームに上がったのですが᠁。こちらに気を取られてしまいました(笑)

連結作業中です~。


特急オホーツクは旭川始発ではないので、到着すると、すぐに発車しちゃいます。


そうなんです。北海道では普通列車や特急の発車メロディなどは基本ありません。笛が鳴り車掌さんが指差喚呼すると扉が閉まります。ホームでよく聞く『特急〇〇~△号、扉が閉まります。ご注意下さい。』などの案内もありません。とってもシンプルです。静かに扉が閉まると、短く警笛を鳴らして発車していきます。

広い道内で唯一、発車メロディがあるのは函館駅だけです。


そして、特急乗車時の停車駅アナウンスでは『停車時間はわずかです。お降りの方は早めのお支度をお願いします』と、急かされます(笑)

北の大地は広いのです。駅の停車時間は巻きでいかないと、間に合わないよ!って感じでしょうか。

だけど、乗車時は温かいアナウンスが流れます。『それでは目的地まで、ごゆっくりお過ごし下さい。』動くホテルみたいで、くろしおは、このアナウンス好きでした。

度々言っていますが、ぜひ特急車内自動アナウンスに注目してみて下さい。

他にはエゾジカのアナウンス、『エゾシカなどの野性動物が多数出没する区間を走行致します。』や、さらには、エゾシカが線路内に侵入するとスピードをだしている特急では、警告音とともに、『急ブレーキがかかりました。ご注意下さい』と、車体が少し揺れて一瞬ビックリするアナウンスもあり、この旅で一度だけ体験しました。だけれども、運転士さんの急ブレーキという判断で、衝突は回避でき、大幅な遅延は発生しませんでした。

そんな過酷な中を私たちを乗せて走ってくれる北海道の鉄道運転士さんは、本当に大変だと思います。神経すり減りそう。

列車に乗っていると、何度も警笛が聞こえてきます。エゾシカなどは、横断するだけではなく、線路を舐めにくるのです。それは、鉄分を補給するため。野生動物にとって、線路は生きていくためのサプリメントなんですね。

目を見張り運転していても、衝突してしまうこともあって列車が遅延したりするけど、線路脇に鉄柵などはなく、野生動物の自由な生活行動と、そこに走る鉄道は共存していかなければなりません。これが北海道なんだと、これが試される大地と言われる所以ゆえんなんだと、この旅を通じて強く感じました。

そんな鉄道に今日もお世話になります。
網走へ出発です。

旭川から網走は石北本線を走ります。
紫マーカー写真左側が旭川駅、右側が網走駅です。

オレンジマーカーは
写真で紹介する駅です。


ありがとう!旭川


ここの路線は今までの広大な緑の大地とは少し違って、山間を縫うように走ります。これがちょうど時期がよかった!山々は黄色やオレンジに色づき、ひたすら続く紅葉はずっと見ていても飽きませんでした。

私が乗車した日は10月16日。標高の高い旭岳には初冠雪があり、北海道は、もう冬に向かって季節は進もうとしていました。

もうすぐ安足間駅を通過
(なんて読むでしょう?)


正解はこちら

読めるわけない(笑)
でも響きがなんか、かわいい。


こちらもアイヌ語の「アンタル・オマ・プ」《淵のある場所》という意味からきているそうです。この辺りの石狩川は地図を見てみると、川幅が広くて大きく張り出すようにカーブしているのが分かります。


『淵』とは水を深くたたえているところ。流れの水がよどんで深くなったところなどの意味です。

川が直線ではないため流れがよどんでしまう。そして川幅がある=水量が多く深くたたえている。(深くたたえる→厳密に意味を追求すると少し違うけど)そんな地形からこのような名前になったのかもしれませんね。

石狩川



そして、特急オホーツクはこちら上川駅に停車します。

上川はスキージャンプの高梨沙羅選手の出身地。

石狩川


石狩川に沿ってオホーツクは山間部を走り抜けます。

だんだんと青空が見えてきた


白滝駅


車内では、こんなにかわいい注意書きを見つけたり。


自分の乗っている特急オホーツクがミラーに写りこんでいるところを、たまたま撮れていたり。

特急オホーツクがミラーに



車窓から、こんなに長く続く色とりどりの山々を見たのは初めてだったり。


車窓を楽しんでいると、次の停車駅に到着。

見にくいけど、丸瀬布駅



丸瀬布まるせっぷは、アイヌ語で「マウレセプ」。ここは説が色々あるけど、今までのような明確な由来がなく不明なんだそう。


そして、特急オホーツクは遠軽に到着

遠軽駅


味のあるホームです。

オホーツクはこの遠軽駅から進行方向が変わります。みんな周りに声を掛けながら自分の座席は自分で回転させますよ。道内でこのようなスイッチバック駅はここ、遠軽えんがるだけです。

こんな路線になっています。



遠軽駅からの眺めも綺麗です。

車窓から


ここで旭川駅キヨスクで購入したものを紹介。

このカステーラ、
北海道でよく見かけました。
ふつーにおいしいです。


森駅のイカめしが売ってたので思わず買っちゃいましたが、正直に言います。
くろしおは東北一周した時に買った、青森八戸のイカめしのほうが好きです。
やっぱり森駅で買わないとダメかな。

こちらは宿泊先のホテルで
温めてから食べました。


そして、このおかき。北海道の特産をメインにした数種類の味が売っていて、くろしおは、とうもろこしをチョイス。ほんとうに素朴な味わい。普段、食べているおかきとは違います。なので、最初食べると物足りないかもしれません。だけど、素材の味が口の中に残るので、またすぐに食べたくなる。余韻の連鎖反応が起きる味わいでした。おすすめ。

東北や北海道のとうもろこしは
おいしい。


車窓と北海道グルメを楽しんでいたら、特急オホーツクは留辺蘂駅に到着です。

「留辺蘂」
これもまた難読駅です。


北見市ホームページによると、留辺蘂(るべしべ)は、アイヌ語の「ルペシュペ」から。アイヌ語では、道のことを「ルー」、越える道を「ルペシュペ」と言って、佐呂間別川さろまべつがわへ越す道の意味で、ペをベにし、シュペをシベにして「ルベシベ」と訳し、さらに漢字の「留辺蘂」をあてたと記載されていました。

遠軽町 = 遠軽駅


サロマ湖はご存知の方、多いのではないでしょうか?サロマ湖があるのが佐呂間町。(湖は大きいのでほかの町にもまたがっています。)そして佐呂間別川さろまべつがわはサロマ湖に繋がっています。

昔、留辺蘂るべしべに住む人達は、佐呂間周辺の特産物である海産物※や、かぼちゃ、乳製品などを求めるために通っていたのかもしれませんね。

※サロマ湖は国内最大の海水が混ざる湖。(海と繋がっているのでほぼ海水なんだとか。)ホタテ、カニ、牡蠣、エビなど、たくさんの海産物に恵まれています。

そして、「る」 から始まる鉄道の駅名は日本では、この留辺蘂るべしべ駅だけです。

少し前まで、留萌本線の留萌るもい駅がありましたが、廃線になってしまいました。


北の大地の駅には様々な歴史や、ここにしかないものなど、通り過ぎるだけでも強く印象に残る駅が本当に、たくさんあります。

ここも冬が来ると
真っ白になるんやろうなぁ。
雪に覆われた白銀の大地を見てみたい。


さぁ、オホーツクはどんどん進みます。次の停車駅は

北見駅


ここ北見市は道内一大きい市なんです。
東京23区が2つ分入っても、まだ余るぐらいの大きさなんだとか。

赤い枠が北見市



ここまで来ると網走に近くなってきましたよ。

続いての停車駅は

びほろ駅
ここでも「幌」が使われています。


そして、次の停車駅

女満別駅


ここも初見ではなかなか読めないですね。一文字一文字を分けて考えると読めなくもないかな?謎解きみたいな駅名です。

この女満別めまんべつ駅には図書館が併設されているそうです。旅の始まりの時に乗車した、道南いさりび鉄道の渡島当別おしまとうべつ駅では郵便局が併設されていました。廃線を余儀なくされる路線の多い北海道の鉄道にとっては、いい駅の残し方、在り方なのかもしれません。


いよいよ次は終着、網走です。旭川から網走までは約3時間40分かかりますが、ここでも、そんな時間の長さは全く感じることのない、素晴らしい車窓や駅の連続でした。

最後は木々に隠れて途切れ途切れですが、網走湖が車窓から望めます。

網走湖


この網走湖は淡水と海水が二層になっている汽水湖きすいこ

満潮になると海水が網走湖に逆流して流れ込むそう。そして、淡水より海水のほうが比重が重いので、二層になります。そうやって沈んだ海水部分は無酸素なんですね。

国土交通省
北海道開発局ホームページより


降水量が多くなると、網走湖は淡水の割合が大きくなります。逆に降水量が少ないと満潮ごとに海水が流れ込むため、海水(無酸素層)の割合が増え、そうなるとワカサギなどは湖面に追いやられ、結果として大漁に繋がるそうです。自然の成り立ちって奥が深くて面白い。

ピンクのマーカーの
網走川から海水が流れ込んでくる。



おっと!旅のnoteに戻らないと(笑)

到着!網走


旭川駅で撮れなかった特急オホーツク号です。

オホーツク
紅葉の山々を走り抜けてくれてありがとう!
この写真の注目は綺麗に並んだ
ホーローの駅名票「あばしり」三兄弟(笑)


今回のヘッダー写真はこれ。
展示物がたくさんあります。
このアングル。
いろんな観光ガイドで見たよー。
くろしおも降り立つ。


網走のイメージは、ちょっとディープで寒々しく、オホーツク海も荒波で男海な感じ。

オホーツク海ってどんなだろう?見に行きますよ。

とりあえず、網走駅の観光案内所でレンタサイクルします。ここで注意が必要。ここのレンタサイクル、お昼12時からしかしていません。早い時間に来ても借りれないので気をつけて下さいね。(2023年10月現在の情報)

観光案内は駅舎と同じ建物内にあります。


駅から自転車で10分ほど走ると道の駅があって、オホーツク海を望めるのです。 電動自転車なので楽々です。出発!

こちらの道の駅は流氷クルーズ船の発着場所にもなっていて、冬の間はとても混み合うそうです。

道の駅に向かう道中で、どうしても食べたい物があるので、寄り道しながら自転車を走らせます。

北見食品
天ぷらかまぼこのお店
好きな天ぷらを選びます。
こちらに持っていくとお会計後
その場で揚げてくれます。


揚げたてはもちもちフワフワ。美味しかった~!

熱いから気をつけて食べてね。


あと、もう一件。こちらも寄ってみたかったところ。

大谷かまぼこ
店の入口。
見落とさないで見つけてね。
ここから買いたい天ぷらを取ります。
お会計も工場の端っこで。
ここは、持ち帰りのみです。
これからも頑張って作って下さい!
大谷かまぼこさんの
定番だそうです。美味しかった!
こちらは、自宅に持って帰りました。

ほたて天、いか天は真空パックになっているので日持ちします。

お店の方が教えてくれた美味しい食べ方は、沸かした湯の中にいれたら火を止めて、しばらく入れておいてから食べる。

あまり熱々にしたり、特に電子レンジは水分が抜けちゃうから、おすすめしないと仰ってましたよ。

2件とも駅からそんなに遠くないので、網走に来たら寄ってみてはいかがでしょうか?


天ぷらをハシゴしながら寄り道していると、風が強くなってきて、だんだん雲行きが怪しくなってきた。

これは、くろしおの網走イメージを壊さないための網走の優しさなのでしょうか?(笑)海が近くなるにつれ、風は威力を増し、カモメが大量に飛び回っています。鳴き声がすごい!

オホーツク海の上空


大粒の雨です!ギリギリセーフ。到着しました。

網走駅からほぼ一直線です。


雨が降ってきたけど、オホーツク海を感じたいのでまた外へ。

まさに私がイメージしているオホーツク海はこんなのでした。オホーツク海ってなぜか、とっても厳しいイメージがあるんです。

冬になると流氷がやってくるのですね。
ここは空が二層に。


寒いー!風すごい!再び道の駅に戻ります(笑)

と、ここでこんなのを発見。
網走ザンギ!

かに飯を食べようと思っていたけど…


網走ザンギ丼の誘惑に負けた。
外は大雨です。

このザンギ丼には、たくさんのルールがあるのです。

それがなかなかすごい。

ご当地グルメ「オホーツク網走ザンギ丼」ザンギを作る際に生姜やにんにくで調味した醤油に漬け込むのだが、オホーツクサーモンの色を醤油でくすませないため白魚醤油を使っている。白魚醤油の原料もオホーツクサーモンと塩のみ。

「正式名称はオホーツク網走ザンギ丼とする」「ご飯の上にのせる具材は網走ザンギのほかは自由とするが、なるべく地元産の食材にこだわる」「オホーツク網走産長いもと網走産の山わさびを添える」「網走産の貝を使った汁ものをつける」など、地元愛溢れるルールが定められた網走ザンギ丼。ルールの一つに「価格は1000円未満(税込)とする」と定められているのもうれしいところだ。

北海道発ローカル旅行 たびらいより


このスープが美味い。


“ザンギ” と思って食べると、サーモンなので蛋白な味わいです。だけど、ここのはザーサイが添えられていて、それと一緒に食べるもよし、スープの味がしっかり目なので、ザンギ丼を口に頬張ったら、その後スープを含むと素晴らしいハーモニーが口の中で生まれます。

網走グルメ。どれもおすすめです。

さて、網走滞在時間はそんな長く取れなかったため、雨は止んでいないけど、駅に戻りますよ。しまなみ海道で鍛えられたくろしお。これぐらいの雨はへっちゃらです(笑)

駅に着くと停まっていたキハ40。

まだ、乗れていない車両です。
この旅で一度は乗れるといいな。
このような行先表示を
「サボ」と言うそうです。


サボと言われる行先表示は、くろしおにとって初めて目にする物で、とても新鮮でした。だけどこの車両、2025年に引退が決まっていますね。すべてデクモに置き換わるのかな?

気がついたら5000文字超えてる(汗)今回のnoteも長くなってしまいました。ごめんなさい。



線路の保線工事と重なっため、列車が走っていなく、ここからは代行バスで知床斜里しれとこしゃり駅に向かいます。この日の最終目的地は釧路駅です。


この話しは次回に。



くろしお

道の駅 流氷街道網走にあった、ポケふた。みんな探してたけど人気なんですね。


続きの旅はこちら。

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