来るみくる

人間は考えるヤシの木だ カメハメハ

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最近の記事

夏休み

僕には、ちょっとだけ気になる女子がいる。 無邪気で、僕の話を楽しそうに聞く。たまに話が噛み合わないときもあるけれど、どうしてそうなったかなんて忘れてしまった。 夏休み、わざわざ女子と会うのは気が引けたから、毎日友達と、キャッチボールとか、スケボーとかをして過ごした。あいつと遊んだりしたら、噂立てられるし。 夏休みはあと4日。僕は骨折した。学校が始まって、ギブスを巻いた僕は一躍有名人になった。「痛い?」「お風呂入れるの?」「なんで骨折したの?」 でもその子は、骨折のことについて

    • おすすめの曲です

      夜ふかしできなくなった私を朝方の海に連れて行った音楽。この街にはどこに海があるかも分からないけれど、白み始めた景色にどこか不釣り合いな漁船の汽笛が、そんなものは聞いたことがないはずなんだけれど、聞こえた気がしたんだ。 窓の外を眺めたら月が見えるんじゃないかって寝返りを打ってみたら、そこには曇り空しかなかったけれど、なんだか一連の一瞬が美しく思えた。 まだよく知らない街で見た桜は、初めて単純に私の旅立ちを祝ったような気がした。 朝の空気が懐かしい。頬に刺さる冷たさと、コントラス

      • 第二話 新社会人になっちゃった(泣)

        私は不定休の職種で、実を言うとまだ2日しか出勤しておらず、新社会人はツライっ( ; ; )ともまだ言えない段階ですが、明日から4連勤なので書いてみます。 美容師アシスタントという、新社会人の中でも下っ端感の強すぎる立場であるため、正直まだまだ学生気分で、「アルバイト募集!時給1500円」というチラシにアラいいわねと飛びついてしまう日々です。 入社式も無く、私服通勤なので、スーツも1年近く衣装ケースの中で冬眠中。社会人になったという実感は、高校を卒業してすぐ開けた口のピアス

        • 片道切符

          人生で初めて買った片道切符で、この地方都市を出て、東京なんていう、なんでもあってなんにもないなんて言われる冷たい街に住むことになった。 こんな町、昔は嫌いだった。噂話に監視されるようなよくある田舎で、その割に都会ぶって主要駅の周りだけは仰々しく飾り立てていた。多分、私はこの町では落ちこぼれで、今後の話題作りのためだけに行った同窓会も、まるで小人になったような気持ちで、人様に踏みつけられないようにひっそりとオレンジを齧った。 仲間外れにあった中学校も、足繁く通った精神科も、半

          大人or子ども 造花or生花

          私は最近、もっぱら夢中になっている一つの議題があって、それは 「私は大人なのか、子どもなのか」 というものです。ディベートは私の脳内でしか行われないため、完全に迷走しています。 私は子どもとして、もう少しだけ生きてみたいのです。衝動性は火花のようで美しかった。不安定さも、まるで生きた花のようで、今考えれば全然悪いものでは無かった。 今じゃ、保身ですよ。ソシャゲなんてやらなくなった。それに夢中である自分も含めて、昔は好きだったのに、時間ない体力ないって決まり文句でテトリスの

          大人or子ども 造花or生花

          魂デコ

          私はバイト先でとにかくぼっちで、とにかく。唯一の救いが暇な時間にスマホを見れるところなんです。バイトの大学生がインスタとかラインとかビーリアルとか開いてる時、私は血眼でメルカリを見て、可愛い服を探して、そうするとなんだか自分がもう、可愛いお洋服屋さんとか、たくさん集めたお洋服とかアクセサリーとかぬいぐるみとかが待ってる自分の部屋に、行っちゃった気分になるんです。そこが飲食店のキッチンなことも、私以外のバイトが楽しげに話していることも、めちゃくちゃぼっちなことも、本当に頭から消

          第一話 社会人が待っている

          先日、私は無事に、美容学校を卒業しました。 高3の頃、進路選択に追われて、「美容が好きで唯一続けられそうだから」という、ただそれだけの理由で入学を決めた専門学校。入学してすぐ、見渡す限りの美人イケメンギャルヤンキーに恐れをなして早々に諦めかけたキャンパスライフも、いつの間にか結構楽しくて愛しいものになっていて、卒業式には一丁前に泣いてしまったりもしたけれど、その後の私に立ちはだかるのは美容室への就職。 正直、美容師なんてタチじゃないんです。全く。こんな陰鬱note書いてる美容

          第一話 社会人が待っている

          明日には大人になる私へ

          強くなっちゃったよ。 意地悪で無慈悲な人間ばかりの世の中が心から救えないものに思えて、自分の部屋で、首に紐をかけたよね。でもさ、20年も生きたら、私もそうなっていくみたいでさ、そうなるしかないように思えてさ、態度に出して、口に出して、攻撃することで自分を守るようになっちゃったよ。 鳥籠は満足に羽も広げられないほど狭くて、でも籠の外に飛び立ってしまえばどこに行けば良いか分からなくて、それが苦しいと私は言ってたね。今じゃそんな例え話思いつかない程、毎日がめまぐるしくて、それを言い

          明日には大人になる私へ

          愛猫

          私は、お家で飼ってる白黒ハチワレの猫が、唯一の生きる意味なんです。 あの日、ケージの中から必死に手を伸ばしてくれたこの子に、勝手に運命を感じてしまっているんです。 マイペースで、ご飯の好き嫌いが多くて、抱っこは嫌いで、それなのに私が泣いてたら、落ち込んでたら、私のそばに来て、慰めるように撫でさせてくれるんです。そんなこの子なりの、過不足のない優しさがすごくうれしくて、毎日大好きになる。 それだけじゃないんです。この子は昔から片目が少し悪いようで、たまにウインクしてるみたいにな

          どうにか

          私はただ、模試の結果が悪かっただけでこんなになってるんじゃない。 人より段違いにできない事があると、その度全部思い出してしまう。勉強ができなかったこと、提出物が出せなかったこと、運動ができなかったこと、友達が作れなかったこと、お年玉が少なかったこと、服を買ってもらえなかったこと、お父さんがいないこと、学校に行けなかったこと、可愛くなかったこと、私を見下すような視線、笑い声、ヒソヒソ話。 何度生まれてしまったことを憎んだか。何度自殺に失敗したか。死ぬことすら諦めるほど苦しい思い

          サブカルクソ女の20年

          子供らしくない子供でした。 天才てれびくんを見て、本当はその後の番組も見たかったのに、家族に「あんなのバカ番組だ」と言われてニュース7に無理やりチャンネルを変えられた。私はひとりっ子だったから、周りの大人がああだこうだと政権やら政治家やらスポーツ選手やらに文句を垂れる姿ばかり見て、私も置いていかれる訳にはいかないと思い、適当に「こいつ馬鹿だね」とかなんとか言ったら、笑われました。とにかく子供の頃は、アメトークもダッシュ島もドラえもんもクレしんも見ることを許されず、ひるおびとか

          サブカルクソ女の20年

          あのちゃん

          あのちゃんは、今年紅白に出るそうだ。映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の声優も務めるらしい。気付いていた。彼女はきっと、世渡り上手だ。赤の他人にこんなことを言われて、きっとあのちゃんにとってたまったもんではないと思うので、こんな駄文をご本人様が間違っても目にしないことを願いたい。 初めて彼女を知ったのは、YouTubeに転載された何かのテレビ番組の切り抜きで、頭をゆらゆらと揺らしながら「最近のご飯、節約のためにポテトチップス…」と口にする動画だった。心を

          あのちゃん

          20歳

          1ヶ月と少し前、20歳になりました。つまんない大人に、なってしまいました。 だんだんと、自分について考える時間が減っていました。気付けば、自分について書くことが、恥ずかしくなっていました。 お酒もタバコも、もう堂々と買えるし、どんな仕事だって出来る。夜中フラついても補導もされないし、全部手に入れたようで全部失ってしまったような感覚があります。 来年からは、嫌いな地元を逃げ出し、東京で働きます。色々とうまく行けばの話ですけど。今年は就活で東京に行くことが多くありました。下北沢や

          眠いときに書いた

          たったの二連休でまた生活リズムがぶっ壊れた。今は2時39分。明日は遅くとも8時には起きなくてはいけないし、私は過眠症なのに、一体何をしているのか。 昔聴いていた音楽を突如また聴きたくなった。小学生の頃大好きだったピノキオピー。真っ暗な部屋で小さい携帯の電光のみを凝視していたら、脳みそは見事にウニョウニョと活性化し、連想ゲームの始まり。最終的に、昔ガチ好きだった地元カスバンドマンのMVを見ていた。 ? 最近はコンサータをあまり飲んでいない。コンサータ怖いし。なんかもう、薬で

          眠いときに書いた

          籠城

          君と私だけの毎日のこと、全然知らない友達は君のことを悪く言う。友達は君のことが嫌いなんだって。 君の束縛が、不安が、私にはすごく心地よくて安心すること。メガネを取ると大きくてくっきりした目が際立ってかっこいいこと。突然私の首に手をかけて力を込めること。 全部全部君と私だけの秘密だから友達には言わない。在り来りな恋愛しかしてこなかったあなたに分かるわけないじゃん。大森靖子に絶対共感する〜とか言うからおすすめの曲教えてあげたのに、まかえんばっか聴いてる。当たり前。羨ましい。生ぬる

          君の前で「私はこんなに幸せになれるはずじゃなかった」と泣いたのは、君を困らせて同情を誘うためでも、あの時の喧嘩のことで不機嫌になった君の機嫌を取るためでも、何でもなくて、私の紛れもない本性で本音だったって、気付いてくれたのだろうか。 ピンクとか花柄とかフリルとか、私っぽいが私っぽくなかった頃のこと、同級生の一人くらいは覚えていたりするのだろうか。全部手作りのわたあめとかレースとか、針が指に刺さってもずっとずっと継ぎ接いで、白いインヒールスニーカーで歩き続ける私のふくらはぎの筋